営業担当者のコストは意外と高い
~できる営業パーソンはコーヒーショップに立ち寄らない
上司にいくら提案をしても、ことごとく却下され、「自分は上司に嫌われているんじゃないか?」と落ち込んだことはありませんか?
自分の提案を通すためのコツがあるんです!
銀行員時代に同じ経験をした社長の舟橋が、その対策とヒントをお教えします。
営業をやっている時の話ではないですが、私も銀行員時代、同様の経験があまたあります。何度、提案してもダメ。
本当に悲しくなりました。私が当時考えた事は、
今、上司の立場になって考えてみると、どれも1%ぐらいは当たっていますが、99%は違っていると感じています。
上司はそれほど部下の事を悪く考えていないものです。
「提案はうれしいけど、少し的が外れているな、惜しいな」というのが本音だと思います。
過去の私を振り返ってみると、
という状況だったと考えています。
でも、その苦い経験から数年すると、不思議なくらい、何でも通り始めました。
上司が変わったか?いえいえ、変わっていません。
私がキャリアを積んで、対応できる様になったのです。
その苦い経験からアドバイスさせていただくと、上司から案件の承認を得られないときは、
下記のポイントに従って、自分の対応を振り返ることをお勧めします。
上司はいつも近くにいますが、意識して対策を練るべきです。
「どうしていつも却下されるのか」その原因分析と対策検討、その対策実施が必要です。
(1)「上司が別の観点を重要視している」と気づいたら(原因)
→説得の論法や案件自体のお落しどころを変える(対策)
(2)「案件自体への熱意が足りない」、「押しが足りない」(原因)と思ったら
→今までよりあきらめ悪く、粘る(対策)
(3)そもそも、自分のやることは全部気に入ってもらえない(原因)としたら
→コミュニケーションを取るようにして、好かれる努力をする(対策)
あなたは上司の観点で見直した対策を徹底」して実行していますか?
これは単に「考え(てみ)た」だけでは不十分です。
どこかで「私がこう思ったから・・・」といつもどおりの観点に戻ってしまっていませんか?
対策そのものが上司の観点の添っていますか?
対策が作戦どおり実行されていますか?
ここまで準備をしても、すぐ一発OKがもらえるようになるとは限りません。
これを繰り返して上司への提案や意見具申を練習し、だんだんに打率を挙げていきましょう。
また、上司も人の子ですから好き嫌いがあります。
また、人は接触回数が多いと好感をもつと言われています。
よそよそしくせず、却下にめげず、明るく笑顔でコミュニケーションを取りましょう。
そうです。お客様と接する時と同様の注意が必要という訳です。
上司対策もお客様対策と同様に、良く考えて、徹底して、対応すること。
私がインソースを創業し始めた頃、1週間に200本以上の電話営業をしていました。
しかし、ほとんどのお客様が「お断り」でした。
「ニーズがありません」「御社にお話することはありません」
「入札基準を満たしていない」「御社のメリットを教えてください」
「結構です」「忙しいんだこの野郎!」「いい加減にしてください」
・・・などなど、正直、へこみました。
幸い、お会いいただいても、大抵の場合、同様の理由でお断りとなりました。
大きな壁を毎日感じていました。
営業活動の基本は「お断り」への対処です。
ほとんどの商談は「お断り」となってしまいます。
この「お断り」から、一歩踏み出してアプローチしていくのが、「営業活動」です。
お客様は「なんとなく嫌」とか「先に会った営業担当者の方が好き」
もう、先に決めた会社があるから」「なんとなく、怪しそう」などを理由として、お客様は断ってきます。
しかし、お断りの理由は希薄な場合が多々あるのです。
そんな時は、自社とライバルを、一つ一つ比較してもらうと説得しやすくなります。
そうすると、自社のメリットが見えてきて、逆転の可能性も高まります。
「お客様に請求書を持って行くのを1ヶ月も忘れてた・・・」
営業担当の方なら一度や二度ぐらい必ずこんな事があると思います。こんな場合、上司だけでなく、経理担当者に小言を言われることになります。理由は、経理で面倒な事務作業が増えるからです。
例えば、請求書を渡し忘れてしまった場合、どのぐらいの事務コストが発生するのでしょうか。経理担当者からお客様に速達やバイク便で再送付して、支払いのお願いの電話を入れてもらう。これだけで、大体2千円~4千円ぐらいのコストが掛かります。
したがって、渡すものを渡して、貰うものはきちんと貰ってくる人、余計な仕事を増やさない人、そういう営業担当者は、会社全体のトータルコストが低くなるので、会社全体で歓迎されます。
その場で判断するのではなく、可能であれば、お客様に時間を頂戴して、会社の先輩や上司に知恵や力を借りて、逆転する方法もあります。
