SVによる風通しの良いコールセンター作り④情報の活用法
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情報は自分から集めにいく
日頃からなんでも言ってね、という環境を作ってはいても、SV(スーパーバイザー)には声をかけにくいものです。自ら動いたり、定期的に情報を集める場を作りましょう。
1. 職場を歩き回り雑談する(情報を探しに行く)
2. 定期的に面談を開く(非正規社員であっても長期的な成長が感じられるとやりがいが生まれる)
3. 日報を書かせる
4. 定期的にミーティングを開く
「風通しの良い職場」からうまれた情報、どう対処する?
「風通しの良い職場」ではさまざまな意見がうまれます。こうした出てきた意見をどう扱っていくかを判断するのはSVです。最も必要なのは情報を整理する力です。
1.情報を振り分ける
(1) リスクの大きさに応じて振り分ける
ミスを事前に防ぐことが第一。ヒヤリとした情報は、対策をスピーディーに共有し、再発を防ぐ
(2) 業務の種類ごとに分類する
誰がどんな仕事をしているのかをお互いに情報共有する。属人化を防ぐことができ、不在時にカバーし合える
2.全体で共有したほうが良い情報
・電話応対方法
・エスカレーションフロー
・センターの判断軸に合っている意見
・センターのビジョンに合っている意見
・コンプライアンスに関連する情報
※共有するかしないか迷ったら、組織にとって利益があるかないかで決める
3.全体で共有したほうが良い情報
・業務改善につながらないボヤキ
・主観にもとづいた不平不満
※それぞれが好き勝手に意見しているのを全て聞くことが「風通しが良い」という意味では決してありません。
※個人的な不平不満が多い人には何らかの役割を与えると味方になってくれることもあります。
4.共有した意見は実務に反映させる
共有するかしないか、情報(意見)をスピーディーに判断します。意見を業務改善に活かす場合は、誰がいつまでに何をするのか、SVが決定権を担って担当者に業務を割り振りましょう。情報をたくさん集めても、有益にフィードバックできなくては意味がありません。
出された意見のその後のケアを考える
すぐに対応できない意見でも、有効なものは長期的に職場に活かすことを考えましょう。
・共有した情報を改善案に活かすため、期限を決めて実験的にやってみる
・〇か月後には希望に添えるよう動いてみる
など、発信された情報がどのように業務改善につながったのか(つながるのか)その後の進捗状況を知らせる仕組みがあると良いですね。
困りごとなどの相談を受けた時も、2週間後、1か月後、3か月後など定期的なスパンで「あの件はその後どう?」と声がけしてみましょう。常に気をつけている・見守っているという態度をSVが持つことで、オペレーターは安心して働けます。「あの人に意見を言っても何も変わらない」と思われないように、フィードバックにも努めましょう。
「前向きなコミュニケーションの土壌」を長い目で育てていく
もしも意見が改善案として採用されなかったとしても、
「いつも何でも言ってくれて本当に勉強になる」
「言ってくれないとわからないから、声に出してくれて助かる」
と前向きな声がけで感謝を伝えましょう。
コミュニケーションの土壌があればモチベーションが下がることもありません。
・ポジティブな声掛け
・ポジティブな場作り
・部下の困りごとを探す
・部下の成長を喜ぶ
こういった「前向きなコミュニケーションの土壌」を育てる努力が「風通しの良い職場」をつくることにつながります。