■「モニタリング」とは
「モニタリング」とは、コミュニケーターとお客さまの会話を、会話の進行と同時に「聴く」ことです。「モニタリング」を継続的に実施し、コミュニケーターの現状を把握し、1人1人のクオリティを向上させることが、センター全体のクオリティ向上につながります。
■評価基準を決める
「モニタリング」を行う前に、どんな基準でセンターの現状を把握するかということを明確にしておく必要があります。評価する前に評価の基準を決めることは、考えてみれば当たり前のことですが、このことを軽視しているセンターも少なくありません。
■良い電話応対とは
まずは「お客さまに満足いただける会話であるか」ということです。お客さまが求める情報を、正確に、かつ迅速に提供することできれば、「電話してよかった」と思っていただけます。「コールから感じる印象」が事務的で冷たい印象だったとお客さまが感じたら、良い応対とはいえません。
また、「組織が求める応対ができているか」ということも重要です。例えば、売上げ・受注を最重要視する場合は、販売力の高いコミュニケーターの会話が「良し」とされますし、コンプライアンス重視であれば、安心・信頼感のあるコミュニケーターの会話が「良し」とされます。
いずれの場合も、各センターの「どのような電話」がもっとも良いのかを具体的に表し、組織における「良さ」の定義を明確にする必要があります。
■電話応対評価の構成要素
(1)基本応対スキル項目
【基本ルール】
ベル3回以内に出る、保留の前に「少々お待ちください」と言う 等
【第一声】
名前を名乗る、明るい、聞き取りやすい、歓迎の気持ちが感じられる 等
【声・話し方】
スピードがお客さまに合っている、話し癖がない、
声のトーンに表情がある 等
【言葉遣い】
尊敬語・謙譲語・丁寧語が正しい、くだけた言葉を使わない 等
【終了挨拶】
名前を名乗る、お電話への感謝を示す、切り急がない 等
(2)応用応対スキル項目
【あいづち】
タイミングよくあいづちをうつ、聴いている姿勢が感じられる 等
【復唱】
問い合わせ内容や固有名詞を復唱して、事実を正確に把握する 等
【質問】
お客さまの状況やご要望を訊きだす、状況に応じてオープン・クローズの質問話法を使い分ける 等
【説明】
説明の順序が整理されている、専門用語を使わない 等
(3)業務知識項目
【業務知識】
正確に説明する、都度保留にして確認しない、あいまいに回答しない 等
(4)セールス項目
【取引推進】
商品・サービスの購入に対して熱意ある言葉かけを行う 等
【提案】
お客さまの意思決定を促進する情報提供を行う 等
(5)顧客満足(CS)項目
【心情理解】
お客さまの心情を察する言葉かけをする、お客さまと共感できるような
親身な応対をする 等
【感謝】
お客さまからお電話をいただくことに対して感謝の表現をする 等
(6)効率化項目
【架電時間】
センターで指標にしている通話時間を大幅に超過しない 等
(7)コンプライアンス項目
【メリット・デメリット】
リスク情報等、お客さまに必ず伝えなければならないことを
モレなく伝える 等
一義的に評価できるのは「音(言葉)」としてあらわれた内容のみです。CSや業務知識など、「音」だけで判断できないものは、「総合的に見てどうだったか」という視点で、項目を複合的に判断する必要があります。
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