今までは男性社員による長時間労働が普通でした。しかし、今後は労働力不足が想定されており、2030年には1000万人が不足すると言われています。これを考えると、このままではあらゆる業界で人手不足が起き、結果として企業にとっては業績が落ちることになります。
世間では、長時間労働が是正されて労働時間が減るという部分が強調され、歓迎されています。
ただ、改めて考えてみると、まず個人においては余暇が増える一方で、労働時間が減ることで残業代が減り、所得は減るという結果になります。組織においては、勤務時間が短くなる分、今までと同じ働き方をしていては、売上利益が減ってしまいます。つまり、生産性を上げて今まで通りの成果を出せるようにしなければ、働き方改革はうまくいかなくなるでしょう。
これには2通りの考え方があります。
1つ目は、労働力不足によって、これまでのように若い男性を採用し育成して、「人に仕事をつけていく」ことができなくなるということ。そのため働き方は多様化し、短時間勤務の人、シニア、育ママなどを組み合わせて働いてもらうことになり、評価にあたっては時間あたりの成果を見るようになってくるでしょう。つまり長時間会社にいるから高く評価されるのではなく、時間あたりどのような結果が出るのかということがポイントになります。
その結果、重要になるのが「誰に」「何を」「どんなふうに」やってもらうかです。全体を最適化するために、リーダーやマネージャーがどう采配し、資源をどう配分するのかが大事になってきます。
2つ目は、新しい成果主義の台頭が挙げられます。今後は、時間あたりの成果を上げた人を評価するという流れが強くなっていくでしょう。成果の上がる人は残業もしてどんどん働いてください、成果の上がらない人は早く帰ってください、という考え方に変わってくるわけです。
つまり、従来残業といえば全員で分担するものでしたが、これからは仕事のできる人のみに与えられる権利へと変わっていくと考えられます。
全体を統括するマネージャーと、部分を担うメンバーには、それぞれの役割が求められます。
マネージャーには、采配力を発揮して、チームに課せられた目標を達成していく役割があります。コスト・時間削減を徹底しつつも業績を上げるという「離れ業」を実現させることが、マネージャーに求められます。
メンバーには時間あたりで成果を上げることが求められます。一定の時間内でどれだけの業務を遂行し、どれだけの成果を上げられるかを評価されるようになります。つまり、一時間あたりの成果を拡大させるためのスキルと知識の獲得が必要になります。
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