コールセンター

SVによる風通しの良いコールセンター作り②好循環の職場

第1回で、「風通しの良い職場」とは、「常に変化や改善がある職場である」と定義しました。
席替えや担当替えといった小さな変化でも、日々の業務に刺激を与え、会話を生むというメリットがあります。しかし、日々の忙しさにかまけて変化や改善を後回しする職場では、モチベーションが上がることもありません。


「もう少しこうなれば仕事がラクになるのにな」
「この情報は共有したら同じようなミスが出ないのでは?」


こういった自分の意見を発信しやすい職場では、常に業務改善が起きています。
では、このような変化がオペレーターに与えるメリットは何でしょうか?

目次

1. 自分の意見で業務改善が起きることによって、自身の成長を感じられる

業務が個人任せ、指示は上司任せであると、変化も現れず、個々のオペレーターがその場限りの対処をして仕事が流れていきます。しかし、それぞれが仕事をやりやすくするアイディアを出し合い、良い変化を実感することで、自身の成長を感じられるようになります。自分の意見が「周りの役に立った」とほめてもらえることはその人の承認欲求を満たします。それとは知らないうちに自信をつけることができます。意見を採用してもらうことがやる気につながるのです。

2. 自身の成長により組織が良くなると帰属意識が高まる

オペレーターが意見を出し、改善策が採用され、業務が改善されることで、業務が洗練されます。有益な情報が共有されることで、同じようなミスが再発することを防げます。

・フローの洗練化
・クレーム情報の共有

など、改善をとおして組織のチーム力が上がってくると、団結力が高まります。チームの力が高まることで、全体のモチベーションが上がり、共通の目的が見えてきます。それぞれが同じ目的で組織に属しているのだという帰属意識が芽生えてきます。

■ 帰属意識とは ......
居場所があると感じる意識、自分がその職場や集団、チームに属しているという自負

3. 帰属意識が高まると生まれる循環

共に働くうえで、意思疎通をはかりながら仕事を進めると「もっとこうしたらどうだろう」と自分の意見がうまれる

自分の出した意見が業務改善につながり、メンバーがラクになったり雰囲気が良くなることは自分の自信につながる

業務改善は顧客満足度にもつながり、センターのモチベーションを上げる

自分が属している集団をもっと良くしようという意識が芽生える

やりがいを感じるので長く働きたくなる

帰属意識の向上をSVが加速させるには

長く働きたくなる大切なポイントが「帰属意識」であることがわかりました。帰属意識が持てないオペレーターは下記のように考えます。

「私が休んでも誰かがやればいいだろう」
「私が辞めても次の人が入るだろう」
「私が意見を言わなくても何も変わらないだろう」

これは帰属意識とは反対の考え方ですね。SVであれば、こんな風に声掛けしてみてはいかがでしょうか。

▼ SVができる!帰属意識を向上させる声掛けフレーズ

「あなたががんばってくれるからみんなに良い影響がある」
「あなたの意見がみんなを引っ張ってくれている」
「あなたの意見でチームが(業務フローが)(クレーム対応が)良くなっている」

コールセンターにおいては、部下を教え導く立場の人が「代わりはいくらでもいる」という態度でいると、教わるほうもここが自分の居場所だと思えません。メンバーの一人ひとりを大切な存在だと考えていることを、様々な形で伝えていくことが大切です。それぞれの頑張りでコールセンターが成り立っているということをまずSVが認識しましょう。SV自身が仕事や自分のセンターに誇りを持っていること、そして、それを部下に健全な形で伝えていくことが欠かせません。

「意見が出やすい職場の良い循環」のメリット

循環がうまく回っていると、

1. オペレーターにとっては業務もやりやすくなり、やりがいもうまれ、長く働きたくなる
2. SVや管理者にとっては人材の定着率を高めることができる

つまり、優秀な人材が流出することを避けることにつながります。SVにとっては教育した人材が長く活躍してくれるのは嬉しいことですね!

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