関西マーケティング道場 「『ポッキー』ブランド50年の歩み」実施のご報告

関西マーケティング道場 「『ポッキー』ブランド50年の歩み」実施のご報告

関西マーケティング道場(4回目・1/26)実施のご報告

関西マーケティング道場も第4回目を数え、今回は、江崎グリコの"名物マーケッター"の小林正典氏をお招きし、ベストセラー商品の歴史や販売促進戦略の考え方についてお話いただきました。

◆「シーン」に着目して新たな需要を創造

誰もが知る江崎グリコの代表商品である「ポッキー」は、もともとは子供を主たるターゲットにしたお菓子として発売されたそうですが、

その後、「ポッキー・オン・ザ・ロック」のようにお酒と一緒に食べるシーンや、「旅にポッキー」のように女子大生が旅先で食べるシーンを提案するなど、当時としては斬新なマーケティング手法を駆使してその顧客層を広げていったということでした。

また、「11月11日はポッキーの日」のように、記念日を使っての販売促進でも先駆的な存在ということで、あのロングセラー商品はまさにわが国のマーケティング手法の歴史を体現するような商品だったのだと、あらためて納得させられました。

◆新しい切り口を見つけるためには「インサイト」が重要

お話の中で小林氏の口からたびたび出てくる言葉に、「インサイト」というマーケティング用語がありました。

これは、お客様がまだほとんど自覚していない欲求に起因する兆しを見つけ出し、それをカタチにしていくことを意味するそうで、実際にこれを見つけることは、小林氏をもってしても、非常に難しいということでした。

しかし、これに気付ける能力は、マーケッターにとって必要不可欠なものであり、街を歩いていても、またテレビを見ていても、常にこの視点を意識していることが大事ということでした。

◆セグメンテーションにおいてもプロならではの厳しさが

後半は、関西マーケティング道場恒例の、実例を使ってのマーケティング企画案作りのワークショップを行いました。

実在するヒット商品を題材にし、さらなる販売拡大を狙っていくためのマーケティング戦略を考える、というもので、まずはマーケットを縦横2軸の切り口でマトリックス表を作り、セグメント分けをしてみようということになりました。

そこで、「学生と社会人と主婦・・・」みたいな"ありきたりな"分け方をしようとすると、小林氏から「その区切り方に本当に意味があると思う?」と、厳しいツッコミが。

みなさん、最初は楽しそうに議論していたのが、次第に顔つきが真剣になっていき、議論も白熱していきました。

◆「この商品のターゲットはこの層」と最初から決めつけない

「この商品は女性にしかウケない」「これは若者向けの商品」というように、現在の商品を固定的に捉えてターゲットを限定しないことも重要だと教えていただきました。

その先入観をゼロベースに戻すためにも、マーケットを抜け漏れのない分け方でマトリックスに表し、すべてのセグメントを一通り洗ってみる意味は大きいということでした。

実際、今回の企画案コンテストで優勝した方のアイデアは、「女性が主たるターゲットであるダイエット食品を高齢者向け商品にアレンジする」というもので、今とは真逆の位置にいるターゲットに展開したら・・・という発想から生まれたものでした。

他にも魅力的な企画案が次々と発表され、今回も、皆さん、脳みそに「いい汗」をかいていただけたようです。

関西マーケティング道場 実施のご報告

・「企業における新規事業、新商品開発の発想の技法と進め方」実施のご報告(1回目・10/13)

・「最新事例を通じて学ぶマーケティングの基本」実施のご報告(2回目・11/17)

・「エンタテインメント施設への集客から学ぶプロモーション施策」 実施のご報告(3回目・12/8)






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