2020年7-8月号
コロナ禍により、多くの組織が業績低迷という危機を迎える中、ビジネスの現場で求められる仕事の仕方やスキルにも変化が生まれることが予想されます。参考とすべきは、近年の2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災ですが、その際には「変革」「問題解決」「業務改善」「生産性向上」「リーダーシップ」「リスクマネジメント」「チームビルディング」「営業力強化」などをテーマとした研修が増えました。ウィズコロナ・ポストコロナ時代にもこうした研修トレンドが生まれることが想定されます。
近年、AIやRPAの普及や、データサイエンティストの注目が高まるなど、DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する人材の育成の教育ニーズが高まっています。業績が低迷する中で、業務の効率化やビジネスプロセスの変革など、業務を根本から変革する合理化の動きに呼応した形で、DX人材育成の教育ニーズがさらに加速することが考えられます。インソースでは、日本独特の「理系」「文系」というアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を捨て、経営者から一般社員に至るまでIT、AI、データ分析、RPA等の効用、限界、費用、利用の前提などを知る教育プログラムなど、全社的にDX人材を増加させるための教育プログラムも公開講座に続々と投入しています。
危機的状況の中で、自社の組織分析や内部・外部の環境分析を行い、自社のコア事業やドメインを改めて見つめ直す「原点回帰」を行ったり、緻密な顧客ニーズに対応した顧客志向の商品・サービスの開発・提供がさらに進むことも予想されます。
また同時に、自社に長年蓄えられたノウハウやコンテンツといったナレッジを商品化しようとする動きなど、情報を活用した新しい新規事業も動き出していますが、幅広い分野での新規事業開発が活発になることにより、マーケティングや新規事業開発に関する教育ニーズが増えることも予想されます。
今、私達の日常生活には「三密」の回避、マスクの常用、手洗いの習慣化など、「新しい生活様式」が定着しつつあります。同じように、ビジネスの現場においてもリモートワーク、オンライン商談・会議などが、幅広い組織でニューノーマルとなりました。
インソースでは、これらの課題に対応した「ポストコロナ・ウィズコロナ時代」の研修タイトルを数多く開発・実施しています。7月以降も引き続き、この新しいトレンドに合わせた研修を実施していきますので、是非ご期待ください。
コロナを通じて突き付けられた、「デジタル対応の遅れ」や「過度なグローバル依存」がもたらす経営リスクを踏まえ、一変した経営環境の下で、どのように事業を立て直していくかを考える研修です。
本研修では、業務のプロセス分解と可視化、業務内容の標準化と明文化、オペレーション方法の確立など、在宅勤務を生産的なものにする上で不可欠なスキルをマネージャーの方に身につけていただきます。
「成果」を意識した働き方への意識転換と、その見せ方について学んでいただき、在宅勤務でも自身のパフォーマンスを正当に認めてもらえるようになるためのスキルを習得していただきます。
今回は、約11,200名の方(2020年3月末時点)にご回答いただいた階層別テストの中で、「中堅向け」テストの結果について、一部ご紹介します。
中堅向けの階層別テストの結果を見ると、「業績拡大」の平均正答率が低い上にデータのばらつき(変動係数)が大きいことから、正解している人とそうでない人の差が激しいスキルであることがわかります(図1)。「業績拡大」ではマーケティングリサーチから効果的な戦略を立てる必要があり、そのためには必要な用語や社会のニーズを知ることが重要です。このことから、中堅社員に対して「業績拡大」のスキルを身に付けるための機会をより一層充実させることで、さらなるステップアップにつながる組織が多いと考えられます。
その一方で「コミュニケーション力」、「チームマネジメント力」、「社会常識」については、平均正答率が高い上に変動係数も小さいことから、スキルを備えた中堅社員が多いことが分かります。これは多くの企業が教育研修を充実させていることが関連しており、「チームで業務を遂行する」力を有している中堅社員が多いと思われます。
ただし、チームマネジメントについて更に詳細に検討すると、「リスクマネジメント」の平均正答率が問題によって大きな差があり、正答率の低いものはデータのばらつき(変動係数)も大きいことがわかります(図2)。「リスクマネジメント」は各種の危険による不測の損害を最小の費用で効果的に処理するために必要なスキルであり、改めて教育機会を設けることが有用であると考えられます。
この様に、階層別テストの結果を全国的な傾向を踏まえつつ詳細に検討することで、自社の中堅社員のスキルに関する特徴をより鮮明に把握することが出来ます。下の例題のように中堅向けの階層別テストでは、コラムであげた「業績拡大」や「リスクマネジメント」の他にも「ロジカルシンキング」や「クリティカルシンキング」、「コーチング」、「ダイバーシティ」など中堅社員に必要なスキルを習得できているか、多方面にわたって調査することが出来ます。効果的な教育を実施するためにも、インソースの階層別テストを是非ご活用ください。
>2020年7-8月号の東日本PDF版ダウンロードはこちら(7/10更新)
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