こちらは、営業職にもかかわらず話すのが苦手な内気営業中島が、マル秘営業テクニックをまとめてご紹介しているコラムページです。
私のマル秘営業テクニック、ここでは私がお客さまと商談をするときに心がけていることをご紹介します。
自動車販売会社のお客さまと営業研修の話をしているとき、「中島さんはいつもどういう風に営業しているの? 今日はこれを売ろう! とか決めて来るの?」と質問されたことがあります。私にとっては想定外の質問で、急に言われてもと困ったのですが、なんとか笑顔を作ってその場で考え、次のようにお答えしました。
「あんまり『売ろう』って思ったことはないんです。なんというか、そういうことじゃなく・・・御社営業の皆さんの売り上げが少しでも上がるにはどうしたらいいかを考えてきました」
こう口に出してみて、これが自分でも一番しっくりくる表現だと思いました。するとお客さまは「へぇ~そうなんだ、中島さんって面白いね。でもそういうところがいいんだろうね」と妙に納得したようにおっしゃいました。私は決してお客さまを喜ばせようと思って言ったわけではなく、本当にそう思っていると前置きをしたうえで、これまでいかにお客さまについて考えてきたかを詳しくお話ししました。
自分が何かを買うときは、要らないものを買ってもしょうがないと思っています。要らないものを提供しても、相手にはそんなに喜んでもらえません。取り扱う商品が研修だと、終了後のアンケートに結果が出て、皆さんにご満足いただけたかどうかよく分かるので余計にそう感じます。お客さまの課題点に対して、良い内容のものを、良いタイミングでご提供したいです。
毎日の商談では、良いタイミングをうかがう気持ちで話をしています。お客さまとのお話の中で、組織内にどのような部署があってどう働いていらっしゃるのか、お困りのことやすべきなのにできていないことは何かといったことを訊けたら良いと思います。
とはいえ、これらはあまり簡単には教えていただけないので、紹介できるのではと思うすべての研修の資料を一応は準備していきます。これも全部売ろうと思っているからではありません。お持ちした研修の中で「要らない」と言ってもらうことで、逆に必要な研修が何かを教えてもらう作戦です。
売るために何を聞いたらいいかをたくさん用意しておくのは良いことだと思います。たとえば、弊社の研修でいうと、新入社員の数、新入社員の雰囲気や配属時期、OJT担当者はいるのか、その担当者はどういう人か、OJT担当者が担当者である期間はどのくらいか・・・このあたりを聞いておくとOJT研修が売れます。そしてもし売れなくてもご紹介すべきタイミングがつかめます。
★弊社代表・舟橋からのコメント
①ギャップを自ら作り出して、営業チャンスを作る
中島は小柄で、一見してバリバリ働くような営業職には見えません。加えて性格が内向的です
から、お客さまに上記のような質問をよく受けます。そう考えると、人は不思議なもの好きの好
奇心を持った生き物なんですね。ですから、営業トークがすぐ出てこない皆さんは、中島のよう
な状況を意図的に作り出して、利用してください。例えば、動物柄などあえて派手なネクタイを
締めてみる、お客さまが見慣れていないような小物をさりげなく見せてみるなど、相手の注意を
ひくような状況を作るのは有効だと思います。
②「思い詰める性格」を営業に活用する
まず、そんな支援者がいる先を1社訪問し、教えてもらいます。売れなくてもOKです。次の
訪問先(2社目)では教えてもらった通り話すのです。内向的なみなさんの話しやすい人という
特性は必殺技に繋がるかもしれません。
③「思い詰めて」準備する
中島はとにかく思い詰めて、いいものを出そうと考えていますから、準備にぬかりがありませ
ん。様々な観点から準備をして商談に臨みます。ですからお客さまのほうは、楽観的な営業担当
者と話すよりはむしろ追い詰められます。よってセールス上の成果につながっていくのです。
私の営業マル秘テクニック、ここでは提案案件が失注となってしまった時の考え方についてご紹介します。
ある自動車販売会社さまに向けに営業研修を提案していた時のことです。自分がその会社の営業部員になったような気持ちで熱く営業をかけていましたが、その後お話をしていたご担当者さまが異動となり、また組織変更で部署もなくなってしまいました。結局、営業研修は失注となってしまったのです。とにかく頑張っておすすめしていたので、大変残念でした。
でも、だからといってそのまま泣き寝入りする私ではありません。まずこの案件について考えたり調べたりしたことを誰かにお伝えしたいと考えました。また、自分が提案した研修内容が、別の会社が提供するものに劣るわけがないと思いました。私は何度もお電話をして、ついに別部署の研修担当の方をご紹介いただいたのです!
