「検査のための検査」をしてしまう危険性 ~コンプライアンスを上手くやるポイント(3)
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既存の業務分野のコンプライアンスはシンプルで良い
コンプライアンスが、お客さまのために留意することや、自分たちが取り組んでいる仕事のチェックがそのまま検査項目になっていれば良いのですが、往々にしてズレがあります。
そのズレというのは、「検査のため検査をしてしまう」部分です。この意識が大きくなってくると、お客さまのためではなく、内向きな作業になってきますから、CSに反してきます。よくある話ですが、「お客さまを犠牲にした検査のための検査」となるわけです。その辺りのところをご理解いただけていない方が多いように感じます。
新規事業の場合などは、それが法律・法令からみて、どこかに抵触しないかを検査することに、コンプライアンスの意味があるのです。既存の業務分野のコンプライアンスチェックは、新しい仕事ほど大げさに考える必要はなく、事務フローの見直しをして重要なチェック項目が何かということだけに極力しぼりこんで、シンプルにするのが一番です。
コンプライアンスの研修
コンプライアンスの研修を行う時、それが単なる「お勉強」になってしまっては、あまり効果がありません。研修の前に、お客さまのコンプライアンスの体制や内容のチェックをしますが、その際に重視するのは、
第1に、コンプライアンスマニュアルがあるかどうか
第2に、外部に出す文書手続きのフローを見直し、違和感などがある点や形骸化してしまっている点を洗い出す
第3に、形骸化してしまっている部分や、違和感がある所を、なぜそうなってしまったか、原因をしっかり把握する
という3点です。
上記の3点からチェックを行い、課題となっている部分を具体化し、解消のために研修カリキュラムを考えるということが、効果的なコンプライアンス研修を行う秘訣です。