ダイバーシティ実践 ~マチ子の日記vol.5
突然、自分の母親と同じ年齢の後輩(銀子さん・仮名)が配属され、OJTをすることになった担当者の日記を連載でご紹介します。
目次
- 1.働き方の変化に対応できるか?AIとの競争に勝てるか?
- 2.シニア層のモチベーション維持とは?
1.働き方の変化に対応できるか?AIとの競争に勝てるか?
こんにちは。銀子さんのOJT担当の台場マチ子(仮名)です。ちなみに、銀子さんは私の母と同じ年齢です。
銀子さんが入社されてそろそろ3カ月が経ちますが、これまで体調を崩されることもなく元気に出勤されています。小柄な銀子さんのどこからそんなにバイタリティが生まれてくるんだろう、といつも不思議に思っています。私が彼女の年齢になったとき、こんなに毎日元気よく出勤できるか、全く自信がありません。
「人生100年時代」と言われて久しく、私はあと70年近く(今まで生きてきた倍の年数も)働かなければならないのか、と暗澹たる気持ちになっています。自分が長くモチベーションを維持できるとは思えないのです。周りにいるシニア世代の社員たちのように「いつまでも現役!」とスローガンを掲げるには、時期が少し早いのかもしれません。ただ、銀子さんをみていると働き方の変化に柔軟性をもつことは、自分にも必要だなと強く感じます。
銀子さんは、ご自身のキャリアを活かして働いていますが、これまでとはまったく異なる就労環境にチャレンジされています。当社はベンチャー気質の社員が大勢いますし、スピード感ある行動を求められる場面も多いです。20代の社員であっても、この風土に挑戦する姿勢がないと厳しさを感じるかもしれません。このようなメンバーに囲まれ、ましてや娘世代の私に指導され、新しい知識にも追いつかなければならない銀子さんのプレッシャーは入社当初は相当大きかったのではないでしょうか。
常に自分のスキル向上に努め、環境変化に強い耐性をもつ銀子さんのような方が、シニア世代ならびに私たちの働き方を変えてくれると私は思っています。意欲的に仕事の取り組む姿勢は、若手にもよい刺激を与えているからです。
また、AI技術の台頭により今後は新しい働き方やそれに伴うサービスが見込まれ、環境変化をうまく乗りこなす人が求められてきます。今後はじまるAIとの競争に生き残るのは、「今」の状態に慣れてきってしまった私ではなく、環境変化をものともしない銀子さんの方かもしれません。
2.シニア層のモチベーション維持とは?
様々な働き方ができる時代ですので、「シニア世代の働き方」と一括りに考えることは、ステレオタイプな考え方になりかねないと危機を感じます。マイペースでご自身の空いている時間で働きたいと考える方もいますし、高い就労意欲をお持ちのシニア層もいらっしゃいます。ただ、「ボランティア」のような働き方は求めていない企業が多いと感じます。
では、シニア世代に就労を促すためのモチベーションはどこから生まれるのか。
要因は人それぞれだと思うのですが、銀子さんにとっては「やりがい」が1つの要因かな、と思うことがあります。
この「銀子シリーズ」連載の開始後は責任を感じられたのか、銀子さんは居眠りがなくなりましたし、積極的な質問が増えました。その度に銀子さんの成長意欲はすごいな、と隣の席で感じています。銀子さんは私にとっては今後のキャリア形成や働き方を考え、自分の可能性を高める努力を続けたいと思えるロールモデルの1人です。