このときはお客さま側の事情により失注してしまったのですが、他社のほうがお客さまによい提案をされて、失注することもたくさんありました。そのときは、せっかくたくさんお話しいただいたのにお役に立てなかったことをお詫びして、素直に身を引きます。その際、今後のためにお客さまに選定の理由をおうかがいします。お客さまのために一生懸命考えたことについてはプライドを持ち、ご返答いただいた選定事由は次の提案で活かせるように、また継続してお電話します。
過去の私の失注理由ランキングの上位7つは以下のとおりです。
第1位 これまで取引していた会社に引き続き依頼することになった
第2位 実施が中止、または、内部講師で実施することになった
第3位 予算が取れず、安い見積を出した他社に依頼することになった
第4位 他社の講師がよさそうだったので、そちらに依頼することになった
第5位 他社の提案のほうが自組織に合致していたので、そちらにお願いすることになった
第6位 提案が遅かったので他社に依頼することになった
第7位 研修実施実績が少なく、上司に推し切れず他社に依頼することになった
第1位と2位はどうしようもないのですが、多くのケースにおいて「先に選定の決め手を言ってくれればよかったのに!」と感じました。第3位の予算については、分かっていれば社内で値下げを検討できたかもしれませんし、第4位も別の講師にするか、もしくは講師の補足情報をプロフィールに掲載できたかもしれません。第5位と6位は、聞いた時点でこちらの提案を改めて考え直させていただいたら良かったでしょう。第7位の研修実績も、だったら本当はもっとアピールできたはずだと悔やまれます。失注したら、反省すべきところは反省し、また気を取り直して営業活動を続けます。
★弊社代表・舟橋からのコメント ~失注とのつき合い方
内向的な営業の皆さまに、失注とのつき合い方を2点だけお伝えします。
①失注を重く考えるより、次にトライ!
失注というのは、よくあることと言ってもよいと思います。だからあまり落ち込まないことが
重要なのです。内向的な人はくよくよと考えすぎます。ああ、もうダメだとか営業をやめて転
職しようとか考えがちです。ですが、実はそれほどに落ち込む必要はありません。
失注の原因を冷静に分析することは大切ですが、あまり深刻に考えないことです。中島がこの
境地にたどり着くには少し時間がかかったでしょう。しかし中島のように、めげずに次の顧客に
チャレンジしてくれる方が上司はずっと嬉しいはずです。
②あえて反省するなら「連絡方法と頻度」
内向的な営業の特徴を一つ申し上げておきます。内向的な営業は、お客さまとのやり取りが少
ない傾向があります。つまりお客さまと頻繁に連絡を取り合っていないのです。また、訪問より
電話、電話よりメールで連絡しがちです。その結果お客さまにこちらの気持ちが伝わりにくい状
況を自ら作っています。
ですからお客さまへの連絡方法は、できるだけメールを使わず実際に訪問するよう心がけてみ
てください。その頻度も自分で思うより2倍ぐらい多く、お客さまのところにお伺いするように
心がけましょう。そうすると、上記の失注理由第1位「これまで活用していた会社に決めた」と
5位「他社の提案のほうが自組織に合致していた」を減らすことができます。
私のマル秘営業テクニック、ここでは私がお客さまの立場になったときのエピソードと、その際に感じた「対応スピード」についてご紹介します。
弊社には、清掃担当、朝礼担当、新卒採用担当、自転車管理担当などの様々な係があります。1つの担当は1~10人で構成されており、担当メンバーが中心となって社内に声掛けしていきます。正直すごく面倒くさいのですが、他の部署の人と話せる機会にもなるので、それなりに楽しい面もあります。
私はお客さま向けお中元・お歳暮担当です。実はこの夏、お中元として、新しく販促品を作ることになりました。3ヶ月も前から計画していたにもかかわらず、他の業務に気を取られ、気づいたらもう1ヶ月前。当初メモ帳を作ろうと思っていたので、大慌てでノベルティの会社に電話を入れました。
私 :ホームページを見てお電話しました。オリジナルのメモ帳を作りたいのですが...