特に「価格」など、負けている点が明確な場合には、上司の判断を仰ぎます。場合によっては、好条件が出せる場合があります。
私自身、「お断り」後、ねばって切り返すことを、あまりやりません。
その理由は、以下の通りです。
また、激しくアタックしすぎて、心象を悪くし、二度とお取引いただけなくなることも不安です。
それよりむしろ、「お断り」の後、長期的にアプローチし続けて、最終的に案件をいただくのが得だと考えています。
ですから、不利な場合には、「きれいに」負け、人間関係が継続するようにしておきます。
「お断り」については、お客様も実は「痛み」を感じています。
また、後味の悪さを感じています。
「もっと予算があれば、買ってあげるのに」
「上司が反対しなければ、買ってあげたのに」
と思ってくれています。
ですから、お断りの後は、こちらが努めて明るく、継続的に「その後いかがでしょうか?」とのフォローを欠かさないようにして、次のチャンスを待つのです。
フォローを欠かさなければ、一定の時間の中で、新しいチャンスは必ず現れてきます。
そして、必ず売れていくものです。
実際、私のお客様には、数年前にご提案した時には断られた方が非常にたくさんいらっしゃいます。
お客様は断った後もじっとみなさんを観察してくれています。
「またアプローチしてきたら買ってあげよう」と考えているお客様が実に多いのです。
私は、「長期戦」をセールスの基本にしています。
「お客様の気持ちと事情は変わる」と肝に銘じて、電話などで継続フォローを欠かさないようにすれば、「にこにこしながら」お客様は待ってくれています。
断られたら、当然、切り返す。しかし、だめなら、きれいに負ける。
そしてフォローを継続して、次のチャンスを待つ。
「営業」の仕事をやっていると話すと、「大変だね、大丈夫?」と心配された方も多いのではないでしょうか。
営業の仕事に対するイメージは、
などが一般的なものではないでしょうか?
しかし、20代半ばのころ、ある理系の同期がこんなことを言ってました。
彼の非論理的な話は私の脳裏に深く焼きついています。
「理系エリートが、営業で苦しい思いをしているのになんで楽しいの?」
当時の私は、SEで技術者として働いて、よく意味が分かりませんでしたが、今ではその気持ちがよく分かります。
キツイ事もありますが、「営業は楽しい」のです。
「会社を背負ってお客さまと相対する使命感」「組織の自分に対する期待」「明快な評価」「自由」この味をしめたら、営業の仕事はやめられません。
そもそも営業担当者はどのような仕事や役割を担っているのでしょうか。
初めての方は不安でいっぱいでしょうから、まずはその説明からしたいと思います。
(1)ニーズを探す:
売っている商品・サービス(以下商品)に対して、買いたいと考えている顧客を探してくる役割
(2)購入を決断させる:
商品について説明し、購入を決断させる役割
(3)販売条件の決定:
取引や販売条件(価格、納品日、支払い条件等)を顧客と自社内と調整しながら決める役割
(4)販売条件の徹底:
自社内と顧客と両方に約束した内容を守らせる役割
(5)納品する:
商品を期日までに確実に納品する(させる)役割
(6)代金を回収する:
販売代金を確実に回収してくる役割
(7)アフターフォロー:
購入後、製品の使用方法などのサポートし、問題があれば、すぐに解決に動く役割。
また、使用状況の調査をして、製品やサービス開発にフィードバックする役割
(8)継続的な取引活動の維持:
一回だけの取引ではなく、継続した取引活動を維持していく役割。
顧客の新たなニーズを拾い集めて、開発部門などにフィードバックしていく役割
・・・など、営業の仕事は極めて多岐にわたっています。
一般的には、(1)ニーズを探して、(2)購入を決断させて、(3)販売条件を決めること、が営業の仕事と思われがちですが、実は、もっともっと広い範囲の仕事をする事が求められます。
「私は、そもそも、商品開発がやりたかったのに、営業部門に回されて、残念だ」と思っている方も、問題ありません。
ほとんどの企業で営業担当者は営業活動を通じて、商品開発を普通に実施しています。
まずは営業の仕事の概要を理解し、組織の一員として貢献できる方法を考える
(新人営業からの相談)
ITシステムの保守提案の際、ハードウェアやソフトウェアごとに対応内容や対応時間が異なるため、細かく説明をする。
それでも実際に障害が起きた際には私に連絡があり、
など、一度説明した内容について質問や苦情をもらうことが多く、正直困っています。
営業はスポーツとか芸事、武道などに似ています。
会った瞬間に「できる」「できない」が見えるものです。
みなさんも会った瞬間に「この人できる!」と思った事はないでしょうか?
