人材教育
授業や研修はなぜ退屈なのでしょうか・・・。
本書はその原因を「間違った習慣」とし、より正しい前提に立った教え方、学び方のプログラムと、その際のヒントを提供するものです。具体的には以下のようなものが含まれます。
・学ぶことをより楽しくする
・想像力や創造力をかきたてる
・学びに適した環境や雰囲気をつくりだす
・学習者を完全に巻き込む
・学習者に挑戦のしがいのある方法を提示する
・学習者をより元気に、やる気にさせる
・学びを確実にかつ素早いものにする
・学びのコミュニティをつくる
書籍情報
吉田新一郎 著
『効果10倍の〈教える〉技術~授業から企業研修まで~』
(PHP新書、2006年)
今わが国主流の教え方、学び方は、産業革命とほぼ同時期に生まれた「工場モデル」と筆者は主張しています。 標準化や外部でのコントロール、ニンジンをぶら下げる・ムチで締めつけるといった行動主義的アプローチなど、全てがバラバラ・ブツギリで提供される講義中心のアプローチです。
この「工場モデル」を表す言葉としては、「真面目、暗い、退屈、楽しくない、閉じたシステム、競争、受け身な学習者」などがあり、 これら全ての点に関して、文部科学省(『21世紀を展望した我が国の教育の在り方について』「文部時報」平成8年8月臨時増刊号)もすでに認めています。 なんとか修正したいと思い始めているようですが、容易に軌道修正できるものではありません。
ではなぜ「真面目、暗い、退屈、楽しくない」学びが圧倒的に多いのでしょうか。 それこそ「習慣」としか言いようがないのです。 先生になる人や研修を企画・運営する人たちにそもそも「柔軟で、明るくて、笑いがあり、楽しい」学びの体験がなく、 「学びとはそういうものだ」との思い込みが、いつまでも生徒や受講者に「真面目、暗い、退屈、楽しくない」学びを強要している大きな要因としか考えられないのです。
約2,500年前に、あの有名な老子は「聞いたことは忘れる。見たことは、覚える。やったことは、わかる」と言い、 アメリカの研究者は「聞いたことは10%、見たことは15%、聞いてみたときは20%、話し合ったときは40%、体験したときは80%、教えたときは90%」と数値化しました。
これらの数字は教師や講師の本来の役割を表しています。 要するに、一方的に教師や講師が話すのでは、生徒や受講者はよく学べません。 生徒や受講者が話し合ったり、体験したり、さらには他者に教えたりすることによって、より確実な学びが得られる、と言うことです。
筆者は、よりよい学びをつくりだすための前提や原則を整理した上で、より効果的かつ効率的な学びをつくりだすためのプログラムとして、以下の流れを示しています。
(1)ひきつける(関心を喚起する段階 =「学びの主役」という意識を与える)
(2)インパクトのある「体験や情報」の提供
(3)「体験や情報」の振り返りと共有
(4)応用をする(練習する段階)
(5)プログラム全体の振り返りと評価
この流れは、私たちが意識しないで学ぶときには必ず使われている流れであり、世界共通と言えます。 赤ちゃんがおもちゃの使い方を学ぶとき、幼稚園児が自転車の乗り方を学ぶとき、そして大人になってから外国語や料理を学ぶとき、よりよいマネージャーになるときに学んでいるときなどです。 しかしながら、学校や社会教育・組織内研修などで私たちが意図的に学ぶときは、この流れが無視されてしまっています。
「学び」で大切なのは、教師や講師が言ったり、パワーポイントなどのメディアで何かを見せたりすることではなく、学習者が言ったり見たりすることです。 「学び」は教師や講師が語り聞かせることではありません。 「学び」は知識や情報の学習者による「消費」ではなく、学習者によって知識や意味が「生産」されることです。 そのためには、自分のものにするための練習の時間も必要となります。
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