新人研修で使うテキストは自制作or市販?~その選び方
- 目次
新人研修テキストの重要性
近年の新人は、「勉強熱心でまじめであるが"知恵"に欠ける」と言われています。
以前は「業務を見せ」「やらせてみて」「理解を確認する」というOJTを教育の基本に据えていましたが、最近の傾向としてOFF―JT(OFF the Job Training、いわゆる研修)を先行させ、その後でOJTという教育体系が一般的になっています。
そのため、以前にも増してテキストの重要性は高まっています。
加えて、「机上で教えられた」という実感がないと、「聞いていない」と感じる傾向もあるようです。まず、テキストで体系的な知識の整理を行い、その後でOJTにより各人に合わせた指導を徹底することが求められます。
自社のテキストか市販のテキストか
研修を組織内で行なう場合、テキストをどうするかということが大問題です。すでに自社にテキストがあれば別ですが、新しく作るとなると非常に手間がかかります。自社で作らない場合は、市販のテキストを使うという選択肢もあります。ビジネスマナーや接客、JAVA・データベース・プログラミングなどのITスキルについては市販のテキストでも良いテキストが出ていますので、敢えて自社で作る必要はほとんどありません。
市販テキストの選び方
市販のテキストを選ぶ際に注意する点は、以下の3つです。
(1)薄いものを選ぶ
厚いテキストの方が良さそうな気がしますが、内容が多かったり、複雑すぎるテキストは逆効果です。研修で受講生に知識を詰め込み過ぎても消化不良に終わるだけですし、現場で使う知識はそれほど複雑でたくさんある訳でもないからです。
(2)図表が多い、分かりやすいものを選ぶ
最低限、必要な知識を確実に身につけることができるテキストが良いです。
また、図などが多い分かりやすいものが良いです。有名なテキストは比較的良いものが多いですが、名前にだまされず、最低限必要なことが載っている比較的薄いテキストがお勧めです。
(3)早く注文する
良いテキストはすぐに無くなるので、早めに注文して用意しましょう。研修日間近になり、テキストが無ければ目も当てられません。
自社でテキストをつくる場合の注意点
(1)テキストの分量
分量は基本的に1時間で4ページ進む割合が適切です(グループワークをふんだんに取り入れることを前提とした量)。
それ以上の量になると、テキストを読むだけの研修になってしまい、それ以下だと物足りなくなります。
4ページぐらいが受講者が退屈せず、かといって忙しすぎずという、ちょうど良い分量でしょう。
(2)テキストの他に用意しておきたい補助教材
・「業務の流れ」図
新入社員が、仕事の意義や位置づけを分かるような、時系列で仕事の流れをまとめた図が補助教材としてあれば良いでしょう。なるべく業務全体を俯瞰できる内容のもので、紙一枚にまとまったものが良いでしょう。
・よく使う「用語集」
自分達が仕事で良く使う単語については、新入社員が困らないように、「用語集」を補助教材として作るのも良いでしょう。
意外と教わらない社会の常識を教える
ホチキスの留め方や会議の準備、意外と迷う郵便物の出し方や出張のマナー、はたまた宴会での立ち居振る舞いまで、社会人経験があれば、誰もが自然と身につけている「社会人の常識」と呼ばれるものがあります。
しかし、「常識」とは長い年月を経て自然と形成されるものなので、実は明文化されていません。こういった「教わらないけど常識とされるもの」をテキストに盛り込むこともおすすめです。