【CS調査日誌⑤】外国人客が多い店ほど重要~接客時の笑顔
今回のGambatte編集部インターンとして私がCS調査に回ったのは、
電気街の中心に堂々と位置する、家電量販店の大型店舗です。
調査を通じて私の印象に残ったのは、
「質問に迅速丁寧に対応してくれる様子」と、「笑顔」についてのことです。
以下に、その2点について詳しくご紹介します。
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質問に応えようとする「迅速さ」「丁寧さ」はバツグン
大型店舗の強みと魅力は、さまざまなジャンルの商品をずらりと取り揃えるにぎやかな雰囲気。
そこで私は調査で、「中国から来た友人に贈る、プレゼントを探したいんですが......」などと、店員さんにあえて抽象的な質問をぶつけるアプローチをしてみることにしました。
そうしたアプローチへの対応で、最も好印象だったことは、
質問にすぐに対応してくれる「速さ」と「丁寧さ」でした。
ひとりでは対応できない相談でも、近くにいる他の店員さんにすぐに共有して相談したり、インカムを使って質問を取り次いでくださったりと、解決に向けて全力で動いてくれるのです。このように、「自分と向き合ってくれている」と感じられる接客は、顧客満足(CS)に確実につながっています。
ほかに、こんなうれしい体験もありました。
ある店員さんに質問し、残念ながら明確なお答えはいただけなかったものの、後ほどその方とすれ違った際に、「先ほどお探しのものは、見つかりましたでしょうか?」と心配してくださったのです。
ほんの一言二言の交流でしたが、数多くのお客さまに触れ合うなかでも私の困りごとをフォローしてくださったその対応を、とてもうれしく感じました。
接客する際の「笑顔」は、とても重要!
一方で、調査のなかで少し気になったこともありました。
それは、店員さんの「笑顔の少なさ」が目立っていたことです。
笑顔があれば、もう少し気持ちよくお買い物ができるのに......と思いました。
笑顔で接客されると、「もっと聞いてみたい」という感情が生まれ、「この店員さんから買いたい」と思うようになります。店員さんの笑顔が、お店の売上に結び付くこともあるのではないでしょうか。
実は私は、接客のアルバイトをしているのですが、
接客をする側の立場としても、「笑顔」の重要性は強く実感しています。
私が働く小売店にいらっしゃる常連のお客さまは、「このお店の○○さん(私の先輩スタッフです)が、いつでも明るい笑顔で対応をしてくれるのがうれしい。気持ちよく買い物ができるから、毎回このお店に来たくなるんです。」とおっしゃっていました。先輩は、笑顔ひとつでお客さまの心をつかんでいたのです。
一方、私には、「お客さまに笑顔を見せなかった」ことでクレームをいただいてしまった失敗経験もあります。マスクをつけたままレジに立っていたときに、お客さまから「笑顔がなく感じが悪い」という、ご指摘をいただいてしまったのです。
今回の調査で、自分がお客さまの立場に立ったことで、表情がはっきりわからないということが、マスクをしていたら笑顔がお客さまにはわからないということが改めてわかりました。
接客では、接客する側の表情がはっきりわからないと、当人が思う以上にお客さまに大きな不安を与えてしまう。その事実を、改めて実感した出来事でした。
「一に笑顔、二に笑顔」を実践すべき理由
人は人と相対するとき、はじめに表情を見るものです。
第一印象を左右する表情ひとつで、相手に与える印象は180度ちがってきます。
とりわけ接客において、店員の表情はとくに重要です。お客さまとお会いしたその瞬間、たった少しの不安を与えてしまうだけで、店全体への印象までを悪くしてしまう。そんな事態は、できれば避けたいですよね。
「笑顔」は、異文化コミュニケーションの第一歩でもある
とくに、日本語話者ではない多国籍のお客さまが多い店舗では、
お客さまにいかにわかりやすく「歓迎」の意を伝えるか、ということが重要です。
「笑顔」は、文化的な背景を必要とせずに、もっとも簡単に歓迎の意を示すことができる身体表現のひとつ。日本文化を発信できる一等地ともいえる立地で、観光客の方々に「笑顔」で歓迎の意を伝えられないのは、とてももったいないことだ! と私は感じました。
今後、ますますインバウンド需要が見込まれる日本。さまざまな国籍や文化的背景を持つ、さらに多様なお客さま方にご満足いただける店づくりが、接客サービス業の競争力を左右する決め手になりそうです。