経営哲学
稲盛和夫氏が、どうすれば会社経営がうまくいくのかを、簡単でわかりやすい言葉にしたものが「経営12カ条」です。 本の帯には、稲盛氏の言葉で「これさえ守れば会社や事業は必ずうまくいく」と記載があります。 この「経営12カ条」は、京セラやKDDIの経営だけではなく、日本航空の再建でも大いに力を発揮しました。 そして大企業だけではなく、盛和塾という中小企業の経営者が集まる場でも多くの経営者が「経営12カ条」を実践し、成果が証明されています。
会社の規模は関係なく、全ての経営者、次世代を担う幹部(候補)が学ぶべき経営の原理原則が、「経営12カ条」に詰まっています。 この本は講話を元にQ&A形式で書かれており、稲盛氏の熱い思いを感じることができます。ぜひ、本を読み、稲盛氏に触れ、経営の原理原則を学んでみませんか。 心が熱くなり、今すぐ実践したくなること間違いありません。
■経営12カ条
第1条 事業の目的、意義を明確にする
第2条 具体的な目標を立てる
第3条 強烈な願望を心に抱く
第4条 誰にも負けない努力をする
第5条 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
第6条 値決めは経営
第7条 経営は強い意志で決まる
第8条 燃える闘魂
第9条 勇気をもって事に当たる
第10条 常に創造的な仕事をする
第11条 思いやりの心で誠実に
第12条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で
書籍情報
稲盛和夫著
『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』
(日経BP、2022年)
第3条「強烈な願望を心に抱く」では、潜在意識に浸透するほどの強く持続した願望を持つことの重要性が書かれています。 潜在意識にまで思いを浸透させるためには、達成したい売上目標や、利益目標を四六時中、どうすれば達成できるのかを常に考え続ける必要があります。 その思いが強ければ、思いは潜在意識の中に入り込み、新聞やニュース、街中で偶然出会った何気ない気付きでも、自社のビジネスにつなげることができます。 潜在意識に入っていないと、チャンスを逃してしまい、結果、目標にぎりぎり届かないということも起こってしまいます。 そして、この「強烈な願望を心に抱く」大切さを、組織全体で共有できているかも非常に重要です。 経営者だけではなく、管理職はもちろん、一般社員も一人一人が共通した思いを強く持つことで、高い目標達成の可能性が大幅に上がります。
営業活動に取り組む自分の役割に具体的に落とし込んでみると、管理職は、目標達成に向けて、まずは自身が毎日数字を追う。 そして足りない分をどうすれば達成できるのかを徹底的に考える。日々、各メンバーにも達成するためにあと少しこれをやっていこう!と働きかけていく必要があります。 週1や月末に、ルーティーン業務の一環で目標数字を眺めるだけではダメです。朝から晩まで起きている時間は常に考え、気付きがあればすぐに行動に移していくことが重要だと感じました。
第4条「誰にも負けない努力をできているか」では、マラソンに例え、地道にコツコツ、弛まぬ努力をしていくことの重要性が書かれています。
私は短距離走ではなく、マラソンに例えられているのがポイントだと感じました。 例えば、営業だとテレアポ件数、訪問件数のKPIがあります。今月の行動量が少ないと上司から叱られ、当月だけ頑張って1.5倍の行動量を上げたとします。 その行動に対しては、上司から褒められるかもしれませんが、1.5倍の行動量を翌月以降も続けていけるかが重要です。続けられなければ成果も上がりません。 1.3倍の行動量でも、翌月以降も継続して努力をし続けられると、必ず成果としても現れてきます。
本の中では、努力をしていますか?の問いに、「私なりに努力しています」と回答する経営者が多いと記載がありました。 ライバル会社も努力をしています。「私なり」の努力では、競争に負けてしまいます。「誰にも負けない」努力が重要です。 現状の自分が、「誰にも負けない努力をしています」と自信を持って答えられるように、行動していきたいと感じました。
第8条「燃える闘魂」では、経営にはあらゆる格闘技にもまさる激しい闘争心が必要と書かれていました。 例えば、同業他社の新商品が大ヒットした場合、「すごいな」と感嘆することもあるかもしれませんが、それではダメです。 悔しい、次は絶対に負けないという強い闘争心を持ち、更なるモチベーションにつなげていくことが重要です。
目標達成についても同様で、例えば月次の目標が達成できなかった場合、「達成はできなかったが、みんなはよく頑張った、仕方ない」というようなリーダーはダメだと記載があります。 達成できなかった場合は、「なにくそ」という強い精神を持ち、そのメッセージをリーダー自らが発信する必要があります。 「今回達成できなかったことは本当に悔しい。次回は必ず達成しよう!そしてそのためにこれをやっていこう!」と奮い立たせるような言葉が必要です。 そして、この言葉の裏には、日常からの願望の強さ、そのための誰にも負けない努力があります。
稲盛氏の言葉を読んで、オリンピックで金メダルが取れなかった選手がインタビューで涙ながらに悔しさを語っているシーンが、まさしく同じではないかと感じました。 金メダルへの強い思いと、そのための誰にも負けない努力がないと涙は流れないと思います。
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