やり過ぎぐらいでちょうどいい!印象に残るビジネスマナー+α ①対顧客

やり過ぎぐらいでちょうどいい!印象に残るビジネスマナー+α ①対顧客

 対お客様や対上司や対同僚相手のビジネスコミュニケーションには、ほどよい「やりすぎ」の程度があります。誤解されやすい言い方に聞こえますが、ちょっとやり過ぎぐらいでちょうどいいマナーがあるのです。
ビジネスコミュニケーションの要となる心は、何を相手に伝えるにしても、常に「相手をよい気持ちにさせる」ことではないでしょうか。

それには、コミュニケーションをとる相手のタイプと状況によって、注意すべきポイントも変えていかなければいけません。そのポイントは、相手によってそれぞれに意識すべきだという、次のような大前提を守るということなのです。

【大前提】
(1)対お客様:常に相手をたてて恥をかかせない/指摘しない
(2)対上司:何を言われてもムッとせず素直に受け止める
(3)対同僚や対後輩:公私混同をしない

それでは、いろいろなシーン別に、レベルに合わせた「ビジネスマナー+α」をお教えしましょう。

■自社から相手先までの行き方 『15分前に到着するように調べる』

お客様先に訪問する際に遅刻するのではお話になりません。遅刻は厳禁です。
特に、初回訪問のとき、相手が役員のとき、相手が大人数のとき、遅刻はどんな理由があったとしても、絶対に許されません。
もしも5分以上遅刻するような場合には、連絡を速やかに入れるべきです。
さらに、15分以上も遅刻する場合は、商談の時間も大幅に削られてしまうので、謝罪をしたうえで先方ともご相談し、アポイントの取り直しなどお願いする必要があります。

【大前提】
(1)遅刻しそうなときはできる限り早く連絡を入れる
(2)5分以上の遅刻しそうなときは電話連絡する
(3)15分以上遅刻しそうなときはご相談してアポイントを取り直すほうが望ましい

上級者は、どんなときも15分前には現地に着くよう調べてから、外出するものです。
自社から相手先までの行き方は、15分前には到着できるように、よく調べてから外出したほうがいいと思います。

レベルごとに言い換えますと、次のようになります。

レベル1:ビジネスパーソンとして気をつけるべき事項(当たり前)

  • (1)基本的に遅刻は厳禁
  • (2)お詫びが先、言い訳は後

レベル2:普通より頑張る必要があると思う人が気をつけるべき事項

  • (1)15分前に到着するように調べて外出


■受付までの注意事項 『お客様先のルールを守る』

お客様訪問はいうなればアウェイです。
新人の方の場合のように、慣れていない人が緊張してしまうのはムリありません。あせって前述の大前提のひとつひとつを忘れてしまうこともあるかもしれません。


しかし、心配には及びません。新人のうちは、次の2つのことを忘れなければ、たいていのことはなんとかなります。

「お客様先のルールを守ること」
「自社の顔として見られていることを意識すること」

さらにレベルアップしたいのであれば、徹底的に相手のことを調べてから訪問すべきです。
お客様先のルールを守ることは、お客様の指示を第一優先に考えることに通じています。 自社の顔として見られていることを意識することは、お客様先のビルの近くなど、いつどこでお客様が見ているかわかりませんから、常に会社の代表として見られているという緊張した意識を持って行動するということに通じています。

【大前提】
(1)ビルに入る前にコートはぬぐ
(2)受付(いない場合、内線電話)に行き、取り次ぎを依頼する

  「○○株式会社の××と申します。~~時に△△部主任の□□様と
   お約束させていただいております。」

(3)取り次いでいただいている間は、「かけてお待ち下さい」と言われたら座る
  (待機スペースに椅子がない場合、立ったまま待機)

(4)アポをとった担当者がいらっしゃったら挨拶
   椅子に座っていた場合、すぐに立ち上がって挨拶
   名刺交換は、応接室に通されたあと行うのでその場では交換しない
  (ただし応接に通されないとわかったときはその場で名刺交換する)


先に応接室に通された場合も(3)(4)の手順と同じです。
レベルごとに言い換えますと、次のようになります。

レベル1:ビジネスパーソンとして気をつけるべき事項(当たり前)

  • (1)訪問時刻に遅刻は厳禁、最低10分以上前に到着すべき
  • (2)原則、受付担当者の指示に従う
  • (3)壁にもたれたり、受付デスクに肘をついたりしない
  • (4)お客様先のビルの近くに着いたら、お客様に関してマイナスなことは話さない

