2021年5-6月号
成人における学びの70%はその人の仕事経験によるものと言われているように(残りの20%は人の観察やアドバイスなど、10%は読書や能力開発の研修など)、経験は学びにおいて非常に重要です。
アメリカの教育学者であるコルブ氏は、経験に基づいた学習プロセスが、①具体的な経験、②内省的な観察、③抽象的な概念化、④積極的な実験の4つのステップから成り立つと定義しております。良い経験を積み、しっかりと振り返り、そこから教訓を引き出し実践し、さらにその実践した経験を振り返っていく......これを繰り返し、成長を図っていくというプロセスです。
経験から学ぶためには振り返りが重要ですが、そもそも経験から何かを学び取ろうという意識がないと、何も教訓を得ることができません。
そこで重要となるのが、経験を楽しむ好奇心とチャレンジ精神です。経験には良いことばかりではなく、時に難しい仕事や面倒なことを引き受けたり、失敗して恥をかいたり、苦労が伴ったりすることも多いです。しかし、新たな経験をマイナスに捉えず、「自分の新たな可能性を試す機会」として積極的に活用することが重要です。
自分自身に何が合うかは、自分の頭の中だけでは判断できないことも多いので、スタンフォード大学のクランボルツ教授が提唱するプランド・ハプンスタンス理論のように、偶然に身を任せて、その時できることを一生懸命頑張ってみるという姿勢を心掛けましょう。
経験はできるだけ自分ひとりで完結するのではなく、先輩、上司、時にはお客様といったように、他の人を巻き込んで行うのが効果的です。自分に肯定的なフィードバックだけではなく、批判さえも自分と違う考えに触れることができラッキーだと、柔軟に前向きに受け容れる姿勢が必要です。
自分の想定内の経験より、想定を大きくはみ出した、予定調和でないスリリングな体験の方が、得られる気付きや教訓が充実したものとなります。
「ローマは一日してならず」という言葉があるように、一人前のプロフェッショナルになるためには、ある程度の期間が必要となります。経験学習サイクルは、一過性の短期間のものではなく、何回も継続的にサイクルを回して、徐々に、らせん状にその円を昇華させていく必要があります。
経験から振り返り、成長する習慣を身につけましょう。
本研修では、入社してからの振り返りを行い、課題の整理と「みんな同様なことで悩んでいる」という安心感を持っていただき、離職リスクを軽減するとともに、ビジネスマインドの醸成を行います。
本研修では、社会人歴が10 年に満たない若い層のみなさまに、主体的なキャリア形成の重要性を知っていただくとともに、 他の受講者とのワークショップを通じて今後の展望を整理・明確化していただきます。
本研修では、「経験学習モデル」にもとづく面談とフィードバックの手法を身につけ、1対1での面談を通じて部下の主体的な成長を促す効果的な育成方法について学んでいただきます。
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