「やりがい」を感じないときこそ、スキルアップのチャンス!
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どんなとき「やりがい」を感じますか?
私が働いていたコールセンターは、あるソフトウェアの操作方法に関するお問い合わせにお答えする部署でした。業務に慣れてくると少しずつ「電話に出る→質問に答える→電話を切る」業務が流れ作業になってきてしまいがちです。
そんな日々を送るなかでも、私には「仕事の楽しさ」、つまり「やりがい」を感じる瞬間がありました。それは、自分の行動にお客さまが「ありがとう」と言ってくれたとき、つまり「人助けができた」という充実感を感じたときです。
お客さまに「ありがとう」と言われるとき
では、お客さまの「ありがとう」は、どんなときに生まれるのでしょうか。
お客さまに言っていただける「ありがとう」にも、種類があります。お客さまはどんなことに「助かった」「ありがたい」と感じるのか、改めて整理してみましょう。
1、待たせない →操作が早い・解決に導く聞き方が的確・知識があり、すぐに
ー 答えられる・傾聴スキルがあり、よく聞いて復唱してくれた、
ー 意思疎通がうまくできた
2、解決してもらった →知識がある・詳しい・的確な回答
3、わかりやすかった →復唱などの傾聴スキルで聞きやすかった
4、落ち着いて聞いてくれた →あいづちなどがあって安心できた
5、的確な提案をしてもらった →話をよく聞いて要望をくみとってくれた
6、気持ちをわかってくれた →納得するまで聞いてくれて気が済んだ
7、認めてもらった →イライラせず聞いてもらえて安心した
8、クレーマー扱いされなかった →個人の提案・不満を聞いてくれた
「対応が速いこと」・「知識があり、問題を解決してくれたこと」のほかにも、お客さまの心情に寄り添い、気持ちが通い合ったときにも感謝いただけることが多い、ということがわかります。
ありがとう」と言われなかったときこそ、スキルアップのチャンス!
しかし、お客さまから「ありがとう」の言葉をいただけなかったときは、モヤモヤしますね。そんなときこそ、スキルアップのチャンスです。自分の対応パターンを振り返り、改善できそうなところは素直に改善する、とてもよいきっかけになります。
モヤモヤをバネにして、例えば、このようなスキルアップを目指してみるのはどうでしょうか。
・一度わからなかったことは、次のお電話では答えられるように調べる
・お客さまを待たせないために、タイピングを速くする
・お客さまのクレームから日々学ぶ
・いろいろなお客さまと話すことで視野を広げる
・エグゼクティブ向け、シニア層向けの敬語を学び直す
・自社の商品に惚れ込んで、熱く語れるようにする
・人の話を聞く(傾聴)スキルをブラッシュアップする
・話が長い人、理解が遅い人に根気よく対応する
「職場全体」のスキルアップを目指す ~自分の情報を横展開する
自分が業務でやってみて良かったことは、ぜひ、メンバーと情報共有しましょう。架電記録をわかりやすく書いておくと、情報伝達や情報共有力も向上します。
「仕事のコツ」の情報を共有し合うことで、たとえば苦手なタイプのお客さまへの応対で悩んでいても、他の人の話から解決のヒントが得られるかもしれません。メンバーの中には、「ご案内がとにかく得意」「クレームに燃える」「シニア層と話すのが好き」など、いろいろなタイプの強みを持つ人がいるものです。強みを共有し合えば、自分だけでなく、お互いにスキルアップできます。
センター全体の士気が高まることで、職場の雰囲気も変わります。情報共有をして業務改善がされていくうちに、もっとお客さまに満足していただける機会が増え、やりがいも見えてきます。やりがいが見えてくると、流れ作業になりがちな日々の業務も、少し違ってくるはずです。
まとめ
少しでも多くのお客さまに喜んでいただくためには、まずはセンターが扱う商品・サービスについての専門的知識を身につけることが不可欠です。また、それだけでなく、言葉遣いや傾聴力・説明力などのスキルも必要です。小さな目標でも着実にステップアップし、スキルアップを目指すことで、毎日メリハリをつけて働くことができます。
自分がスキルアップしていくことがお客さまの「ありがとう」に、そしてお客さまの「ありがとう」が、自分の「やりがい」につながっています。どんなにIT技術が発達して自動音声が増えても、「人間と話したい」「人間に説明してほしい」と願う人はいなくなりません。お客さまにとっての一流コンシュルジュになったつもりで、応対しましょう。