【オススメ本紹介】『孫子』から読み解く組織を勝たせるリーダー像

  • リーダーシップ

「敵を知り己れを知れば百戦危うからず」で有名な孫子である。 社会の中で自社がどういった立ち位置にあるのか、マーケットやライバルの状況は、今後の業界予想など、考えればキリが無いが、まずは冷静に己に焦点をあて、自分達の強みは何か、それを発揮するにはどうすればよいのか、を二千年以上経っても色あせないこの「孫子」から改めて学ぼうと思う。

優れた組織は「道」「将」「法」「天」「地」が相手よりも優っているという。詳細な説明は省くが、今回はこの「将」の部分、すなわちマネジメント層のリーダーシップが組織に与える影響の大きさを、あらためて本書を読み解くなかで痛感した。

書籍情報

金谷治 訳注

『新訂 孫子』

(岩波文庫、2000年)

失敗する組織の将に五危あり

孫子には具体的な行動指標がいくつも散りばめられている。 おおよそ組織の話から兵士個人の話、通ってよい道、あるいは砂ぼこりや鳥の動きまで、事象に寄っての明確な判断基準が記されている。 ここでは将軍の話に的を絞りたい。具体的な組織運営において、将軍の考え方や行動ひとつで失敗する例がいくつも書かれていたからだ。これは参考になりそうだ。

まずは「将に五危あり」、「必死は殺され、必生は虜にされ、忿速は侮られ、廉潔は辱められ、愛民は煩わされる」ということだ。 すなわち失敗する将軍は必ずこの5つの危機があるというのである。 決死の覚悟の無いものは殺され、生きることばかり考えているのは捕虜にされ、気みじかで怒りっぽいのは侮られて計略に陥り、利欲がなくて清廉なのは恥ずかしめられて計略に陥り、兵士を愛するのは兵士の世話で苦労させられる、ということである。

なんとも耳が痛い。やはりまずは覚悟。覚悟の無い姿勢が部下に見えてしまうと部下はついてこない。 また自分かわいさから失敗時には部下の所為にするなどもってのほか、将たる器の問題か。怒りっぽいのもプラスにならない。 いい人すぎてもいけない。必要以上に特定の部下を持ち上げたり、仲が良すぎるのもよろしくない。

なんだ当然のことばかりではないか。そう、この当然のことができていないことにより組織が崩れるということが、古典より再認識できるのである。 いい時代である。これらのマネジメントの本質を体系的に身につけることで、組織に還元することができる。 この気付きにあたった今となっては、敗軍の将は生まれてほしくないと強く願うばかりである。

失敗しない組織の将~彼を知り己を知れば百戦して危うからず

孫子には軍を動かすに際し、あらかじめ勝算を見込んだ上で実際に行動を起こすことが必要とある。 シミュレーションを大事にし、敵情を知りつつ、正しいタイミングで軍を動かすということである。 まさしく、敵を知り己を知れば、ということだ。

それでは優秀な指揮官は何を見ているのか、これがわかれば失敗しない組織ができる。 孫子によると、軍の比較には5つの原則があるということだ。 第一に度:ものさしではかること、第二に量:ますめではかること、第三に数:数えはかること、第四には称:くらべはかること、第五に勝:勝敗を考えること、である。 戦争の原則はまず獲得しようとする土地の広さを測り、どれだけの戦力が必要かはかり、そのための食料や物資をはかり、さらに相手の力量をはかり、勝敗をはかる、ということである。

これは企業経営にも共通する考え方そのものでははいか。 市場シェアを獲りにいくにはどれだけの売上高が必要か、他社との差別化、優位点は何か、そこに投入する資源(お金)は十分か、を考えることである。 これは事業計画そのものであるともいえる。 事業計画が精緻であっても実際には様々な要因で計画通りにいかないことの方が多いが、計画そのものがおろそかであると絶対に失敗するということが孫子の教えでもある。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶというが、リーダー必読の一冊として孫子をおすすめしたい。

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