小売業のため在庫管理がありますが、在庫が過剰かどうかの判断はどう行い、売りぬく以外にはどのように整理したら良いでしょうか?
在庫回転期間1.5~1.7ヶ月以上であれば過剰となります。、また、在庫整理の基本は売り抜くこと以外にありません。
在庫とはそもそも何なのでしょうか?現物を見ないと実感が沸きにくいですが、「商品」を指しています。これは「資産」であり、同時に「コスト」でもあります。詳細は以下の点を見ながら解説していきます。
商品を仕入れて置いておくだけでも、コストはかかります。倉庫代、物流費、棚卸のときの人件費、商品のスペースコストなどがあります。しかし、それよりも過剰在庫になるとキャッシュフローを悪くすることが大きな問題です。洋品店のような小売業では特に注意が必要なものです。
在庫というのは商品のことですから全く無ければ良いわけでもありません。しかし、会社の資金運用を圧迫しない程度でなければいけません。そこで重要なのが「適正在庫」です。
適正在庫とは粗利益率、販管費を含めて、利益が出る、キャッシュフローが回る範囲で決定されるものです。まずは以下のような式で在庫回転期間を表すことが必要です。
在庫回転期間=期末在庫金額÷平均月商
アパレル業界であれば在庫回転期間から見る適正在庫は以下のようになります。
実売期(セール時期以外)=1.5ヶ月~1.7ヶ月
セール時期=1ヶ月前後
もし仮に在庫が100あって、平均月商が40である場合はどうでしょうか。この場合、在庫回転期間が2.5ヶ月もあることになり、在庫回転率が悪いと判断できます。この場合は速やかに在庫処分を考えなければいけません。
食料品や飲料だけではなく、商品には必ず鮮度があります。アパレル業界で言う鮮度が保てる期間は季節の変わり目の3ヶ月間のみです。つまり、季節の終わりのセール時期を過ぎても残った商品というのはこれ以上店頭に出すこともできず、完全に処分してしまう必要があります。
「倉庫に置いて来年また売ればいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、その間、倉庫のスペースをとることになりますし、管理費用がかさむばかりですから処分する場合が多いのです。また、大量に売れ残るような商品であった場合、来年出してもやはり売れ残ります。
売れ残りを処分する。ということは先ほども言及しましたが、それでも捨てる以外の方法もあります。売れ残りの買取契約というやり方です。これをメーカーとの契約で行う場合は仕入れ値が何割か高くつくことになります。そのため、最終的な利益としてはあまり得するやり方とは言えません。
その他、メーカーではなく、在庫買取を専業で行っている企業も中にはあります。しかし、どちらにしても買取金額が仕入れ値を超えることは期待できません。大幅な在庫が出ないように仕入を調節し、きっちりと売り抜く努力をしなければ利益を上げることができないと思ってください。
在庫については知らないことも、非常に多いため、大変参考になりました。在庫には適正在庫、という見方があり、一つの指標になります。現在の会社では計算してみると実売期で2.3ヶ月もありました。地方の洋品店とはいえ、残念ながらこれでは在庫過多といわざるを得ませんね。これから一層の販売努力と仕入調整が必要です。
また、店内鮮度という考え方があったのは新鮮でした。洋服は腐るものではないので、売れなければついつい来年まで置いておきたいと思ってしまいそうでした。売れ残った時の心配をする前に、今在庫が出ないようにする努力と売り抜く方法を考えないと意味がありませんね。これからそのバランスが取れるようにしていきたいと思います。