そのポイントはというと、おそらく、「外見」、「振る舞い」ではないでしょうか?
中身で勝負と言いたいところですが、自分のビジネス能力が高い事を相手に見せる上で、「外見」「振る舞い」は極めて重要です。
特に30歳を超えて営業に出る場合には、歳相応の振る舞いができることが極めて重要です。
多くの人がココで失敗しています。
まずは、第一声の言葉です。
「本日、お時間を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます」
と言うのが普通だと思います。しかし、実は、話している内容に関しては、お客さまはあまり聞いていません。
お客さまが気にしている所は、以下にあげたような話し方、表情、しぐさなどです。
自信あふれる声でよどみなく言えれば、「力」がある人に見えます。
かむのはNGです。経験の少なさがばれてしまいます。
顔だけではなく、目も笑っている方が喜ばれます。
親しみを表現できるのは笑顔、特に目が笑っていることです。
今日お会いできて、人間として嬉しいということを表してみましょう。
「目に力がない」のは営業として、弱いです。
「声が大きいだけ」では、優秀には見えません。
人はできるだけ、優秀な営業担当者から買いたいのです。
営業における名刺交換は、もう、恐ろしいくらいに、ビジネス能力が出ます。
勝てる名刺交換である事が絶対必要です。
もう、武道の勝負ぐらいの気持ちで毎日やっています。
私の考える名刺交換のポイントは、
手はまっすぐに伸ばして、お辞儀しながら、相手のひざが見える程度に頭を下げつつ、渡します。
30度ぐらいに腰を倒して渡します。この姿が美しいのが理想です。
みなさんが商談で説明する話は、相手にとっては、今日、初めて聞くお話です。相手の理解度を確認しながら、「ゆっくり」かつ「区切り」を明確に話しましょう。
初めて聞く話は理解するまでに時間がかかります。
相手に理解するための時間を「意識して」とりましょう。
営業担当者の仕事は、お客様にご理解いただくことです。
特に注意するのは、提案書などをベースに説明していて、ページを変えるところです。
そんなときは、提案書の章立てに合わせて区切りながら話すと、大変わかりやすくなります。
「今までのところでよろしいでしょうか?」と理解度を確認するということです。
商品を理解せずに購入するお客さんはまずいません。
専門用語はできるだけやさしい日本語で言い換えるようにしましょう。
特に、IT系、外資系、金融系の方は、自分たちの「常識」は世の中の「非常識」と心がけましょう。
繰り返しますが、商品を理解させることなく売ることはできません。
30秒以上一方的に話すのは絶対に不可です。
相手との「アイコンタクト」、「問いかけ」を随時入れながら、相手の理解を待ちましょう。
話すのが得意だとか、ディベート大会で一番になったっていう方が実社会では営業が下手だったりします。
営業担当者として、一番必要なのは相手のことを考えて話すことです。
相手を論破することより、相手に気に入られるとか、相手に深く理解される事が営業担当者としての話し方には重要になります。
真摯な態度で、社内・部署内での共感をよび、力を借りて大きな仕事を行う。
(20代後半営業からの相談)
どんどん新規開拓をしているのですが、継続してお取引きをしてくれるお客様ができません。
数多くのお客様にアプローチをしているのに、どうしてよいお客様に当たらないのでしょうか?
私は運が悪いんですかね?
