2019年03月号
慢性的な人手不足が続くわが国において、足りない人材をどうやって補うかは、今やどの企業にとっても経営の最重要課題の一つに違いありません。その有効な補完手段としてRPA の導入を検討するところも増えてきています。
RPA とは、ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略語ですが、その名の通り、業務プロセスを自動化することにより、人よりも高い生産性をもって業務を遂行できるところにその妙味があります。今、人の手でやっている業務をそのままロボットに置き換えることで、人手不足の解消を図ることもできますし、業務効率をアップさせることもできます。しかし、より高い生産性を期待するならば、従来の業務フローを見直した上で、ロボットが得意とする単純で連続的な業務を集約・再編した上でRPA を導入することが、その導入の成功のカギを握ることになります。
労働力不足と裏腹の関係にある「高齢化問題」への対応もまた、経営における重要課題の一つといえるでしょう。
高年齢者安定雇用法の施行により、再雇用制度を導入する企業は増えていますが、ここで問題として上がってきているのが、再雇用者に与えるべき「仕事づくり」です。かつては、再雇用者の多くは「望まれて働き続ける人」であり、定年時に在籍していた部署で引き続き業務に携わってもらうことが多かったと思われますが、60歳以降の雇用が半ば"義務化"された現在、すべての再雇用者に、もといた部署で現役世代と一緒に働き続けてもらうわけにはいかなくなり、引受先探しが問題になってきました。そこで、体力的負担が軽く、高度な判断や責任も求められない、"平均的な再雇用者"に適した働き場所を、新たに社内に作り出す必要が出てきたのです。
具体的には、単純な事務作業を集約した「事務センター」での勤務や、現役社員の「サポート業務」に携わってもらうといった取り組みがされていますが、ここでもまた、従来の仕事のフローを見直したうえで比較的単純な業務を集約し、再雇用者に与えるという「業務を再編する力」が問われることとなります。
こうした業務の再編は、RPA や再雇用制度の導入に限ったことではなく、パートタイマーや派遣スタッフを新たに活用する際においても求められることなのですが、いずれにしても、導入の狙いを「安価なリソースへの置き換え」にとどまらせず、より生産的な業務プロセスの"開発" に狙いを定めて取り組むことが高い効果を生み出すカギとなります。「とりあえず導入してから考えよう」というスピード重視の発想は、今の時代においてはむしろ歓迎される考え方とえいますが、拙速に動き出し、「導入することがゴール」になってしまわないよう、視点を高く持ち、戦略的に導入を進めていきたいものです。
RPAの導入に必要なことを一から学んでいただく研修です。まずは、「RPAとは何か」、「RPAでどのようなことができるのか」に加え、「どのような種類のツールがあるのか」、「費用はいくらかかるか」、そして「何から手を付ければ良いのか」などにもお答えします。本研修では、実際にRPAツール「WinActor(R)」を用いてシナリオの作成をいただきます。さらに、社内でどのようなRPAから手を付けていただければ良いのかについても 考えていただきます。※「WinActor(R)」はNTT アドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。
業務ノウハウが属人化してしまうことで、業務引継ぎに時間がかかりすぎたり、業務効率が悪化したりしてしまう問題が発生します。業務改善の手段およびノウハウ共有・業務標準化の手段として、マニュアル作成の考え方や具体的手法の習得を図ります。
業務フローの作成・運用は個別業務の属人化を防ぎ、衆知を集めての業務運用を可能にします。結果、業務改善や知識伝承、リスク管理が運用できるようになり、「業務改善しよう」という前向きな力が生まれます。本研修では、まず業務フロー作成の意味と作成方法を学びます。その後、特にリスク管理の観点から、実際に業務フローの作成方法を習得していただきます。非正規雇用の従業員の比率が高い職場や社員の異動が多い部署にとっては、特に役立つ研修です。
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