第3部【01】 信頼できる弁護士や通訳を雇う

インタビュー

HONGKONG DAY BOOK

第3部【01】
信頼できる弁護士や通訳を雇う

中国でビジネスをするときは、言葉の問題があります。中国語は句読点の付け方で随分変わってきてしまうところがありますし、大事なことの半分しか訳されていないこともあるかもしれないので、慎重になることが必要です。

僕がこの人を雇おうかという顧問弁護士の人と話をしたときに、「法律文書に"やっちゃいけない"と書いていないから、やって良いですよ」といわれたことがあります。確かにその法律文書には書いていなかったのですが、他の人に話を聞いたり社会的な風潮を見たりするなかで、僕自身非常にやりにくいんじゃないかな、と思ったんです。でもその弁護士は、「根拠がないから大丈夫」と言っていた、ということがありました。技術(特に特許や、技術移転契約など)関係では、技術流出や、判例が取れないなどに繋がるので、特に注意が必要です。

また、私が怒っていることを中国語に訳すとき、通訳の人が現地の言葉で、すごくオブラートに包んで伝えたようなのですね。すると、相手にはどうして怒っているのかが伝わらなかったことが見て取れ、もう一度訳してもらうように頼んだということもありました。

「この人は信用できるか?」確かめるのはすごく難しいのですが、まず1ついえることは1人の話を信じ込まない、ということです。1つのことでも、それに詳しい別の人(例えば、先の場合であれば「日本人で中国語の法律を専門にしている弁護士」など)に確認してみたりして、最終的には自分で判断することです。「○○さんが言っていたから大丈夫」ということで行動して、失敗した事例をたくさん見ています。そのためにも、気軽に聞ける関係を自分の周りにたくさん作っておくことが大切なのです。