自営だと融資を受けにくいという話を聞くのですが、融資を受けやすくするにはどうしたら良いのですか?
これまでの経営状況と今後の事業計画から3年から5年で返済できる計画を立ててください。
融資が受けにくいのは自営だからではなく、これまでの決算書から読み取れる経営状況と今後の事業計画と返済計画に問題があるのです。以下でポイントを説明します。
銀行などの金融機関が融資をするかしないかを決める基準は複雑なことではありません。簡単に言ってしまえば、貸したお金が返ってくると信用できれば良いのです。例えばあなたは人にお金を貸すときに何を基準にしていますか? やはりその人が返してくれるという信用ができるかどうかですよね。
金融機関と企業の関係でも考え方は同じです。金融機関の融資審査項目はいくつもありますが、さまざまな審査項目から、「何のために使うか」「どうやって返すか」「どのくらいの期間で返すか」「担保があるか」といった観点から返済余力を見定めているのです。また、一般的に審査を行うとき見ているのが決算書・事業計画書・資金繰り計画書・返済計画書です。
決算書で見ているのはこれまでの会社の実績です。中でも審査でよく見ているのは貸借対照表です。貸借対照表は企業の安全性を図る指標として使われることが多く、返済余力を見ていくときに重要な指標となります。とくに自己資本比率には注意しています。自己資本とは出資金、剰余金、準備金、自己株式の合計のことであとで返済する必要のない資本です。
自己資本比率は以下の式で表されます。
自己資本比率(%)=((総資本-他人資本)÷総資産)×100
目安としては50%以上あれば安全といわれています。しかし、中小の小売業は平均的にこの比率が非常に低いという特徴があります。おそらく10%未満が大半で、10%以上あればまだ良いほうという程度ではないでしょうか。
金融機関から見ると、この比率が高ければ自由に使えるお金が多く、仮に事業で売上が伸びなくても、担保能力として「自己資本を切り崩してでも返してもらうことができるはず」、となるわけです。
決算書以外の各種計画書を見ていきます。まず、事業計画書で見るものは今後事業が上手くいき、計画通りに利益を出して、返済してくれるかどうかです。資金繰り計画書も事業の中で生み出されるお金の回転が滞りなくできるかどうかを判断する材料になります。返済計画書は「いくらずつ」「どのくらいの期間」で返してくれるかです。これら3つの計画書は将来の予定ですから、かなり懐疑的な見方をされます。また、これらは性質上連動していなければ、計画として不十分です。
これらを作るときは売上や費用から出る利益の予測や毎月のキャッシュフローの動きを細かく計算して信憑性のある計画書として提出できるようにしてください。
アパレル業の返済計画であれば3年から5年で完済できるような金額と計画でなければ、融資を受けることは難しいと思ってください。長期間の返済を必要とするような計画では借り入れの利息からキャッシュフローを圧迫し続けるのでもともと効果的なやり方ではないと思います。
私は融資というものを少し複雑に捉えていました。結局、返せるか返せないかの話であって、自営業だとか中小だとかは大きな問題ではなかったようです。一般的に自営業は自己資本も低く、事業計画が甘い傾向があるから融資を受けづらいのですね。
私の現状では見事に残念な自己資本比率となっています。自己資本が多いと融資を受けやすい、というのは分かりますが、すでにお金があれば、そんなに融資を必要としないように思うのですが。金融機関も商売ですから仕方ないですね。
今後融資を受けれるようにするためには、まずは現在の財務体質を改善しないと難しそうです。今のところ借りることより売上を上げて原資を増やすことから考えるべきですね。