■電話応対を評価するときの指標と、そのためのスキル目標
まず、「正確さ」「CS」「営業マインド」など、電話応対を評価する上での指標を考えます。そして、さらにその評価の指標に合わせた具体的なスキル目標を5つほど作ります。
具体的には、私のグループは「優しい対応」を評価の指標としました。そしてその「優しい対応」を行う上で必要なこととして、以下の5点を考えました。
・相手に合わせた話し方
・聞き上手
・相手の気持ちやニーズを把握する
・相手が要望を叶えることができるようナビゲートする
・相手の状況を把握して、それに合った対応を臨機応変にする
「優しい対応」が指標で、上記の5点がその具体的なスキル目標となります。セミナーでは、このような指標を4~5項目、スキル目標を20項目考えていきます。
■スキル目標と、さらに細かい評価基準
次に、そのスキル目標のさらに細かい評価基準を決めます。私のグループの場合は、「相手に合わせた話し方」を次のようにブレイクダウンしてみました。
・声の大きさ
・声のトーン
・抑揚
・話すスピード
・使用する言葉
今回のセミナーでは、3チームのグループに分かれていましたが、他のグループは、「ホスピタリティを感じる」、「傾聴力がある」、「親切丁寧な対応」を評価の指標としていました。
■デモテープを聞いて実際に評価
その後、グループで作成した「診断シート」を基に、デモテープを聞いて、グループ全員で実際に評価をしてみました。
しかし、一緒に評価リストを作成したグループメンバーでも、同じコールに対する評価がかなり異なっていました。先述の「相手に合わせた話し方」の要素と考えた、「使用する言葉」1つを取っても、モニタリングする方の評価の仕方は三者三様でした。
「診断シート」を作成したときは、これで同じ評価ができると考えていましたので、モニタリング後の評価のばらつきには驚いてしまいました。同時に、全員の評価が同じになるように、さらなる意見あわせをしていく必要性を実感することができました。
■評価の基準や項目数は、センターのビジョンによって違う
実際には、センターのビジョン(センターが求める電話応対)を具現化する形で、スーパーバイザーの方などが、「診断シート」を作成していきます。その際、どのようなことを評価の指標とするか(電話の受け方、業務知識、営業マインド、顧客満足など)によって、オペレーター(電話応対)の評価が全く変わってきます。
例えば、全20項目の「診断シート」の中で、
「電話の受け方」:5項目、
「基本応対」:5項目、
「応用応対」:5項目、
「業務知識」:5項目で、
評価項目を構成することがセンターのビジョンに合う場合があります。
一方でこれらの項目に加え、「顧客満足」や「営業マインド」などの項目も重視したいと考えるセンターもあります。そうすると、同じオペレーターでも、前者の「診断シート」のセンターでは70点の評価でも、後者のセンターでは、評価が60点になってしまう場合があります。
このように、「診断シート」の評価項目は一様ではなく、センターのビジョンに合わせた形で、柔軟に作成する必要があります。
インソースの「モニタリングスキル講座」では、このようにセンターのビジョンに沿う形での電話応対の基準を作る方法やその重要性についても講義し、「品質管理」につなげていきます。