2023年の新入社員の特徴+必要な教育は?
毎年、日本最大級規模の新人研修を行っているインソース。今年も多くの新入社員が、当社の新人研修を受講しています。学生時代の大半をコロナ禍の中で過ごした今年の新人たちですが、講師とのリアルなやり取りを通じて、社会人に求められるスキルやマインドを、今まさに一つ一つ学んでいるところです。
今回は、2023年の新人研修を担当した講師から届いた、今年の新人に顕著な特徴についてのレポートを"速報"としてご紹介します。また、彼ら・彼女らを育成するにあたり必要な教育についてもお伝えします。貴組織の新人育成計画の参考にしていただければ幸いです。
- 目次
連絡先交換はInstagramで!?
若い世代の必須コミュニケーションツールともいえるSNS。これまではLINE交換が多かった印象でしたが、今年の研修会場ではLINEではなくInstagramの交換から始まることが目立ちました。
まずはInstagramでメッセージのやり取りをしながら、同時に普段自分が投稿している写真を見てもらい、自分の人となりを知ってもらうことで、仲良くなれそうか、相性は良さそうかなどを相手に判断してもらうとのこと。つまり、自己紹介を自分で行わずにSNSにやってもらっていることになります。
オンラインツールやSNSの普及により、自分のことを不特定多数の相手に発信する機会は増えています。しかし、特定の相手に自分のことを理解してもらうのに、コミュニケーションをみずから取るのではなく、自身の過去の投稿を見てもらうことで相手に察してもらうようなスタイルに慣れてしまうと、ビジネスの場面において「相手が自分に何を求めているのかに気が回らない」、「相手目線でのコミュニケーションが取れない」といった状況に陥ってしまいがちです。
相手の求めに合わせて自分の考えを自分の口で語る、という機会をつくることが必要かもしれません。
「自分」は見せるもの?見られるもの?
『ビジネスにふさわしい身だしなみ』というパートで、少し奇抜とも捉えられそうな髪型の受講生から、「自分としては個性を大事にしたい」という意見がありました。
周りの人に自分をどう見せるかについてはいろいろなやり方があると思います。『髪型』は、外面的に自分らしさを出せる最たるものと言えます。
「自分をどう見せるか」を考えるのは大切なことですが、「自分はどう見られているのか」という視点を持つこともビジネスにおいては重要です。オンライン化が進み対面でのやり取りが少なくなった影響で、今の新入社員は「自分はどう見られているのか」という視点を持つ機会があまりなかったのかもしれません。
「守破離」という言葉があります。これは、まず自身の業務を確実にこなす「守」、その後に基本を応用、発展させ独自のアレンジを加える「破」、さらに発展させオリジナルな発想をする「離」というプロセスを表現したものです。
どのような業界・職種・組織にも、基本やルールというものが存在します。はじめから「自分流」を前面に出そうとするよりも、まずは基本をしっかり学び、そこから段階を経て「個性としての自分流」を作っていくことが大切です。まずは「守」の確実な実行が大切だと感じてほしいものです。
コロナ禍を経た今、すべての新人が身につけるべき力とは?
今年の新人の育成計画を立てるうえでは、コロナ禍によるオンライン推進と、昨今のSNS利用の加速により、本来あるべきコミュニケーション能力が下がってしまっているという状況を考慮する必要があります。このような傾向は今までの新人にも見られていたものでしたが、以前と大きく異なるのは、自分を表現する場はあるものの、それが「人に見てもらう」という間接的なコミュニケーションに終始しており、「自分から伝える」という直接的なコミュニケーションを行う場面がどんどん減ってしまっているという点です。
ビジネスの現場において必須である上司・先輩への報告や、プレゼンテーションの実践においては、自分の考えを自分の口から語る力や、対話を通じて相手から求められていることを考える力が求められます。「察してもらうこと」に慣れてしまっている新人が今後こうした力を身につけられるよう、研修やeラーニングなどを通じて教育を実施することをおすすめいたします。