受講者が「受講したい」と思っている研修を実施できることもありますが、受講者が「なんで私たちが受けなきゃいけないの?」と思いながら研修をするときもありますよね。受講者の皆さまがこういう意識のまま研修が進行すると、間違いなく失敗してしまいます。
研修前に意図を伝える
やっぱり王道は、研修前に一言、研修ご担当者さまに研修実施の意図をしっかりと伝えていただくことです。ここでうまく受講者の方に伝わると、スムーズに進みます。人によって、「誰から言われたら納得できるか」が違うので、受講者に合わせてご検討いただくと良いです。例えば、若手・中堅社員であれば、上司の方から一言意識づけいただくと良いです。管理職の方であれば、社長さまや支店長の方など偉い方に簡単な講演をいただくのも効果的です。
「指導するときに必要」と伝える
「今さら感」がある場合は、研修ご担当者さまや講師から「指導するときに必要」というニュアンスをお伝えすると良いです。例えば、私の電話応対が悪く研修を受けなければならなくなったとき、「電話応対基礎研修を受けてきて」と言われると、ムッとしますが、「後輩に教えられるように」と言われれば、素直に受講できます。
立場を変えて考えるワークをする
自分たちで気づいてほしい場合、グループワークに工夫をするようにしています。例えば、私たちが3年目研修として、いきなり「プレゼンテーション研修」をやらされたら、ちょっとびっくりします。「みんな担当業務も違うし、話す仕事でもないのに、なんで今プレゼンテーション研修?」ということになります。
こういうときは、研修内で
「あなたが上司だったら、3年目社員にどのようにしてほしいか?」
「あなたが後輩だったら、3年目社員にどのようにしてほしいか?」
というワークをします。
そうすると、話し合っているうちに
「自分が上司だったら、きちんと話してほしいと思う」
「自分が後輩だったら、簡潔にわかりやすく教えて欲しいと思う」
というような考えが出ます。自分達で納得した上で、「3年目社員だからこそ、わかりやすく話す力が求められている。だから今プレゼンテーション研修なんだな」と研修に入っていけるようになります。
【「多面的に考える」が第一歩】
外部環境の変化から入る
例えばリーダーにコミュニケーションの重要性を意識づけしたい場合、これも「今さら」感が出てしまいます。こんなときは、外部環境の変化を丁寧にお伝えし、それに伴って変化する必要があるものの1つとしてコミュニケーションをお伝えする、というパターンもあります。(その様子はこちらから)
このような工夫で、学びの多い研修になるよう、受講者の意識を把握しておきましょう。