先方営業担当:ページ数やサイズ、個数はお決まりですか?
私 :あ、あの、何も決まっていないのですが、とにかく早く作らなきゃいけないの
で、もしサンプルとかがあれば見せていただきたいのですが
先方営業担当:では今日お伺いしましょうか?
私 :えっ、今日来てくださるんですか? ありがとうございます!
なんと今日対応してくださるとのこと、私にはこれはかなり嬉しかったです。このノベルティの営業担当の方からは、メモ帳やノートの作り方から、料金の見積方法・納品スケジュール・用紙の種類など色々なことを教えていただきました。残念ながら最終的にはメモ帳ではないものを作ることになったので発注はできませんでしたが、本当に感謝していますし営業担当者の方の印象が大変良かったので、何か次の機会があればこの方にぜひお願いしてみたいと思っています。
弊社でも、逆の立場でお客さまから同じようなお問合せのお電話をよくいただきます。この経験から、提案は最速で行わなければだめだと思いました。受注において、営業対応が早いことは大変大事なことです。お客さまからのお声がけに最速で行って、その場で受注することもよくあります。訪問に限らず、メールや資料送付、電話についても同じだと思います。
私も対応や提案が遅かったために失注することがごくたまにありますが、これは言語道断です。弊社の研修では、「すぐに」は5分以内、「後ほど」は30分以内、「後日」は2日、48時間以内を表していると受講者の方にお伝えしています。お客さまも日々動いているので、こちらがぼんやりしていると良いタイミングを逃します。お客さま対応は、常にスピードが必要です。
★弊社代表・舟橋からのコメント~ニーズは内気営業を救う
「営業担当者の対応が早いほうがいい」は、まったくもって正しいことです。たとえ話ベタであっても、とにかくお客さまのところにお伺いできれば営業活動ができます。そんな時に限って、他の要件があったりするものですが、とにかくお問い合わせへの対応を最優先することです。そうすれば、最低限のことでもお話できれば、商品が売れます。ニーズがあればものは売れるのです!
私のマル秘営業テクニック、引き続き先にご紹介したノベルティ制作会社の営業担当者の方から私が学んだことを6つご紹介します。
初めましての記念にと、ポストカードをもらいました。物をもらうとどんなものでも結構嬉しいものですね!
今回先方の営業さんと話してすぐに私は上司に報告しましたが、ノートやメモ帳の制作は時間がかかり難しいので、他のものを考えようという結論に達しました。
私が営業をする側のときは、訪問後に先方内での検討がまだだろうからとしばらく時間を置いて、ご検討状況確認の電話をしていました。でも、今回のノベルティ制作の経験から、翌日すぐにでも電話を入れた方が良いということに気がつきました。
ノベルティの営業さんは、見積書を2日後までに送ると約束し、その期日までにきっちり送ってくださいました。見積書が届くまでの2日間、私は他の業務をしていながらも、まだかなと心待ちにしていました。実際、その内容を見てから次に動きたかったですし、どんな形式の見積書をもらえるかも興味があったので、とても楽しみでした。
私はそれまで訪問後に「後で送る」と伝えた細かい資料について、こんなのでも参考になるのか、実は興味をお持ちではないのではと考えて、いつも腰が重くなっていました。でも、実は何を送ってもらえてもお客さまは嬉しいし、とても待っておいでなのです。だから資料はお客さまに早く送らなければと改めて思いました。
訪問後、ノベルティの営業さんは約束通りの期日にメールで見積書を送ってくれました。ただ実はそれきり、確認の電話などはありませんでした。私は仕事をお願いできてもできなくても、訪問してきてくれた感謝の気持ちと、今の状況を報告したいと思っていました。しかしたまたま本業の方が忙しくなってしまったため、こちらから連絡できませんでした。営業さんからどうなりましたか? という電話がないということに、なんとなく不安を覚えました。
このことから、意外にもお客さまの方が電話を待っているということに気づきました。私が営業する側のときは、訪問後の電話を、会ったばかりなのに電話もしたら迷惑かもしれないと考えすぎて、いつも電話がかけづらかったのですが、本当はお客さまにはどんどん電話しても良いんだと感じました。
訪問していただいたとき、とにかく私は自分の状況を話したかったです。ノベルティの営業さんは、初め雑談をしませんでしたが、その方がスピード感のある対応でありがたいと思いました。雑談は、一般的に、商談の前にした方が良いといわれています。しかし、私はお客さまの立場になってみて、雑談が必要ない場合もあるなと思いました。
ノベルティの営業さんは、来社いただいた帰りのエレベーターの前で、「近くのビルにお客さまがいるので、このあたりにはよく来るんですよ」とおっしゃいました。私は営業をしていて、帰りのエレベーター前で何を話したらいいか迷います。近くのビルにお客さまがいるというのはなんとなく言うのがはばかられると感じていましたが、実際に言われてみるとまったくそんなことはありませんでした。ノベルティの営業さんにかなり親近感がわきました!
