代表舟橋が語る、独自のWebマーケティング戦略① ~売上ゼロの状態から、社内の情報をWeb化して年間5000件の問合せを獲得するまで

代表舟橋が語る、独自のWebマーケティング戦略① ~売上ゼロの状態から、社内の情報をWeb化して年間5000件の問合せを獲得するまで

舟橋 孝之

【インタビュイー】

株式会社インソース代表取締役社長

舟橋 孝之

・2003年に株式会社インソースを設立

・顧客ゼロの状態からのスタートで、一時は1億円の負債をかかえたが、Webを活用したセールスの仕組みを作り、現在は年間約5,000件のお問い合わせを獲得。コロナ禍の1年を除き、20年連続増収を続けている

小林 洋介

【インタビュアー】

株式会社インソース執行役員 グループ営業統括室 副室長 兼 メディア事業部 部長

小林 洋介

・2003年に株式会社インソースに入社

・入社時からメルマガやWebコンテンツ作成を担当。以降、コンテンツ開発や法人営業の部長も歴任

売上を伸ばすためにWebに着目

―現在、インソースのWebページ数は2万ページを超え、当社のWebに来ていただく方も500万人以上となり、大規模なWebマーケティングを行えるようになりました。

創業当初、舟橋社長はWebをどのようにしていこうと考えていましたか?

創業期の我が社は異業種から参入して、ゼロから売り上げを作らないといけない状況でした。最初はコンサル会社に近い業態で始めて、とりあえずWebサイトを作ってみたのですが、誰も見ないし全く反応がありませんでした。

―そこからどのようにWebを強化していったのですか。

コンサルの仕事は自分の人脈で受注することが主だったので、Webは重要ではありませんでした。

しかし教育業では、単価がコンサル業より低いため、件数を多く取らないといけません。営業を強化する必要に迫られたのですが、当時は社員数が少なく、何らかの方法で売り上げを伸ばそうとしてWebに着目しました。

お客さまが欲しい情報は何かを考え、「提案書」をWeb化

―最初は何から手を付けられたのでしょうか。

いきなり体系的なサイトを作るのは難しいし、既に会社案内などはWeb化していました。じゃあ何か面白いもの、お客さまが欲しいものはないかと考えて、我々がお客さまにプレゼンしている「提案書」をWeb化することにしました。

もちろん最初なんて、一勝百敗レベルで受注には至らないのですが(笑)、自分たちの企画を見てもらうために、今の言葉で言うと「見える化」したわけです。

すると徐々に問い合わせが入るようになりました。

お客さまがWebを見るのは好奇心があるからで、手っ取り早く調べるツールとして利用されています。そういう中で我々は、社内の情報を外部化することで集客できることを発見しました。

情報を可能な限り見える化する、というのは私のスタンスです。なぜなら、お客さまが欲しいのはまとまった情報ではなく、自分にぴったりの情報だからです。

情報は使っても減らない財

―今でも、Webページに詳細に情報を公開している所は少ないと思いますが、創業した2000年代前半は特に珍しかったと思います。

情報を詳細に開示することについて、ためらいはありませんでしたか?

多少はありました。しかし、情報というのは使っても減らないという特徴があって、使い倒すほど利益が出る財です。その情報の特性について理解している方はあまり多くないのではないかと思います。

―逆に、情報は使えば使うほど、内容をブラッシュアップして情報の密度や精度が増したり、顧客に情報が浸透したり、使えば使うほど味が出てくるものですよね。

そうですね。Webページにあらゆる情報を集結しているから、「じゃあそこで購入しましょう」となります。

Webづくりの「ミソ」は、誰が誰に情報を発信しているか

余談ですが、その当時、セールス目線でWebサイトを診断してくれる無料サービスが流行っていました。

二社ほどWeb制作会社に実施してもらいましたが、一社目は100点満点中25点(笑)、二社目は百点満点中40点でした。私はそれを聞いて「ああ、何もわかってないな」と思いました。

Webというのは、基本的に自社のサービスを求めるカスタマーに最適化していればいいと私は考えます。

特にBtoBの会社ではプロユースの商品を見せるわけだから、素人が判断しても仕方がないです。もちろん、万人が理解できればベストかもしれませんが、実際はカスタマーが使いやすければ十分です。

例えば、ECサイトで、プロ仕様のドライバーの商品案内ページがあったとして、その内容が非常に専門的で、一般の人が全く見て理解できなくても問題がありません。なぜなら、ドライバーを買いたい人はドライバーに精通しているからです。

つまり、情報は、誰が誰に発信しているのかが大事なのです。誰にとっても分かりやすい必要はない。これがWebづくりの「ミソ」だと私は思います。

受講者の評価を公開したら、売上が1.5倍に

―インソースのWebは、何を発信することを心がけましたか?

当社の場合、最初は研修カリキュラムを載せました。

そしてある時期から、研修に対する受講者からの評価を載せるようにしました。これは緊張しましたね。評価には、良いものもあれば悪いものもあります。

しかし、お客さまはリアルな評価を知りたいわけですから、正直に出して判断していただくのが筋かなと思いました。

その結果、評価を出すようになって数ヶ月で売り上げが1.5倍になりました。

求められる情報を正直に公開することで、顧客の支持が得られるわけです。一般企業においても同様。在庫量や値段がわからない会社は、怖くて取引できません。だからインソースは、できる限りの情報を出すようにしています。

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