お客さまとお会いするときの服には、お金をかけるべき?【お悩み相談室 応対マナー編】
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今回のお悩み
「もう少し、スーツにお金かけてみたら?」と、同じ営業部の先輩に言われました。3年間ほど着た僕のスーツは多少くたびれていますが、まだ着られます。趣味にお金をかけたく思いますし、高価な服を買うお金の余裕はあまりありません。そもそも「人を見た目で判断するな」とも言います。......このままではダメですか?( 輸入車ディーラー営業担当者・20代男性 )
外見は「無言のプレゼンテーション」
確かに「人を見た目で判断するな」とは言いますが、
姿勢や態度を含む「外見」は、人の第一印象を形成する大きな要素のひとつです。
社会人の身だしなみは、あなたと、あなたの属する組織を想像させる判断材料。
つまり、外見は「無言のプレゼンテーション」なのです。
とりわけ、営業・接客など、組織の顔としてお客さまに直接お会いする職に就いている人は、
「外見の無頓着さは、お客さまの期待を損ねて、競争相手に負ける要因になりかねない」と、多少は意識するのがよいでしょう。
外見を「自己演出」する、という戦略
もちろん、お金の使い途は個人の自由ですし、金銭的余裕の事情もあるでしょうから、
「服装にお金をかける"べき"だ」とまでは言えません。
「外見に気を遣うこと」も重要な営業戦略のひとつ、と考えてみるのはいかがでしょうか。
組織を代表する立場としてお客さまの前に立つ営業・接客の仕事には、
人の外見や雰囲気にから「その道のプロ」であるように見せる「自己演出」が、重要です。
代表的な自己演出は、「扱う商品・サービスに合わせた外見にすること」。
たとえば、高級ブランド志向の商品を扱っているならば、
商品に相応しい高級感・上品さを思わせる外見・立ち振る舞いが、お客さまのいっそうの安心感と信頼を醸成するはずです。
身だしなみの基本は「清潔感」!
外見の「自己演出」はもとより、どんな服装であっても、全身の「清潔感」には注意します。
企業理念や経営方針などにより、服装規定は様々ですが、
いかなる場合でも「清潔感があるかどうか」だけは、常に意識するようにしてみましょう。
高級なスーツが手に入らなくても、よい印象を与えることができます。
▼基本的な身だしなみのチェックポイント
● 目ヤニや無精ヒゲなどはないか
● (女性の場合)メイクは派手すぎないか
● 髪型は寝グセなどなく、すっきりとまとまっているか
● 口臭・体臭はないか
●
香水・制汗剤・柔軟剤などの匂いはきつくないか
● 派手で目立つアクセサリーをつけていないか
● シャツにしわが寄りすぎていないか
● ズボンには折り目がついているか
●
服装はカジュアルすぎないか
● 靴は磨いてあり、紐がほどけたりしていないか
● スーツは自分のサイズにあっているか など
目を引く小物で、会話の糸口に
外見の特徴を活用した「小ワザ」がある――――と、ある営業担当の方は語ります。
それは、服装でほんの一か所、目を引く部分をあえてつくる「サプライズ"小"作戦」。
たとえば、動物の柄や、(お正月なら)門松柄など、ちょっと目を引く柄のネクタイは、目を引きますよね。
お客さまに「おや?」と思わせたら、こちらの勝ち! そこを話の糸口とし、会話のネタにできるのだとか。
自分の外見は、時には「武器」にすることができるのです。
ただし、「非常識だ」と思わせるような"過度なサプライズ"は避けた方がよいでしょう。
あくまで「"小"作戦」であることが、大切なのです!