特許情報の見える化：知財担当者が推進するＲ＆Ｄ戦略

受講対象

技術者・研究者、研究開発を支援するR&Dスタッフ（企画部門・知財部門・調査部門）の方

講義のねらい

知財・調査や企画部門にとって、技術動向や市場ニーズを反映したパテントマップは、R&D部門の戦略策定や新規事業開発などを支援するための重要なツールです。
しかし、実際には、パテントマップが役立たないという声が多く聞かれます。その主な原因は、目的と仮説が不明確であること、そして、分析の基本的な考え方を十分理解していないことにあります。
このセミナーでは、これらの問題を解決するために、「情報の見える化・構造化」という情報分析の基本を理解することから始めます。これにより、分析思考力を習得し、パテントマップの実用性を高めことができます。次に、統計解析型と内容解析型の二種類のパテントマップの具体的な活用方法を学びます。統計解析型パテントマップは、特許の件数を可視化して技術開発の方向性判断に役立てるものです。内容解析型パテントマップは、技術や市場ニーズなどの内容を可視化し、新しいテーマや課題の発見に活用します。最後に、ChatGPT等の生成AIを活用したスキル向上方法についても解説します。

主催団体

本講義は、一般社団法人企業研究会が主催しております。

研修プログラム例

１．特許情報・パテントマップの戦略的活用入門
(1)よくある情報分析の失敗
　・なぜ、パテントマップが役立たない（貢献できない）のか？
(2)可視化・見える化・構造化の定義
　・構造的に見える化することで情報から知識・知恵を生み出すことができる
(3)パテントマップの定義
(4)パテントマップの種類と研究開発への戦略的活用
　・内容解析型パテントマップ、統計解析型パテントマップ
(5)R&D戦略と特許情報
(6)守りと攻めのパテントマップ；特許庁提唱ＩＰランドスケープとの関係

２．特許情報分析の基礎知識とスキル（情報リテラシー）
(1)分析の理解～分析を理解しないまま効果的なパテントマップは作成できない。
(2)３つの基本思考
　・目的思考
　・仮説思考
　・構造化思考
　ミニ演習：目的、仮説
(3)構造化演習
　・構造化を行うことで切り口（分類）
　・アイデアを生み出せる
(4)情報源としての特許情報の理解
　・技術情報
　・市場・顧客情報
　・技術戦略情報
　・特許情報活用の原則

３．統計解析型（動向分析）パテントマップの活用
(1)統計解析型パテントマップとは？
(2)統計解析型パテントマップが役立たない原因
(3)役立つパテントマップ作成ルール
　・目的と仮説の設定、シャープな仮説
　・目的を実現するための母集合・分類
　・重要マップの理解（時系列動向、２軸マップ）
　・ビジネスフレームワークの理解
(4)表的な統計解析型パテントマップの活用と事例紹介
　・時系列出願動向
　・出願人別時系列出願動向
　・競合他社比較
　・ポートフォリオ
(5)演習　パテントマップ作成の基本、実践ミニ演習

４．内容解析型（アイデア創出）パテントマップの活用
(1)内容解析型パテントマップとは？
(2)マップ活用基本プロセス
　・目的・仮説設定
　・マップ作成
　・アイデア創出
(3)マップ活用事例
　・基本構成図、ビジネス俯瞰図）
　・技術の構造化・自社技術からの顧客価値創出
　・対象業界の時系列動向）
　・未来の革新的テーマのヒント）
　・問題・課題の捉え方
　・競合とのパワーバランス
(4)演習　特許情報をもとに切り口を考える、特許情報を構造化する

５．スキル向上・組織的活用のヒント
(1)スキル習得の原則・トレーニング方法
(2)人間と生成系AIとの協働、スキルの習得のヒント
(3)部門別（R&D、知財部門・調査部門）の進め方、R＆D・事業への貢献のポイント
　・知財部門担当者における活用ポイント
　・初級者～中級者のスキル習得方法

６．サービス紹介・質疑応答