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コグニティブダイバーシティ
コグニティブダイバーシティとは、ものの見方や考え方、理解の仕方、判断・決断の仕方など、認知に関する多様性のことです。
コグニティブとは、英語で「認知の」「認知的な」という意味で、五感で感じた情報にもとづいて判断や解釈を行うことを指します。
今までは、性別や国籍・年齢などデモグラフィックダイバーシティ(人口統計学的多様性)が多様な人材を確保するという点で注目されてきましたが、多様な人材の能力を最大限引き出すためには、さらにコグニティブダイバーシティが企業内で実現されることが重要です。
■認知の多様性が生み出すもの
人はそれぞれ個人では不完全な認知しかできませんが、違う見方をする者どうしが協力すれば視野が広がります。
同じ10人でチームを構成する場合でも、同じものの考え方の10人では、生まれるアイデアも同じようなものばかりとなってしまいます。
10人が多様なものの見方をする人材であれば、チームとして様々なアイデアを出すことができます。さらに、異質なアイデアを融合することで、イノベーションを創出することもできます。
■公平性(エクイティ)の重要性
ダイバーシティには、個人間の能力差が大きくなってしまう、組織内での合意形成が困難になるなどのデメリットもありますが、それらは職場の環境や仕組みづくりにより克服することができます。
なかでも「公平性」の担保は重要です。たとえば、社内ネットワークに入れない在宅勤務のメンバーに必要な情報をメールで送る、日本語が読めない従業員に対して英語の資料を用意する、意思決定の際にメンバーが誰でも意見提起ができるようにする、などの対応が求められます。
■多様性を引き出すリーダーの働きかけ
コグニティブダイバーシティを実現するためには、現場のリーダーや管理職がメンバーを巻き込んで一体感を生み出す「インクルーシブ・リーダーシップ」を身につける必要があります。
リーダーには、メンバーのチームへの帰属意識を醸成すること、メンバーが活躍できる場を作り出すこと、さらにはメンバーが能力を発揮できる心理的安全性のある環境づくりをすることが求められます。