レベル2:普通より頑張る必要があると思う人が気をつけるべき事項

  • (1)訪問先が法人であれば、歴史・製品・サービスを徹底的に調べておく
  • (2)訪問先の担当の前任者がいれば、訪問先の話を聞いて頭に入れておく


■名刺交換のマナー 『相手より必ず先に渡す』

名刺交換には細かいルールが数多くあります。
それでも、「名刺はその人の顔」という大前提さえ覚えておけば、おのずと扱い方が
分かってきます。
お客様の名刺は、「お客様のお顔」として、丁重に扱います。同じく自分の名刺も「自分の顔」なのですから、切れていたり汚れていたりすると、自分の格が低く見られてしまいます。

名刺交換は、目下の者から先に渡すのが作法であり、若手ビジネスパーソンがお客様に華麗かつ
優雅にすばやく名刺を渡すことによって、自分の高いビジネス能力をお客様の前で示せるというわけです。
しかし、万一お客様から先に名刺をいただいた場合は、残念ですけれども、お客様の名刺を先にいただきましょう。名刺交換でモタモタするのが、一番見苦しくかつ無作法なことですから。

【大前提】
(1)準備しておく
   すぐ立ち上がって名刺を取り出せるようにあらかじめ名刺入れを手に持ち、
   名刺を名刺入れから取り出しておく

(2)差し出す「○○の◆◆と申します。よろしくお願いいたします」
   複数対複数で名刺交換する場合、立場が上の方から行う
   上司より先に名刺交換を行わない(上座にいる方から役職順が一般的な並び)
   自分の順番が来たら、お客様より先にまず自分が名乗り、名刺をお客様の前に差し出す

   ・文字に指がかからないように名刺を右手で持ち、左手を添える
   ・自分の胸のあたりに持って構える
   ・お辞儀をしながら、自分の会社名、(部署名)、名前を名乗って差し出す
   ・相手の名刺入れに向けて渡す(名刺の向きは相手が字を読める向き)


(3)受け取る「(□□様、)頂戴いたします。」
   受け取るときは、自分の名刺入れを下にして受け取る

   ・自分の名刺は相手より下!
   ・右手で差し出しつつ、左手で受け取る
   ・受け取ったら右手を添える


(4)取り扱い方
   いただいた名刺はしまわず、テーブルの右側に置く
   【並べ方】席次順(顔と名前が一致しやすい)
    分からなくなった場合は縦に置く

   【置き方】
   〔1枚の場合〕名刺入れの上に乗せる
   〔2枚以上の場合〕名刺入れの上に一番役職の高い方の名刺を乗せ、他は机に並べる

(5)しまう
   辞去する際に、名刺入れにしまう


レベルごとに言い換えますと、次のようになります。


レベル1:ビジネスパーソンとして気をつけるべき事項(当たり前)

  • (1)名刺は絶対に切らさない
  • (2)必ずきれいな状態で渡す
  • (3)相手より必ず先に渡す

レベル2:普通より頑張る必要があると思う人が気をつけるべき事項

  • (1)新人と悟られない程、名刺交換の練習をする

■お見送りのマナー 『 「またお待ちしております。」とつけ加える』

お客さまのお見送りの際は、オフィスが1階であれば、ビルの出口まで、2階以上であれば、エレベーターホールまでお送りします。お客さまの姿が完全に見えなくなるまで、気を抜かないで笑顔のまま、丁寧にお辞儀し続けます。せっかくそれまで丁寧に応対できても、最後のお見送りで雑な印象を与えてしまうと、「用件が済めばそれでいいの?」と悪い印象を与えることになってしまいます。

さらに上級を目指すのであれば、お客さまが大きな荷物を持っていらっしゃったら「お持ちします」と申し出たり、最後に「またお待ちしております」と一言つけ加えるなどすると、プラスアルファの気遣いをお客さまにお見せすることができます。

【大前提】
(1)応接室のドアをあける
   ◆オフィスが1階の場合

(2)ビルの出入り口までお送りする

(3)お客さまが出入り口から出られる際、「本日はありがとうございました。」と
   丁寧にお辞儀する

   ◆オフィスが2階以上の場合

(4)エレベーターホールまでお送りする

(5)お客さまがエレベーターに乗り込む際、「本日はありがとうございました。」と
   丁寧にお辞儀する


レベルごとに言い換えますと、次のようになります。

レベル1:ビジネスパーソンとして気をつけるべき事項(当たり前)

  • (1)お客さまが退出される前にお忘れ物がないか、確認する
  • (2)お客さまの姿が完全に視界から消えるまで、お辞儀し続ける

レベル2:普通より頑張る必要があると思う人が気をつけるべき事項

  • (1)大きな荷物をお持ちであれば「出口までお持ちします。」と申し出る
  • (2)挨拶の最後に、「またお待ちしております。」とつけ加える

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