顧客に納得してもらえない(後編)【お悩み相談】
■今回のお悩み相談
私はなぜか、相手に納得してもらえるような話ができません。相手の反感や疑問を解消し、納得に導く話をするためにはどうしたらよいのでしょうか。 (家電量販店・販売員)
お悩み相談(前編) では 解決策1をご説明しました。
今回は、解決策1で得た相手の情報を踏まえた上で、議論の説得力を増すヒントをお伝えします。
- 目次
解決策 2. 机上の空論にせず、話のスジを貫き通せ!
論理的に相手を納得させるのが苦手な人の特徴の二つ目は、 「話のスジが通っていない」ことです。議論が脱線する大きな要因として、 事実と意見が混同している場合があります。
(1)事実と意見を区別する ~議論を空中戦にしない
論点がずれてきた、見えなくなってきたと感じたら、まず 「客観的な事実」と 「主観的な私の意見」を分けて、整理してみましょう。事実と意見を混同してしまうと、議論が混乱する、本論とはそれたところで論理の穴をつかれる、といった恐れがあります。
事実であること、意見であることをわかるように、発言します。
【事実】「○○の統計資料によると、・・・」
【事実】「○○法の規程によると、・・・」
【意見】「私見ですが、・・・」
【意見】「今、思いついたアイディアですが、・・・」
(2)自分の経験を活用する
自分の意見/アイディアの発想に至った具体的なエピソード/経験談を付け加えてみましょう。
主観的な意見だと、現実味の薄い、机上の空論・理想論といった印象を抱かれてしまい、同意や納得が得られないケースもあります。この場合は自身の経験談を加えることでアピールポイントがより鮮明になることがあります。
【例】「先日子供と遊園地に行ったときに○○カメラのシャッター機能を使ってみたのですが・・・」
(3)第3者の意見や経験談を付け加える
第3者の意見や経験談は、論理を補強する何よりも強い材料になります。他者の視点からのエピソードを紹介することで話の信頼性を高めることができます。
【例】「実は、同様のお悩みを抱えてらっしゃった他社さまでは、弊社のサービスをこんな風に利用していただいています」
解決策 3. 合意・納得にいたらなくても、感情的になったら負けと心得よ!
解決策 1. 2 でも議論が結論に至らなかった場合、論理的な説明が苦手な人は、コミュニケーションに失敗したと諦めがちです。しかしこうした感情的な後悔に終わらせず、客観的に論点を分析・整理し、問題解決につながる代替案を提示することで、合意への歩み寄りが促せます。
事前に準備してきた情報や論理で結論に至らない場合は、
① 合意/納得してもらえる点とそうでない点を明確にする
② 合意していただけない点は、どんなふうになったら合意いただけるか、代替案を提示する
【例】「この点についてはご理解いただけましたでしょうか。これまでの説明の中で、懸念のある点がございましたら、何なりとおっしゃってください。」
【例】○○さまのご意見はごもっともです。その点については、~~~~としたいのですが、いかがでしょうか」
ビジネスの現場では、いつもこちら側の主張が受け入れられるわけではありません。そういった場合でも、論点を一つずつ明確にし、それぞれの点について合意を見出していくことで、次につなげることが大切です。
【まとめ】
いかがでしたか。上記のことはトレーニングすることで向上します。
「言いたいことがすぐ分かる」内容にすることが最も重要です。カタカナ語や漢字を多用せず、「うん、なるほど!」とすぐに思えるような、筋道立った説明を心がけましょう。