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ネゴシエーション
ネゴシエーションとは「交渉」と訳され、ネゴシエーションスキルは交渉力を指します。
ビジネスでは、顧客や取引先との商談・上司や他部署への依頼など、多くの場面で交渉が行われます。いずれの場合も、相手を打ち負かすための対立や勝負ではなく、双方が納得できる合意を得るための話し合いであり、そのための交渉力であると認識することが大事です。
■ネゴシエーション成功と言える3つの判断基準
交渉は、先方を説得したり論破するのではなく、相手の立場を理解し、意見に耳を傾けることが重要です。交渉が成立しても、どちらかが不利な形ではその後の信頼関係が崩れることにつながり、成功とは言えません。
ネゴシエーション成功の判断基準は以下の3点です。
- ①信頼感のあるコミュニケーションで、両者にとって建設的な結論であること
- ②課題を解決するための有意義な成果が得られること
- ③関係を改善する、または少なくとも悪化させないこと
双方にとってより良い着地点を見つけることが、その後の良好な関係継続につながります。
■ネゴシエーションの手順
ネゴシエーションの手順は大きく以下の通りです。最も重点を置くべきは事前準備です。
- ①事前準備:調査や根回しなどの準備行動
- ・先方の動向や出席者、決裁権のリサーチ
- ・相手が最も重視する点をヒアリングし、先方のメリットを分析
- ・意見交換の想定シナリオの作成
- ・交渉者の人選:交渉戦術と合わせて、バックアップチームも選定
- ・社内交渉:関係部署の納得を得る
- ・資料作成
- ・練習:社内で交渉のリハーサルをする
- ②計画:あらかじめ明確化し、共有しておく事項
- ・交渉目的:何のためにその交渉を行うのか
- ・ゴール:合意の結果どのような成果を得たいのか
- ・限界地:どこで見切りをつけるか
- ・代替案の用意:交渉が決裂した場合の落としどころ
- ③交渉の実施
- ・時間、マナーその他、交渉上のルールを厳守
- ・傾聴:先方の主張を十分に聴く
- ・主張:穏やかに分かりやすく話す。伝えにくい内容はアサーティブコミュニケーション
が有効
- ④合意の形成
- ・合意の履行に間違いはないか、過不足はないか
- ・利害が偏ったり強引な妥結ではなく、双方が納得した合意か
- ・双方の隔たりをなくした、よりよい関係のスタートにつなげる
ネゴシエーションスキルは事前準備と練習によって習得していきます。また、ビジネスに欠かせないスキルではありますが、テクニックだけではなく、一般常識や業務知識を持ち、感情的にならずに主張を述べられる信頼に足る人柄であることも重要です。