「インスタ映え」に潜むリスク~自宅や名前が特定される?
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何気ない日常を映す写真や動画......個人情報のカタマリかも?
大切な子どもの誕生日。食卓の上のケーキを前に、笑顔でVサイン――。
たとえばそんな日常のワンシーンを、写真や動画に収めることは多々あるはずです。
それをInstagramやTwitter、FacebookなどのSNSに投稿している、という方もいるでしょうね。
でも、ちょっと待って! 一呼吸おいて、その写真を見返してみてください。
テーブルの端に、住所や世帯主名が書かれた郵便物が置いてあったりしませんか?
窓の外の景色に、その地域の特徴的な建物が写っていたりしませんか?
壁のカレンダーの書き込みで、家族たちの名前や行動予定までもがわかってしまうかも......。
「こんなところまで見てる人なんていないって!」と思うかもしれません。
しかし、その油断が命取り。
軽はずみな投稿一回で、あなたやあなたの大切な人の情報が、世界中に漏れてしまうかもしれません。
高性能カメラの機能をナメると痛い目に
最近は、一眼レフほどの画素数をもつ高性能カメラがスマホに搭載されていることが珍しくありません。写真はきれいに写したいものですが、それは同時に「人に見せたくないもの」までくっきり写してしまうのです。
以下に、SNSにプライベート写真を投稿するときに気をつけたい、代表的なリスクを挙げてみましょう。
リスク①:個人を特定しうる被写体の映り込み
上述の家族写真の例のように、ほんのささいな被写体が投稿者本人やその関係者たちの個人情報をばっちり伝えてしまう、ということはよくあります。
とりわけ、仕事中の職場内のようすを写真に撮って投稿する、などのことはもってのほか!
それは会社から指導を受けてしかるべし情報セキュリティ事案です。
机上の書類やパソコン画面に写るちょっとした文字列が、悪意あるサイバー攻撃者に、情報を与えてしまうかもしれません。
リスク②:データの位置情報
SNSの多くは、投稿に「今、どこから投稿しているか」という位置情報を添付できる機能がついています。
たしかに、投稿データに位置情報をつければ、いつどこに訪れたかを正確に記録できますし、
投稿を見た友人などに「今ここにいます!」と知らせることができますね。
ですが、たとえば位置情報とともに、自分の顔や今日の服装がわかる写真を一緒にアップしたとします。その投稿がきっかけで、写真を見た悪意ある人からストーカー被害にあう............そんなリスクがあることを、十分意識していますか?
スマホの「位置情報の自動記録」機能にも注意を
あわせて注意したいのが、スマホには「内臓カメラで撮影した写真・動画データなどに、GPSによる位置情報を自動記録する」設定がある、ということ(この機能は「ジオタギング」と呼ばれます。)。
この設定がオンになっていると、いくら物理的な「映り込み」に注意しても、たとえば自宅の位置や行動記録を、知らず知らずのうちに人に教えてしまうかも......。なんだか不安に思った方は、まずはスマホの位置情報設定のチェックを!
リスク③:自分が情報漏洩の「加害者」になる可能性も!
たとえば、大混雑のテーマパークで遊んだときに撮った記念写真や、
名入りジャージを着た子どもたちが写る、運動会などで撮った写真など。
不特定多数の人びとが映り込んでいるのに、そのまま自分のSNSにアップしてしまってはいませんか?
SNSへの軽はずみな写真投稿で、「他人の個人情報」を漏らしてしまっているかもしれません。
さらに、インターネット上に公開された個人が写る写真が、悪意ある人によってアダルトサイトや詐欺サイトなどに掲載され、悪用されたりするリスクもあります。そうして一度でも出回ってしまった写真は、インターネットの広大な海を漂いつづけてしまいます。......自分がその被害者になったら、どうしますか?
事実、昨今は「自分が写った写真を、見ず知らずの人や友だちが勝手にアップしてしまった!」という問題が「フォトハラ(フォトハラスメント)」と呼ばれるほどに、一般化してきているようです。場合によっては、「肖像権・プライバシーの侵害」などで訴訟に発展することだって、ないとはいえません。
そもそも他人が写り込まないように気をつけたり、写り込みがある場合はぼかしをかけたり、その部分だけを切り取ったり。友人・知人が写っていれば、「これ、アップしても大丈夫?」と許可を取ったり......。
そんな小さな心づかいが、お互いを守ることにつながります。
「インスタ映え」もいいけれど。SNSへのデータ投稿にはご注意を!
SNSへの写真投稿は、気づかぬうちに情報漏洩を起こしてしまう、代表的な要因のひとつ。
「大切な思い出の一瞬を、親しい人たちと共有したい!」その気持ち、すごくわかります。
でも、SNSへ写真を投稿する前に「ほんとうに大丈夫かな?」と、チェックしてみてください。
せっかくの幸せな気持ちが、投稿ひとつで台無しに......。そんな事態は、避けたいですよね。