★弊社代表・舟橋からのコメント~視点を変えて顧客の立場で考える
中島の今回の発見は、大変いいものです。セールス担当者であっても、時にはお客さまの立場になります。そんな時は今回のように、他のセールス担当者に勉強させてもらいましょう。重要なのはあらゆる機会を捉えて学ぶことです。内向的か外交的にかかわらず、できる営業担当者はあらゆる機会にセールス向上策を学んでいます。
特に、顧客の側から自分のセールス活動を見つめて直してみると得るものが大きいものです。雑談を必ずしなくていいのように、今まで出来なくて困っていたことが実はあまり重要ではなかったという発見は、とても良い発見であると思います。このように視点を変えて考えることは、様々な示唆を与えてくれます。
今回、覚えておいて欲しいのは、もし○○だったらという視点を持つことです。営業の仕事はあらゆる人にかかわってくる、自分ひとりではできない仕事です。今回は「もし自分がお客さまなら」という視点からのアプローチでしたが、社内の経理部門だったら社内の製造部門だったらなど、様々な立場でものごとを多面的に見つめてください。見つめる面の数が多いほど、セールススキルが上昇します。
お中元プレゼントは結局何にしたかというと、マグネットと蛍光ペンです。以前ご紹介した私の支柱理由ランキング1位の「これまで活用していた会社に引き続き依頼することになった」というパターンで、ある会社に発注することになりました。
やはり、一度でも取引があるというのは、絶大な信頼性があります。今考えると、ここで初めての会社にお願いするというのはかなりの冒険です。新規営業のときは、ご担当者さまの気持ちを推し量る必要があると思いました。
発注先のノベルティ会社の営業担当者の方とのおつき合いは2年くらいになります。次のように細かいところまで聞いてくださって、すごいと思いました。
・いつから配りたいのか
・いつまでに届けてほしいのか
・予算はいくらで、増えることはないのか、少なければ少ない方がいいのか
・誰が決裁権者なのか
・発注が確定するときの基準は何か
・安い見積りの他社があったらそちらに変えられてしまうのか など
気が弱い私が営業するときは、実はこの細かいところが聞きにくかったのです。お客さまにガツガツしているように見えるんじゃないかと心配で、大体はさりげなく話を振ってみて、あまり進んで話してくださらなければ、それ以上は確認できませんでした。
でも実際のところ、今回のノベルティ発注担当者の「お客さま」になっている私は、このあと発注のための稟議書を書かなければならないためにそわそわしていました。管理部門から稟議書の差し戻しがあると発注に時間がかかるなとか、どのようにアピールすれば稟議書が通るか、他社の見積もりを取らないと社内ルールに反するのではないかといったことを考えていたのです。
このような状況で、ノベルティの営業担当者が稟議や決裁の事情に関して、一歩踏み込んで確認するのは、まったく違和感がないと感じました。むしろ、そのあたりの事情を踏まえて提案してくれるほうがありがたいと思いました。
それ以来、内気な私もご提案の際、そのあたりの細かい事情をお客さまにできるだけ確認するようになりました。すると、今まで気づかなかったお客さまの具体的なご要望や関心事を引き出せることが分かりました。
ある営業先で、私はお客さまに「提案書で最も注目している箇所はどこか」と尋ねました。
するとお客さまは、
「タイムスケジュールと、大体の内容、講師のプロフィールかな。あとは、実際に受けた人がどんな感想を持ったかっていうところが、実は一番気になるところなんだよね。本当は自分が受けてみるのが一番いいけどなかなかそうもいかないし、でもそうじゃないとどんな研修なのかわからないよね」と答えてくださいました。
これを聞いていたことで、このお客さまへのご提案書については、今まで以上に実際に受講された方の感想のコメントをたくさん載せて提出することにしました。それを確認していなかったら、「この研修がどんなものかわからず不安」と思われあっさり失注になっていたと思います。結果はまだ分かりませんが、少なくともひとつ内向的な私の不安要素を排除できたところは、良かったと思います。
★弊社代表・舟橋からのコメント
