インソースは現在、3つの県と2つの自治体で、研修を運営含めて一括受託しています。そのうち4箇所では社員が毎日職員の方に混じって働き、皆さまと一緒に研修運営をさせていただいております。
研修運営をしていると、受講生は様々な方がいらっしゃいます。その中で、特に車椅子の受講生がいらっしゃったときの対応方法を、設営面と対応面に分けてお伝えいたします。
どこまで補助が必要かを本人に確認する
まず前提として、どこまで補助が必要かをご本人に確認しておきます。必要以上にこちらが気を遣いすぎると、かえって恐縮をされたり、「自分が迷惑をかけてしまっているのではないか」という思いを抱かせてしまいます。
大事なのは、「特別感」を出さないことです。もちろん、不便を感じていただいてはダメですが、あまりにも「特別扱いをしている」という印象を与えては良くありません。最初に一言かけておくだけで、適切な関わり方をできるようになります。
設営面~机・人の選び方、交通手段の確認
1.いつもより長い机を用意する
研修の際、使う机は様々だと思いますが、車椅子の方が着席される席の机には、普段より長い机を用意するようにしましょう。椅子の切り替えしには思った以上にスペースが必要です。また、席次の決定にも心配りを忘れてはいけません。
ここでも大事なのは特別感を感じさせないことです。例えば、みんなが2人がけで座っているのに自分だけ1人がけ、というのは疎外感が増してしまいます。仮にいつもは2人がけの机に2人がきっちりと座っているなら、車椅子の方がいる場合は、3人がけの机を用意して、2人でかける、などの配慮が必要です。
さらに細かい部分では、椅子をあらかじめどけておく、なるべく出入り口の近くに席次を決める、なども配慮のポイントです。
2.補助する人員を決める
次に、補助する人員を決めておき、当日朝の段階で声をかけておきます。この補助する人員は、「受講生の中から」選ぶのがポイントです。また、配席で近くの人に依頼します。すぐに声をかけられるようにするためです。
場合よっては、同じ部署などで気の置けない仲の方が一緒に受講していることもあります。そのような場合は、車椅子の方も安心をすると思いますので、補助をその方にお願いをするなど、人員の選定は臨機応変さも必要です。
3.会場までの交通手段を確認しておく
自動車で会場にいらっしゃる場合、車の乗り降りや駐車場から会場までの移動に補助が必要か、なども確認しておきます。また、雨の日であれば、傘を差して車までお出迎えをする、などの小さな心配りも大事です。
対応面~障がい者用トイレの確認
障がい者用トイレの場所をスタッフが把握しておきます。これは必須です。障がい者用トイレが研修室から遠くにしかないケースもあります。その場合、休憩時間が例えば10分間あっても、時間中にトイレにいくのが難しくなります。トイレに行っているとどうしても開講に遅れてしまう、などのことが想定されます。その情報は、講師にも共有しておきましょう。
このような形で丁寧に対応させていただいたところ、車椅子の受講者さまからは、わざわざアンケートに感謝の言葉をいただくなんていうこともありました! 何度も言いますが、ポイントは「不便さを取り除くこと」であり、「特別扱いする」
ことではありません。
不便さを感じさせないようにお手伝いをする、これはどんな受講者の方に対してでも同じことですよね。ぜひ参考にしていただき、受講者の皆さま全員が研修を受けやすい、環境づくりをしてください。