アパレル業の店舗は出たり入ったりの競争が激しそうなのですが、何を基準に店舗展開をしていけば良いのでしょうか?
都市の人口・ターゲット・物流効率を基準に検討してください。
アパレル業の店舗展開は経営のスタイル・ターゲットによって考え方は全く違ってきますが、売上を優先していくのであれば 以下の点を考慮してください。
都市の人口が多ければその分、お客さまの絶対数が多いため、売上に繋がる可能性が広がります。とはいえ、いくら都市全体の人口が多くても、お客さまにとって交通の利便性が悪い場合はあまり良い結果に繋がらない場合も考えられます。
また、地方では移動手段が自動車であることが多く、買い物は駅周辺や住宅地よりも郊外の大型ショッピングセンターへ買い物に行くことが習慣になっています。地方の店舗展開であれば単純な都市人口より人が集まる場所に出店することをおすすめします。
ターゲットとは客層のことです。売る商品の性質によって、出店する場所を考えましょう。今回の場合、中高年層女性向けの洋品店ですから、中高年のお客さまが多く住んでいたり、集まるような場所であることが重要です。
もし、ショッピングセンター内にテナントを出すことを考えているのであれば、買い物客の層を見極める必要があります。例えば、子連れのお客さま、主婦、老夫婦、学生などの中で、どのようなタイプのお客さまが多いのかを見ておいたほうが良いですね。
小売業で出店を考える上で、物流効率も重要になっていきます。それを考えたマーケティング戦略の一つに、「ドミナント戦略」があります。ドミナント戦略とはある地域に特化して、集中した店舗展開を行うことです。これは小売や外食チェーンによく見られる戦略です。この戦略のメリットは地域でのシェアを拡大することで、地域での認知度が上がり、他店よりも優位に立つことができることが挙げられます。しかし、一番のメリットとしてはコスト削減です。
まず、物流面で、広範囲に展開するよりも商品の配送ルートを短くでき、商品の配送コストを少なくできます。また、広告宣伝なども地域に限定されるため、少ないコストで行えます。その他、距離が短いためエリアマネージャーや経営者の店舗巡回が容易になり、店舗指導などを効率よく行うことができ、移動コストも削減できます。経営効率を考えると一般的にはこの戦略をとる企業が多いと思います。
店舗展開を図るためには当然、出店コストがかかります。テナント料を含めれば金額としてテナント1店あたり数千万円単位にもなります。出店したあと、上手く売上が上がったとしても、採算が合わなければ全く無意味です。
また、出店した際に借り入れが必要であれば銀行などから融資を受けなければいけません。その他、テナント料・利息・人件費・維持費など、出店後のランニングコストは大幅に増加します。それを上回る売上が確保できるかどうかを慎重に見極めてください。
店舗展開を行ううえで、物流効率という考え方があったのは実は知りませんでした。経営効率を考えれば確かに限定した地域で展開したほうが、優位に働くことが多いようです。また、都市の人口やターゲットなど、色々なことを調査した上でこれからの店舗展開をしていかないといけませんね。
しかし、何より重要なことは採算性です。店舗展開は売上を伸ばす反面、大幅なコスト増に繋がりますから、財務面・資金面など緻密な計算が必要です。
店舗展開は多大なリスクを払いますから、現在の私の状況ではいきなり店舗展開を進めるということはやめておいた方が良さそうです。まずは現在の経営状況を改善し、店舗展開に十分な資金を溜めることができてから考えようと思います。