【2】新卒採用における選考法~筆記試験・面接編
前回、新卒採用のおける選考方法の1つ目として「書類選考」についての話をしましたが、今回は、「筆記試験」についてご紹介します。
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新卒採用での筆記試験について
筆記試験は業務を行う上で最低限必要と思われる素養が備わっているか、採用が決まった場合の配属先部署や、職種など人材配置など判断する材料として実施することがあります。ただし、筆記試験は企業や組織、職種によって実施するかどうかは異なります。
*一般常識に関する試験
一般常識に関する試験は、一般教養のほか、時事問題とビジネスマナーを加え、幅広いジャンルから出題されます。書店などにある市販書籍の一般常識試験の問題を参考にして、企業や組織が独自に問題を作成しているケースも多くあります。
*適性試験(性格適性検査)
適性試験は、社会人として求められる問題解決能力を測るための能力検査と、性格や性質を測るための性格適性検査があります。人材コンサルティング会社など、人材業界の専門業者が作成しており複数のサービスが存在しています。選び方に関しては、エビデンスが多いことが大前提として、はじめて利用される企業や組織の場合、トライアルで在籍社員複数名(ロールモデルとなる若手社員が理想)で実際に性格適性検査を実施しましょう。実際に試してみて、より納得感のあるサービスを選び、自社の選考基準にマッチしたものを厳選することをおすすめします。
*専門分野に関する試験
専門試験とは、就活生が専攻している分野や特定の業務に関する専門分野について、知識を確認するための試験です。大学入試のように難しい問題を出して合否を判断するのではなく、特定の業務を行う上で必要な知識を保有しているか理解度を測るために実施されることが多いです。
*論文に関する試験
論文試験は、与えられた問題に対して500文字~1,000文字など、文字数制限の中で小論文を書く試験です。業界、職種問わず、社会人で必要な文章の要約力や構成力、物事の考え方や、一般教養、分かりやすい伝え方まで、専門業者や、自社で定めたロジックに基づき、回答結果から判断することができます。
新卒採用での面接について
面接は採用選考においてもっとも重視されているといっても過言ではありません。書類選考や筆記試験は面接試験を行うための就活生のスクリーニング(人数を減らす)ために実施されます。最終的な合否は、面接を行ってから決定する企業や組織がほとんどです。
*集団面接について
集団面接は複数の就活生を同時に面接を行う方法です。面接官は一人の場合や、複数名の面接官の場合もあります。面接官は就活生全員に同じ質問を投げかけることができ、自己PRや学生時代に取り組んだことなど定番の質問が多い傾向があります。就活生を同時に比較しながら評価することができるため、多人数の就活生に対して面接を効率よく実施できるメリットがあります。
*個人面接について
個人面接は、文字どおり就活生一人ひとりと面接を行う方法です。就活生とじっくりと向き合え、応募者にあわせた個別の質問ができるメリットがあり、就活生の回答に対して、より具体的に深堀した質問を投げかけることで、人柄や特性をより明確に把握ができます。
応募者が多い会社や組織の場合には、1次面接はグループ面接を行い、2次面接で個人面接にするケースが多いです。
*グループディスカッションについて
新卒採用では、面接の一環でグループディスカッションが選考の中で実施されることもあります。5~10名程度の応募者を集め、特定のテーマに対して就活生に自由にディスカッション(討議)をさせます。面接官はディスカッションに対する総評を行います。就活生それぞれのコミュニケーション能力や伝え方などの表現力、ファシリテーション能力やリーダーシップなどを評価することができます。
*ディベートについて
ディベートもグループディスカッションのひとつです。賛成派と反対派にわかれてディスカッション(討論)を行う方法です。ビジネスで必要な論理的思考力や説得力のあるコミュニケーションが取れる就活生をディベートを行うことで見極めやすくなるメリットがあります。
*新卒採用でも注目されはじめたカジュアル面談について
新卒採用においても、外資系コンサルティング会社、ベンチャーのIT企業やWeb制作会社などでカジュアル面談を実施する組織が増えています。就活生(応募者)に対して組織へのエントリーに関するハードルを下げるという特徴があります。コンサルタント職、エンジニア職など、より多くの優秀な人材(就活生)と出会う可能性が拡がるというメリットもあります。
カジュアル面談は、就活ナビサイトなど従来の就活エントリー方法と異なり、エントリーシートも不要で「まずは話を聞いてみたい」という就活生の興味関心から、はじまる応募方法です。通常エントリーに比べ就活生も気軽に応募することができます。従来の就活の選考方法に嫌気をさしている就活生、学生ベンチャーで起業経験がある、感度が高く尖った就活生、などなど優秀人材と面談を行える可能性が拡がることにつながりますので、前向きに取り組んでみるのもおすすめです。