いわゆる「森友問題」をきっかけに世間の注目を集めた「忖度」という言葉ですが、本来、忖度は適切になされる限り、組織の意思決定やコミュニケーションを円滑化させる「妙薬」となるはずのものです。しかし、数多くの企業不祥事を分析してみると、そこには忖度と組織的な不祥事との繋がりが見て取れるのも事実です。こうした不祥事の原因・背景となっているのは、忖度そのものの「効能」ではなく、「忖度の副作用」というべきものです。今回、具体的なケース分析を通じて、こうした「忖度」の副作用が企業不祥事に繋がっていくメカニズムを明らかにすることで、企業不祥事を起こさない企業風土作りに役立てていただければと存じます。
また、「忖度」とならんで、「らしさ」というキーワードを通じて、企業不祥事を分析してみると見えてくるものもあります。「らしさ」の欠如が企業不祥事に繋がったケースもあれば、逆に、過度な「らしさ」の追求が企業不祥事に繋がったケースもあります。こうした「らしさ」を意識したコンプライアンス意識の向上策についても、詳しく解説いたします。