はじめて採用担当という立場になって、気づいたこと
学生時代に就職活動をしていた時は、自分が採用担当になるとは思っていなかったのですが、
改めてこの立場になると「組織の代表という立場なので、人並みに緊張する」ということを感じます。
採用面接は、企業側も求職者から選別される場ですので、組織の代表という気持ちは常に持っています。採用面接は、組織にとって将来を担う人材を確保する重要な場です。したがって採用面接担当は、応募者の学生や求職者の特性をみるためのスキルが必要です。また、面接をうまく運ぶためには、担当者として注意しなければならないマインドと知識があります。
ここでは、自分自身が就職活動していた頃には気づかなかった、面接担当者が気にしている4つの基本チェックポイントをご紹介します。
- 目次
1、第一印象をよくみる
求職者に会ってから5分で(ときには1分程度で)その人の印象をとらえています。
初めの印象、つまり第一印象で求職者をまず判断しているのです。この印象の即決を最も左右するのは、どのような基準なのでしょうか。主に以下の二点によるところが大きいです。
■求職者の動作は落ち着いているか?
椅子に座るとき、立ち上がるとき、お辞儀をするときに、求職者がもたついていないか、きちんと動作できているかをチェックします。自社の求める人材としてふさわしいか、様子をみています。
■求職者の表情に前向きさと自信が現れているか?
目はしっかりと前をみて、口元を引き締め、笑顔でいるかを見て、求職者の応募の熱意と期待がどれほどかが判断できます。ただし、面接の際は、お互いに緊張していることが普通ですので一概には言えません。緊張をほぐすためにこちらから話かけるように心がけています。
2、「具体的に正直に話しているか」をみる
求職者は面接で自分を良く見せようとあせると、ついつい立派そうな発言や難しいそうな言い回しを使おうとします。経験豊富な面接担当者ほど、そんな「立派さ」や「難解さ」の底に、浅薄さや不誠実さを見抜ける傾向があります。
■求職者は具体的な内容を正直に話しているか?
採用に至る評価は、求職者ができるかぎり具体的な内容を正直に答えることです。こちらからの質問に対して求職者がカタカナ言葉を多用して返事しただけでは、具体的に答えたとは言えません。
「リーダーシップを発揮しました!」
「サークル内のコミュニケーションが円滑になるように心がけました!」
などの言い方だけでは、具体性に乏しい印象を受けます。また事前に準備してきたような回答では求職者の人となりが見えてこないため、面接担当者は掘り下げた質問を繰り返してしまうのです。求職者に正直に話してもらえば、採用担当者は自然と好感を抱くものです。
ただし、何もかも正直に話せば評価していいというわけではありません。求職者が自分自身を最もアピールできるエピソードに絞り込み、具体的な真実を話しているかを確認します。求職者の志望動機、経験と整合性がとれているか、面接担当者は正確に把握することが肝心です。
3、「なぜ?」の質問に答える様子をみる
求職者が面接の想定問答をつくるように、面接をする側も質問を準備します。
質問は企業毎に異なると思いますが、中途採用なら前職の退職理由や、今後のキャリア形成について。新卒採用なら、志望動機や大きな失敗や壁にぶつかった経験などです。
面接のときに準備していた質問をしながら、求職者の答えを受けてその人の特性を見ようとしているのです。その際に「なぜ?」の質問を投げかけます。
「なぜこの人は、うちの会社で働きたいのだろう」(志望動機や熱意)
「なぜこの人は、学生時代に○○サークルを立ち上げたのだろう」(意欲や経験)
このような面接担当者の知りたい疑問にどう答えるかは重要です。「なぜ?」の質問を適宜盛り込むことで、求職者が事前に準備をしていた質問と異なる本音を聞くことができます。一層、面接対象者の本質に迫ることができるのです。
4、失敗エピソードで学んだことをきく
面接担当者は、求職者が今後どんな頑張りを発揮できるかを知りたいと考えています。そして、苦労したこと以上に、それを乗り越えた経験を聞きたいものです。求職者が同じ社員となって、様々な仕事上の試練にあたるときに大事なパワーだからです。
「この人は苦しい時にも頑張れる人なのだな......」と思うには、具体的なエピソードを聞く必要があります。そこで注意しなければいけないのは、ただ成功エピソードを羅列してもらうだけでは本当の姿が見えてこないという点です。
必ず実際に失敗したエピソードも織り交ぜて答え、いかにしてそれを乗り越えたのかを求職者にきちんと質問する。それによって苦しい時の対応力が十分に担当者に感じられて、ぐっと求職者の印象がアップします。失敗談を正直に話してもらうことで、誠実さも対応力も判断できます。
まとめ
上記4つのポイントは基本ですが、もちろん業界や企業によっても異なります。現在は、普段人事とは関係がない部門、今後配属されるであろう部署の担当者が面接をすることも増えてきました。そのような方たちの一助になれば幸いです。