お客様に新たに商品・サービスを購入してもらう際には、営業担当者である自社・自分を認知してもらう事が重要です。
何回もアプローチしているうちに、あるタイミングでお客様は自分を「認知」してくれます。
そのレベルまで、アプローチを続ける必要があります。
「認知してもらえたからといって、すぐには商品・サービスは売れません。
新規のお客様にアプローチを始めて、すぐ商品が売れることは奇跡です。
私の経験では、ごく稀にしかありません。
まず、営業として成功するためには、「商品はすぐ売れない」という事実を知ることです。
お客様は合理的な理由がないと買いません。
お客様には「買いたいタイミング」というものが存在します。
それは、自社や自分のことが認知された、すぐ翌日かも知れませんし、1年後の場合もあります。
よって、売れないからと言ってすぐにアプローチをやめてはいけません。
"できない"営業担当者はせっかく認知していただいたお客様を「放棄」し、販売する機会を失っています。
私はこれを営業の「悪循環」(悪い再生産)と呼んでいます。
できない営業は、次々と新しいお客様にアプローチし、「途中で放棄」するということを繰り返しています。
新規獲得の第一目標は、まず、自分を「認知」していただいたお客様を、いかに多く作るかということだと思います。
極端に言えば、「売れる」のはただの「結果」であり、認知活動と認知した後のフォローを確実に行っていれば、おのずから良い結果は生まれます。
私は、新規客に対して、電話営業をするのが好きです。
当然、「ガチャン」と切られます。
少し、辛い気持ちが起こってきますが、全然、気にすることはありません。
そこからが営業のスタートです。
幸いお客様は当社を、私を認知し始めました。
私には、数年後、当社のお客様になっているのが手に取るように見えます。
一つ一つの営業結果に一喜一憂せず、アプローチを「続けること」が重要
まず、大切なのは、自分の会社が「何を売っている会社」なのかを、会社のご担当者や、ニーズが発生する部署に認知していただくことです。
ですから、法人への代表電話でのアプローチを例に取ると、「○○を扱っております××でございます。ご担当部署におつなぎいただきますようお願い申し上げます」と伝えます。
これで該当部署につないでいただけたら「ラッキー」です。
しかし、当然、つないでいただけない場合が多いでしょう。
一定の間隔で1ヶ月に3回程度架電し、3度アプローチして、担当者につないでもらえなかったら、当面あきらめます。
その時は、ニーズがないか、お金がないかどちらかだと、私は考えます。
深追いして、「永久に電話してくるな」と怒鳴られるより、半年後にアプローチするために、キープしておきます。
担当者とお話しできた場合、次の電話から、会社名は認識してもらえるようになると思います。
そして、普通3度目の電話で多少、情報が取れるようになると思います。
内容ではなく、アプローチした回数がポイントです(回数は私見です。商品・サービスごとに多少異なると思います)。
「会社名と業務内容はわかった。だけど怪しいな」
これがお客様の本心ではないかと思います。
次は自分を信用していただくことです。
「信用を得る」ためには、お客様のニーズをひたすらお聞きし、それに対して、「適切な小さな提案をする」ことにつきます。
お客様は「自分の要望に対して、答えてくれた」ことで、評価してくれます。
これができて、はじめて会社名と名前を覚えていただけるのです。
ポイントは、個別具体的な提案をすることです。
ただ、ニーズが具体的になっていない場合はどうでしょうか?
そんな場合は、こちらから、当たりをつけた提案をします。
先方の課題に則した提案をすればご評価いただけることになります。
ここまでくると、○○株式会社の××さんという風にお客様は認識しています。
よって、電話ではなく、訪問も許してくれるのではないでしょうか(これで4~5回目のアプローチということになるでしょうか?)。
ただ、この時点では大半「お断り」だと思いますが。
こんなやり取り(電話、メール、訪問)を数度実施していくうちに、お客様からは「××さん」と呼んでいただけるようになります。
たぶん、7回目のアプローチぐらいではないでしょうか?
