関西マーケティング道場(2回目・11/17)実施のご報告
関西マーケティング道場の第2回目が11月17日に開催されました。今回は、神戸大学大学院経営学研究科の小川教授にご登壇いただき、「オープンなマーケティング」について、最新事例を織り交ぜながらご講義をいただきました。
今回は、事前に参加者の皆さまに課題を出させていただき、本セミナーに臨んでいただきました。課題の内容は、ある化粧品メーカーのジリ貧商品が、一躍ヒットに商品になるまでにとられた様々なマーケティング施策について、あなたがその事業担当者の上司だったら、GOサインを出せただろうかというもの。従来のマーケティングの定石から考えると、いずれも真逆の発想によって進められた一連の施策は、消費者の動きや考え方が以前とは変わってきていることを改めて実感させられる内容でした。
小川教授のいうところの「"他力"のマーケティング」とは、メーカー側が意図しないところで商品に対する熱が一部の消費者の間で"勝手に"高まっていき、それがSNSなどを通じて広がっていき、それを見つけたマスメディアに紹介されて大ヒットする、というようなもので、現代のヒットの一つの特徴になっているということでした。例えば、ロンドンオリンピックで金メダルを取った際に、内村航平選手が「食べたいもの」として挙げたあるお菓子が、その後大ブレイクしたように、きっかけはメーカー側の意図しないところで起こることが多く、これを「計算づく」でやろうとしても、消費者はすぐに見抜いてしまうということでした。
午後からは、マーケティング道場恒例の、自身の企画案を引っ提げての"乱取り試合"を行いました。今回は、ある関西地方にある実在の健康食品メーカーを取り上げ、この会社のマーケッターになったつもりで、商品マーケティング企画を考える、というものでした。長く続く老舗企業で、息の長いドル箱商品を持っているが、客層が限定されており、世間一般になかなか認知度が広がっていかない。そこに、オープン・マーケティングの要素を取り入れつつ、斬新なアイデアで企画案を考えていただきました。
メーカーが恐らくあまり認識していないであろうマーケットに向けて、現行商品をユニークな形にアレンジして展開していこうとするアイデアは、セミナーの演習題材のままで終わらせるのがもったいないくらいのものもあり、大変レベルの高い"乱取り"となりました。小川教授も、実際にその商品が見たくなったということで、セミナー会場近くにあるドラッグストアに何人かの参加者と一緒に行かれ、帰ってきたときにはその会社の商品が入った袋が手に提げられておりました。それらの商品は、そのあと投票で選ばれた、最優秀企画案を提出した参加者の賞品にしていただきました。
今回のマーケティング道場も、大変刺激的で充実した内容となり、参加者の皆さまも、脳みそに良い汗をかいていただけたようでした。
※次回は12月8日(土)の開催予定で、テーマパークなどでの企画部門を歴任されてきた菅野聡之氏による「エンタテインメント施設への集客から学ぶプロモーション施策」をテーマに実施する予定です。
関西マーケティング道場 実施のご報告
・「企業における新規事業、新商品開発の発想の技法と進め方」実施のご報告(1回目・10/13)
・「エンタテインメント施設への集客から学ぶプロモーション施策」 実施のご報告(3回目・12/8)
・「『ポッキー』ブランド50年の歩み」実施のご報告(4回目・1/26)