評価の実際3 「評価基準」について
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評価項目の数
スーパーバイザーだからといって、「評価項目・基準を作る」という機会に頻繁に遭遇するわけではありません。
「どうやって項目・基準を作るんだろう」と、そもそもの疑問がわくのは当然です。どちらかというと多数のスーパーバイザーの方は、現在使用している自社の評価基準が「不満」「不都合がある」と考えていることが多いものです。
そこで今回は、評価の際にどのような基準があれば良いのか、具体例を見ながら説明します。
五段階評価
五段階評価を例に、評価の基準になりそうなキーワードを挙げてみます。
項目によって細かい部分の相違はありますが、おおよその定義づけの例とお考えください。
5:「すばらしい」
スペシャル、エクセレンス、言うこと無し。
例:クッション言葉がタイミングよくある、バリエーションがある。
4:「良い」
good、nice、よい、よくできる。
例:クッション言葉を多用している
3:「普通」
普通、特に目立ってよいほどではない。
例:クッション言葉がある
2:「あまり良くない」
普通とは言い難い、よくない。
例:クッション言葉が一度、(あるいは少ないが)ある
1:「良くない」
BAD、不快、悪い。
例:クッション言葉がまったくない
5:「すばらしい」と、1:「良くない」はめったに無く、
大半が4~2になる前提で、この3段階をどのように差をつけていくかという考え方を持つと評価が進めやすいと思います。
クッション言葉を例に取ると、センターによっては「クッション言葉がある」を「5」としているところもあるでしょう。この場合「ある」、「なし」にこだわるならば、○△×の三段階ほうがお勧めです。
しかし、「クッション言葉」に関して、「5分のコールの中で1度しか使われなかった」のようなケースを考えると、「クッション言葉を使うべき箇所が他になかったか」という点を考慮し、クッション言葉が一度、使われたからといっても「5点」にはしにくいと言えます。
各項目の評価基準
コンプライアンスに関係する事柄や、本人確認などの事実確認は判定しやすい項目です。
この項目では、確認事項を満たしたか、一つ不足があったか、複数の不足があったか、確認自体がなかったかを判断します。
確認する際のコミュニケーション上の伝え方・聴き方は、別項目で診断して、切り分けるほうが、コールを客観的に把握することができます。
モニタリングには特徴や違いが浮き出る結果となることが求められています。
採点表が1~5までの五段階であれば、中間の3に偏りがちになるため、4つ、あるいは6つにするということもよくあります。
4段階であれば、結果の得点を数値化して分析するには「違い」が見えにくく、6段階にだと、基準で差異をつけることが難しくなります。
しかし、「なんとなく、普通をつける」ということができなくなる利点があります。