2023.09.29
私の仕事の見つけ方。あるいは、キャリアドリフティングの記録。
1. はじめに -キャリアというものは後々から帳尻を合わせるものです-
「こんどSFCに入るから、代わりに仕事するひとを探していて」
高等専門学校の教室でそれを聴いたのは、かれこれもう25年くらい前になるでしょうか?
このセリフを発した同級生が手伝っていたスタートアップに私が代わりに入ることになり、高専とスタートアップの二重生活が始まってから、私のキャリアというのはだいたいが、誰かが持ってくる興味深い話に特に深く考えもせず(ここ重要です!)飛びつくというのをひたすら繰り返してきたのでした。
2. キャリアサマリ、あるいはいきあたりばったりの歴史
西の大阪にITバブルに応じて作ったデータセンターあれば、神戸の大学に編入学してそれを片付ける。東の東京にスタートアップの本社が移動すれば、それに合わせて東京の国立の大学院に入る。市ヶ谷の大きな案件が国立で取れたら、イノベーション研究センターというところで助手になる。港区六本木の大学で科学技術イノベーションのセンターを立ち上げることになったら、そこで官僚や政治家向けにポンチ絵を書く仕事をする。遠く西のパリにポジションがあれば、そこで一年研究をする。再び遠く東の東京で民間企業との共同研究センターが出来たら、そこでデータサイエンスの教育と研究をする。再び西で(ここからは機微性が高いので省略します)。
気づけば、「原先生はどうやってそうしたキャリアを構築されたのですか?」と尋ねられ、はてさてこれは困ったと、如何にもそれっぽいストーリーを答えるようになったのでした。
3. 新しいものをいかにつくりあげるか?
さて。気づけばまた新しく興味深い話が僕の眼の前に振ってきたのであります。こうしたキャリアを進んできた人間がこの人的資本経営研究教育センターで出来ることといえば、やはり、既存の何かと何かを組み合わせて、誰かが観たことがない新たな組み合わせ(イノベーション)を作ることくらいではないかと思います。
イノベーションと呼ばれている事象を生み出すためには、過去の様々な経験を深掘りし[知の深化]、かつ自らが見ていなかった知を新たに探してくること[知の探索]が必要となります。両利きの経営とも呼ばれるようなこうした取り組みを、僕はこれまで企業や制度などの観点から観察し、研究してきました。本センターでは、イノベーションについて企業を構成する人のレベルに根ざして細密に分析できればと考えております。
4. さいごに
また、データサイエンスやDX(デジタルトランスフォーメーション)という分野でも、最近は色々な企業の方からお声がけ頂くことが多いです。もしこうしたキーワードに関心があれば、お声がけ頂ければと思います。
未だ学ぶことばかりではありますが、本センターを通じて広く社会に貢献できる研究が生み出せればと考えております。
関連リンク
・神戸大学MBA教授陣に学ぶ「経営学の実践知」
ビジネス課題の解決にあたる人財の育成を目的に、現代経営学研究所(RIAM)と共催で企画した、厳選した8科目を学ぶプレMBAプログラム。