事業継続計画(BCP)の作り方[5]事業継続計画の決定・文書化
最後に、作成した事業継続計画(BCP)を実際に運用するため、対策案とその文書化についてお伝えいたします。
対策案の洗い出し
想定される災害・事故に関するリスク分析の結果、ボトルネックが把握できますので、このボトルネックへの対策案を洗い出します。対策案洗い出しのポイントは、想定される災害・事故に応じて検討することと、短期的対策と長期的対策を区別して検討することです。
費用対効果の分析・評価
重要業務を復旧させる対策については、実施にかかるコストと期待される効果の分析が必要です。考えた対策案に対し、どのくらいのコストがかかるのか、計算しておきます。
事業継続計画の対策として決定
費用対効果の分析・評価を踏まえたうえで、今後の重要業務の推移など経営判断を加え事業継続計画の対策として決定します。
文書化~事業継続計画書
以上の内容をまとめたものを文書化します。なお、事業継続計画書のポイントは以下の通りです。
- 全体像が鳥瞰できること
- 考え方の軸(目的・ねらい)が明確であること
- 行動レベルまで落とされていること
- チェックリストとして利用できること
- ダイジェスト版があり、担当者レベルでもわかりやすいこと
- 指揮命令系統が明確にされていること
- 既存のマニュアルとの整合性がとれていること
以上、ここまで「事業継続計画(BCP)の作り方」をお伝えしてきました。大体のイメージがおわかりいただけたことと思います。東日本大震災での混乱を二度と起こさないために、改めて自社の事業継続計画(BCP)を見直しておきましょう。
インソースでは、この内容について、
◇事業継続計画(BCP)作成研修 ~基本編(1日間)
および、
◇事業継続マネジメント(BCM)研修 ~基本編(1日間)
という研修を実施しております。
「事業継続計画(BCP)作成研修」内では、今回ご紹介した事業継続計画(BCP)の作り方で、その場で実際に検討を行います。また、グループワークを通して隣の方の様子を知ることで、そこからの学びも期待できます。
公開講座もございますので、ぜひご検討ください。
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◆ インソースの「BCPの作り方・見直し方」シリーズ 記事一覧
- 東日本大震災での気付き
- BCPの作り方[1] 基本方針を作成する
- BCPの作り方[2] 重要業務を選ぶ
- BCPの作り方[3] 目標復旧時間(RTO)を設定する
- BCPの作り方[4] リスク分析・ボトルネックを把握する
- BCPの作り方[5] BCPの決定・文書化
- BCM(事業継続マネジメント)のすすめ
- BCP作成研修 わかりやすくご紹介