ビジネスパーソン必須のスキル「傾聴力」を身に付けよう!
2020.07.02
- ビジネス
ビジネスシーンでは、ときどき「話す」ことよりも「聴く」ことのほうが重要だと言われることがあります。しっかりと「聴く」ことができると、相手が安心感を持ち、さまざまなことを話してくれるようになります。その結果、コミュニケーションがスムースになります。この記事では、ビジネスパーソンにとってもはや必須のスキルとも言える「傾聴力」について解説します。
「傾聴」とは何か?
「傾聴」とは、人の話をボーっとだまって聞いていることではありません。相手の話に積極的に耳を傾け、「注意して聴く」ことを意味します。
このとき、相手の話すタイミングを考慮しつつ「はい」「うん」「そうなんだ」などと相づちを打ち聞くとよいでしょう。
実は、この相づちがかなり重要。相づちがあると話しやすいだけでなく、話者が「聴いてくれているんだ」という安心感を持てるからです。
「傾聴」の効果について考える
①クライアントを深く理解できる
営業で成果を上げるためには、クライアントのニーズに沿った提案を行うことが重要です。
あなたが黙って話を聞いていても、相手は心を開いてくれることはまずないでしょう。これでは、ニーズをつかむことができません。
話を聞くときは、話しやすい態度を取ることや相づちを打つことが大切です。相手が話しやすい状況をつくることで、突破口を見出すことができます。
②一度会った人とさらによい関係が築ける
「傾聴力」のある人は、相手にとって話しやすい人として認識されています。
人間関係だけで受注が取れる時代ではありませんが、相手が親しみを感じてくれれば、商談はスムースにいくはずです。
「傾聴」が上手くなるコツを整理
①オウム返し法
オウム返しとは、相手の発言を繰り返すことを意味します。例えば、次のような会話シーンを想定します。
A:「昨日、〇〇ちゃんとケンカしちゃってさ~」
B(傾聴者):「ケンカちゃったのか~」
と単に繰り返すだけです。ここには、主観はまったく入っておらず、相手の気持ちに100%同調することができます。
すると、Aさんは「そうなんだよー、どうしたらいい?」などと話題を展開させることができ、自然と会話が続くようになります。
②肯定返し法
人は誰しも肯定されると話しやすくなるものです。肯定は傾聴にも求められるスキル。ぜひ身に付けましょう!
A:「鉄道旅行って、最高に楽しいわ!」
B(傾聴者):「確かに楽しいよね。流れゆく景色を見ると心が癒されるよね」
Bの返しは、オウム返し法と肯定返し法、両方を駆使したパターン。後半部分の「流れゆく景色を見ると心が癒されるよね」が肯定返しで、文字通り、相手の話に対して、肯定的な意見を述べています。
「人間性肯定法」と「自己開示法」は実践して身に付ける
次に「人間性肯定法」と「自己開示法」について説明します。
この2つの方法は、難易度が高いものですが、実践を繰り返すことで確実に身に付けることができます。要は、実践あるのみです。
③人間性肯定法
相手の人間性まで踏み込んで肯定を表現する方法です。人間性を褒められると、悪い気はしないでしょう。社内外問わず、気になる人にはぜひ積極的に活用してもらいたい方法です。
A:「先日、美術館にルノワール展を見に行きました」
B(傾聴者):「ルノワール展ですか。美術を見るAさんは、感受性が高い人なんですね!」
Bの返しは、オウム返し法と人間性肯定法を併用したもの。後半部分が人間性肯定法に該当する部分で、「感受性が高い」と褒めています。
④自己開示法
下記の例を見てみましょう。
A:「ノンフィクションは読みごたえがあって面白いね。事実をもとに書いているから、とても臨場感がある」
B(傾聴者):「ノンフィクションは確かにそういう面がありますよね!でも私は、ノンフィクションはちょっと苦手で、どちらかといえばフィクションが好きです。ミステリーとか面白いですよ!しかし、Aさんの話を聞くと、ノンフィクションもいいかもと思いました」
「自己開示法」とは、相手の発言を受けつつも、自分の考え方や経験を述べる方法です。この方法は、やりすぎると相手に不快感を与える可能性がありますが、自分を知ってもらうためには効果的なものなので、ぜひ実践してほしいですね!
「傾聴」に必要なのは落ち着き
もし、自分が「せっかち」だとか「いつも慌てている」と思う人は、会話のときこそ、落ち着きましょう。「傾聴」は、集中力を研ぎ澄まして、相手の言葉を注意深く聞くからこそ効果を発揮します。
「傾聴力」は練習すれば必ず身に付く
「傾聴力」を身に付けたいと思えば、ひたすら実践を重ねることです。上述した4つの傾聴スキルのうち、オウム返し法と肯定返し法を身に付けるだけで、コミュニケーション能力は飛躍的に上昇するはずです。
人間性肯定法と自己開示法は、ある程度のトレーニングも必要ですが、身に付けると武器になります。時間はかかりますが、コミュニケーション能力の向上のため取り組んでみましょう!
配信元:日本人材ニュース
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