めでたく、お客様はあなたを「認知」したのです。
こうなったら、売れる準備はOKです(見込み客と言っていいです)。
実は、私の言いたいことはここからが本番です。
お客様にせっかく名前を覚えていただきながら、大半の営業担当者はこの時点でセールスを断念していることが非常に多くあります。
理由は「売れないから」です。これは実にもったいないことです。
最初に申し上げたようにお客様に「ニーズ」がないと売れません。
仲良くなっても、「ニーズ」がなければ、全然売れないのです。
これは当たり前のことです。ここでやるべきことは、ニーズが生まれるのをひたすら「待つ」ことです。
お客様に忘れられないように注意しながら待つのです。
具体的には、定期的にアプローチを継続しながら待ちます。
だいたい年4回程度、アプローチを続ければ、お客様に忘れられることはありません。
密度は薄くなっても、アプローチを続けることです。
そして、ある日突然、お客様にニーズが発生します。
お客様は思い出します。
「彼は××を売っていたな、ちょっと問い合わせてみよう...」
このニーズに的確に対応すると、非常に高い確率で売れます。
アプローチを始めて、1ヶ月後かもしれませんし、半年後、1年後、場合によっては2年後かもわかりませんが、めでたくご購入となるわけです。
「そんなに待てるか!いいかげんにしろ!」とのお叱りの声が聞こえます。
でもこれが最高に楽で、確実な方法なのです。
見込み客をひたすら増やして待つことは、特別なテクニックもいらないし、じっくり攻められるとっても簡単な方法です。
自社・商品・自分を認知してもらい、フォローをしながら、来るべき「ニーズ発生の日」を待つ。
(20代前半の営業からの相談)
私の尊敬するある先輩営業担当者が、数字の上がらない私に、営業のポイントをユーモアを交えてわかりやすく教えてくださいました。
先輩:「学生時代、同じ列車で通学する好みのタイプの異性がいた場合、
などと、頼まれもしないのにいろいろと想像したでしょ。
その熱意で、商談の相手であるお客様を調べるんだよ。
それこそが『訪問準備』なんだよ」
人はだれでも、自分のことを知る「他人」には興味を持つものです。
特に、自社のファンとか顧客と言われれば、悪い気はしません。
たとえば、私は鉄道や乗り物がとても好きなのですが、乗り物系企業のお客様との商談に臨む際には、そんなことが幸いしています。
おかげさまで現在の会社では乗り物系のお客様が非常に多くなっています。
私が好意を持っていることが自然に伝わるようです。
好意を持つ第一歩がいろいろ想像して、調べることなのです。
お客さま訪問をする前に、その会社で扱っている商品を把握しておくと、商談が弾むほか、お客さまの会社の特徴や内情がわかり、それをふまえて自社の商品やサービスのメリットを説明することでセールスが簡単になります。
私は実際にお客さまと会う前に、その会社が提供している商品やサービスをなるべく利用・購入するようにしています。また、時間に余裕があれば、同業他社の商品やサービスの知識もつけておきます。
何より大切なのは、お客様のことを自分自身で「感じること」です。
そうすれば、自分の話に自信を持つことができ、また相手の心も強く打つことができます。
新商品、新サービスが出る、新規出店などがあるということは、新聞やテレビから知ることが多いのではありませんか?
なにとはなしに見る新聞・TVでも、その企業に好奇心をもって、見ていると、どんどんその企業の記事やニュースを発見するものです。
また、業界動向、市場動向などもお客様を知る手がかりになります。
まず読んでおきたい新聞が「日本経済新聞」です。
この新聞は、「日本株式会社の社内報」と呼ばれています。
ほとんどのビジネスパーソンが読んでいます。
また、財界人などの半生をつづった「私の履歴書」などは、生き方の教科書ともいえます。
そして、「日経産業新聞」。この新聞は、メーカーなどの情報が豊富です。
さらに、「日経流通新聞」。サービス業などはこちらが情報豊富です。
加えて、その他「朝日新聞」など大手の新聞にも消費者のナマの声が豊富で情報収集にはうってつけです。
雑誌で読んでおきたいのが「日経ビジネス」。こちらの知識も決して損にはなりません。
また、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」。こちらも見ていて損にはなりません。
また、企業であれば、ホームページなどを参照し、「会社概要」、「業務内容」なども調べて頭に入れておくとよいでしょう。
特に最近のトピック(新製品の発売、海外進出など)を調べておくと話がしやすいものです。
加えて、会社概要に書かれている主要な取引先、株主の情報を見ておきます。
思わず、自分の知っている企業が書かれていたりします。
そのような場合には、その情報を糸口にして商談を進めることも可能です。
訪問前の準備が営業の結果を決める!
好奇心を持ち、徹底的にお客様のことを調べ、周到な準備を行おう!
(追い込まれた期末の営業からの相談)
少しでもチャンスのある先を訪問できたら、営業活動は楽になると思います。
何かヒントがあれば教えてください。
この気持ち、分かります。でも、売上げは結果です。
そうすぐに上がるものではありません。
営業担当1年目など、希にラッキーの神様が降りてきて、急に大きな売上げを上げることもあります(ビギナーズラック)が、長続きしないのが実情です。
でも、ラッキーの神様の探し方を少し伝授させていただきます。
もし、どうしても困ったら、試してください(継続して、毎日実施するとより良いです)。
みなさんは、新聞を読んでいらっしゃると思います。
新聞は営業情報の宝庫です。
自分のお客様先の、あるいはお客様先のライバル会社の情報が新聞にはあふれています。
そしてその中に見込み客の情報も埋もれています。
そのようなはずはないとお考えの方も多いと思いますが、「人事欄」や「決算短信」などは見込み客の宝庫です。
営業ターゲット先が比較的大きな会社であれば、人事欄に異動情報が掲載されます。
人事欄を少し見てください。異動情報はありませんか?
