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パーソナルハラスメント

パーソナルハラスメントとは、性格や見た目の印象など個人の特性を取り上げて指摘し、否定・忌避・揶揄・嘲笑などの嫌がらせを行うことをいいます。略してパーハラとも言われます。具体的には、身体的な特徴をあだ名にしてからかったり、相手の口ぐせや仕草の物まねをして不快感を与えるような行為がパーソナルハラスメントに該当します。

また、個人の特性と仕事の能力とは何の関係もないのに、「〇〇(見た目の特徴)は仕事ができない」と大勢の前で叱責したり、陰でこそこそ噂したりするのは、パワハラやモラハラ行為にもなります。身体的な特徴のうち性的な部分を取り上げてからかえば、もちろんセクハラです。

このように、職場では複合的なハラスメント行為が横行しがちですが、「部下をかわいがっていただけだ」など加害者にハラスメント行為という自覚がないケースも多く、組織的な防止対策への取り組みが必要です。全社員へのハラスメント教育の徹底はもちろん、体育会系の組織風土で上下関係が厳しい、常に厳しいノルマがありストレスが蔓延している、などの問題を抱えた職場では特にハラスメント行為が見逃されやすいため、こうした職場環境の改善を目的とした研修を管理職向けに行うのも効果的です。

身体的な特徴やくせは、本人の意思で変えたり直したりすることが難しいものも多々あります。しかし、「私って〇〇だから......」と自分自身がアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)にとらわれていたり、からかわれて嫌だなと感じていることを相手に言えず苦しい思いをしているなら、自身の考え方や行動を見直してみることも必要です。自己肯定感を高めて自分に対して"適度な"自信を持つ、勇気をもって相手に言いたいことを伝えるアサーティブな姿勢を身につける、といったことを意識してみるとよいかもしれません。

もちろん、個人の尊厳を激しく傷つけるパーソナルハラスメントは決して許されることではありません。パーハラに限らずすべてのハラスメントを予防するために、ハラスメント罰則規定の明文化、相談窓口の設置など、企業が行うべき「職場環境配慮義務」に則った対策を講じておくことが、社員と組織の両方を守る扇の要となります。

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