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パーソナライズ学習
「パーソナライズ学習」とは、個々の学習者の興味や理解度に合わせてプログラムを提供する学習モデルのことをいいます。
「パーソナライズ」とは、元々「個人のために何かをカスタマイズする」ことを意味します。インターネットやマーケティングの分野においては、収集したユーザーの情報を分析して最適なコンテンツを提供する手法のことをパーソナライズといいます。現在はAI技術の進化やDX(デジタルトランスフォーメーション)によって、より精度の高いパーソナライズが実現できるようになっています。
例えば、WEB上の広告はユーザーの嗜好に合わせてカスタマイズされた内容が自動的に表示されるようになっています。失敗を恐れる特徴が顕著な若いデジタルネイティブ世代ほど、自分でカスタマイズするよりも「企業によってカスタマイズされたおすすめコンテンツ」を好む傾向が強く、パーソナライズの需要が高まっていると考えられます。
学校教育の分野でも、生徒のレベルに適した学習コンテンツが自動的に提供される教育プログラムがすでに開発されています。これらを利用する全米の学校では、利用時間が長かった生徒ほど数学の習熟度に上昇が見られたという報告がされており、社会人教育の場においても注目が集まっています。
現在、職場の学習のための新たなプラットフォームとして、LXP(Learning Experience Platform)が注目されています。社内のコンテンツに加え、社外の検索サイトから優良なコンテンツを表示させる仕組みを作り、社員の理解度や好みに合わせて先取り学習や弱点強化も可能な「パーソナライズ学習」の環境を整備することで、"自ら学ぶ意識"を高める効果が期待されます。
一方、コンプライアンス教育や階層別など一律に受けさせる必要がある研修の受講管理には、LMS(Learning Management System)の活用も有効です。組織の理念に沿った人材育成と同時に、個別の習熟度に応じたきめ細かい教育に対応できるパーソナライズ学習の環境を整え、社員の成長を支援することは人事担当者の喫緊の課題と言えます。