もし、ご担当者やその上司の方が偉くなったり、異動した時には営業チャンスです(逆の場合もありますが...)。
時に役員昇格など、慶事には、必ずお祝い状を送るべきです。
また、ご訪問して、お祝いを申し上げるのも良いと思います。
ご昇格直後、先方は当然ご多用中なので、お電話での伝言・名刺を置いて帰るだけでも悪くはありません。
何より素早くアプローチすることが大切です。
意欲に燃えているときなので、過去の取引関係にかかわらず、お祝いに来た営業担当者が採用される可能性は大です。
赤字の会社との新規取引開始や取引拡大は非常に困難です。
あらゆるチャンスを狙うのは当然としても、優先順位というものがあります。
まずは黒字の会社を狙いましょう。
新しいことがスタートする時には、その事柄から派生する新しいニーズが必ず発生します。
当然、先方も新聞に出るぐらい気合いを入れていますから、営業に行く価値は高いでしょう。
まずは、広報セクションに担当者を聞きましょう。
「おめでとうございます。新聞を見て電話しました!」と言えば、先方も悪い気はしません。
お取引先に困った時には、インターネットの出番です。
いろいろなアプローチ先が埋もれています。
みなさんの業種に応じて、活用してみてください。
以下は検索例です。
グーグルなどの検索サイトでなどで最近偉くなった人を検索してみるのも手です。
「異動」「昇格」「総務部長」を「過去3ヶ月間」の条件で検索したところ、10,000件を超えるのヒットがあります。
部門名、部長さまの氏名までわかります。
電話営業をするのであれば、効率は非常に良くなります。
同じく、グーグルで、部署ごとの電話番号を調べるために、「資材調達部」「電話番号」の条件で検索したところ、400,000件以上のヒットがあります。
こちらはダイレクトに、資材調達部の電話番号が目白押しです。
ITを活用すれば、営業先の調査もそんなに難しくはありません。
当然、当社でも大いに活用しています。
人事欄、決算情報などにチャンスが潜んでいる!
(20代営業担当からの相談)
一生懸命やっているつもりですが、なかなか大きな仕事を任せてもらえません。なぜでしょうか?
【上司談】
Aは、仕事はそこそこやってくれるんだが、仕事中に携帯を見たり、ラインをしたりとか仕事以外のことで忙しい。そういう人間は信用できないから、大きな仕事を任せたくないんだよね。
営業担当者は、まず、自社内で信頼を置かれることが重要です。その方法は、自らの力をすべて出し切って案件に臨むことです。
個人の力はいくら頑張っても2か3にしかなりません。
しかし、社内の力を結集すれば、10にでも100にでもその力が広がり、大きな仕事ができます。
仕事ができるようになればなるほど、様々な場面で他の人に協力を要請する必要が出てきますが、ルールだけで人は絶対に動きません。
結局、人を動かすのは、自分の仕事に対する真摯な姿勢だけです。
上司はそれを見ています。
あなたが「人を動かせる」と考えられた時、大きな仕事を任せてもらえるようになります。
新人営業担当者に限らず、営業担当者は公私の区別をつけることがまず第一歩です。
営業担当者は比較的自由に行動できます。
そのため、時間の使い方にしても、公私混同する者も出がちです。
上司はたえず、その点に目を光らせています。
よほどのことがない限り、仕事中に私生活を持ち込むことは論外です。
勤務中の私事、私用電話、私メールなどが発覚した場合、日々の努力は台無しになってしまいます。
実は営業部門の上司は、帰社時間を気にしています。
商談を実施し、帰る時間というのは、おおまかに想像できるものです。
大きく逸脱する場合は、いったん会社に電話するぐらいの配慮は必要です。
また、営業経費についても、小額でも私費流用などがないように細心の注意を払うべきです。
1回でもそういうことをしてしまうと、「時々、見ていないところで手を抜いたり、不正をするやつ」と見なされてしまいます。
真摯な態度で、社内・部署内での共感をよび、力を借りて大きな仕事を行う
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