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人事考課

■人事考課の意味

「人事考課」とは、人事評価制度のひとつで、主に社員の給与や昇進を決定するために行われる仕組みのことをいいます。人事評価と同義と考える組織も多いですが、社員の育成やキャリア開発支援など幅広い目的を持つ人事評価と、社員の金銭的な報酬に直結する人事考課を分けて考える組織もあります。

■人事考課の基本プロセス

一般的な人事評価と同様、人事考課は、①目標設定→②業務遂行→③評価→④評価面談(フィードバック)の4つのプロセスで行われます。部下の処遇を決定づける人事考課の場合、最終的な評価が部下にとってより納得性の高いものとなるよう、達成・未達成が具体的・客観的に把握できる目標を設定したうえで、公正な評価基準に基づく評価を行うことが大変重要です。

■人事考課を失敗しないポイント

また、失敗しない評価面談を行うために面接官が心得ておきたいのは、「事実」と「自分の意見(感情・期待)」を区別して伝えることです。客観的な事実は相手の同意を得やすいですが、面接官の個人的な意見は受け入れられない可能性が高いです。意見を事実と誤認して話さないよう、しっかりと事実確認を行ったうえで、話す内容を事実と意見に分類するなどの準備をしておきましょう。

特に下位評価を伝える場合、相手の人間性を批判するような意見を評価として伝えないよう、注意を払う必要があります。改善点を指摘する際には、自分の理想を相手に押しつけない、相手の気持ちも尊重しながら"アサーティブに"伝える、自身の経験を交えた具体的なアドバイスを心がける、といったコツを押さえておくとよいでしょう。


近年は、リモートワークを行う部下や、ジョブ型雇用のメンバーなど、これまでの基準で一律に社員を評価することが難しくなっています。また、金銭的な報酬よりも仕事のやりがいや働きやすさを重視する傾向も年々強まっています。多様な働き方を目指す人材に対して、どのような評価がモチベーションやエンゲージメントの向上につながるのかという観点から、これまでの人事評価制度全体を見直してみる必要があるかもしれませんね。

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