ダイバーシティ実践 ~マチ子の日記vol.7
突然、自分の母親と同じ年齢の後輩(銀子さん・仮名)が配属され、OJTをすることになった担当者の日記を連載でご紹介します。
目次
- 1.心身の「健康」を整えて働く
- 2.謙虚さが新しい発見に気づくことができる⇒チームで働くことを楽しむ
- 3.さいごに
1.心身の「健康」を整えて働く
銀子さんのように、長く働き続けるためにはまず健康を保つことが大切だと痛感しました。
もっとも、シニア層の雇用には疲れにくい環境づくりが必要です。当社も休憩が取れるスペースが少なく設備面ではまだ充実しているとは言えませんが、仕事を依頼する際も納期に余裕をもたせて疲れがたまらないよう体力面への配慮は工夫をしていました。
そして特にシニア層の方は、疲労をなかなか表に出しません。
(どちらかというと、若年層の方が簡単に「疲れた~」と口にしているように思います。)
年齢的に慢性疲労に慣れているのかもしれません。「休憩してくださいね」と声をかけても反射神経で「がんばります!」と返事をされ、無理をしがちです。期待にこたえたいという気持ちはありがたいですが、体を壊しては元も子もありません。こちらで仕事量をある程度コントロールしないといけないと思った場面が何度かありました。シニア層だけに限りませんが、OJT担当としては集中しやすい環境を整えなければならないと反省した事案です。
2.謙虚さが新しい発見に気づくことができる⇒チームで働くことを楽しむ
銀子さんは年相応な頑固さはありますが、概ね私のアドバイスを受け入れて業務に取り組んでくださいます。そして今の環境に慣れる過程で、銀子さんには気づきが多かったようです。
例えば、
・Wordの文字数カウント機能をお伝えしたとき
銀「PCにはこんな機能もあったんですね!ありがとうございます」
・文章の表現を指摘したとき
銀「今はこんな表現はしないんですか!知らなかったです」 など
日々の小さな指摘を前向きに捉えているようです。また、それを楽しんでいるようにもみえます。これは銀子さんのお人柄によることも大きいですが、チーム内の関係づくりには欠かせないものです。銀子さんの半分以下の年齢層のメンバーに囲まれても、意外にいきいきと活動しているのは、ご自身の考えに固執しすぎず、私たちに歩み寄る姿勢をもってくださるからです。銀子さんのそんなスタンスがチームで働く環境でもすんなりと順応できたのでは、と考えます。
なんだか私よりも長生きしそうな銀子さんです。
今後は銀子さんがOJT担当として年齢の近い後輩に指導する日がくると思っています。私が年齢を重ねたときに何が還元できるかはまだまだ心細いかぎりですが、現在のシニア世代の活躍によってきっと新しいビジネスがうまれていると感じます。
3.さいごに
世代に関係なく、ライフスタイルに変化があっても、働き続けることがごく普通になってきていると感じています。結婚を機に「寿退社」を選択する女性は、私の周りでは少ない印象です。
また、60~70代は少し前ではリタイアをする年代と言われていましたが、当社でも銀子さんをはじめ、シニア層社員の雇用が増えてきています。
実は、私の母も38年間会社員として勤めあげた後、関連会社に週4で勤務しています。「孫のおもちゃ代を稼ぐため」とは言いつつも、飛行機移動を含む出張にも積極的に参加しており、私たち家族にとっては元気を量るバロメーターです。
私にはまだ「生涯現役で働く!」という覚悟はありませんが、年金受給の見通しが立たない私たちの世代にとって「人生100年時代」の到来は、遠い未来ではなく、自分にも関係ある将来だと感じます。
この3カ月間、「マチ子の日記」を続けたことで、シニア層社員との関係性や働き方、またOJT担当者という自分の役割を客観的にみることができました。私の働き方に大きな変化はまだありませんが、先を見越した働き方を考える必要があると強く感じています。
この日記が皆さまにとって何かの一助になれれば幸いです。