中島のしたことは、自分が内向的かどうかに関係なく、営業担当者がすべき行動のひとつです。法人営業においては、お客さま担当者の所属する組織での立場、稟議書を作成するなどのなすべきことを確認し、時にはこちらから動き方までアドバイスし、ナビゲートしていくことで、案件を確実なものとしていきます。実際、私がお客さまに成り代わって、稟議書を作成してさしあげた事もたびたびあります。
営業担当者は、お客さまにとって、交渉相手と言うより、お客さまのパートナーです。お客さまに対して、常に寄り添う気持ちを心がけるべきです。
お客さまの中には、反応の薄い方がいらっしゃいます。何を考えているか、また話を聞いてくれているのかいないのか様子がよくわからないので、実際のところとても困ります。熱心に準備してきた提案内容も、特に喜んでいるように見えないですし、興味があるのかどうかさえまったく掴めないこともあります。私は最初の頃、そういうお客さまがすごく苦手でした。
上司に頑張って克服するよう言われ、先輩を相手にさんざんロールプレイングもしました。その努力の成果かどうか分かりませんが、反応の薄いお客さま対策としてのテクニックを身につけられたので、ここで皆さんにお伝えします。
①自分が持っている情報を浅く広く提供する
反応の薄いお客さまには、最初に自分が持っている情報を10分間ぐらいお話しします。業務知識がない間は大変だと思いますが、少ない知識を振り絞って説明します。このとき、先にヒアリングをしようとすると失敗します。
お客さまはまだこちらに話をしようというほど心を開いてくださっていません。いったんこちらから情報提供をし、話したことに関心を持ってもらうしかありません。自信を持って話せるものを、堂々とお客さまに伝えましょう。
②きけることだけヒアリングする
10分間話し終えたら、次に○○はどうですか?など、説明した内容に関連した話をお客さまに振ってみます。もともと話好きの方や、質問・疑問の多い方はここで話をしてくださいますが、反応の薄いお客さまはこの質問にも「特にない」と回答なさる場合が少なくないものです。するとさらに困ると思いますが、ここで慌ててはいけません。
③最後に渡すものだけ渡して帰る
ここでうっかり粘ろうとするとお客さまにうんざりされることが多いので、潔く自分の限界を認め、商談の締めに入ります。
私の力不足でうまくご要望をうかがうことができなかったことをお詫びし、「次回は上司を連れてきたいのでお客さまが興味のあることや人材育成に関する問題を教えてほしい」と白状するようにしています。すると、管理職研修について情報収集をしていることや、新入社員研修を検討しているといったことをあっさり教えてくださるお客さまが多い気がします。その他にも「テレアポが新人のようだったので、アポイントの機会をあげようと思った」と言われたことがあります(苦笑)。
自分の力不足を白状した以上、一つ注意しなくてはいけない点があります。たとえここで自分が知っていることがあっても、中途半端にお伝えすべきではありません。もしもお伝えした内容にご満足いただけないと、上司の訪問がふいになってしまうからです。
私のささやかな経験上ではありますが、反応が薄いお客さまは、このような状況についてこちらが思っているほど深く気にしていないものです。ですがこちらはうまく商談ができなかったと感じて次の連絡をすることに二の足を踏んだり、このお客さまとは仲良くなれないと絶望したりすることもあります。こちらが思うほど相手は気にしていないことが多いのですから、気持ちを切り替えて積極的にアプローチしましょう。
★弊社代表・舟橋からのコメント
反応が薄いお客さまについては、私を含めたほとんどの営業担当者が苦手と感じるのではないでしょうか。そんな中、話しベタの中島のアプローチは上手だと思います。もしかすると内向的な営業の得意分野かもしれません。なぜなら、お客さま自身がそもそも内向的なのですからね。
今回の教訓は、「ライバルの少ない顧客を見つければ成功する可能性が高い!」ということです。一般的には営業職は話好きですから、手応えのある話のかみ合う顧客を好んで訪問する傾向があります。よって、反応が薄いお客さまを好んで訪問する営業担当者は少ないと考えられます。そこで中島のような内向的な営業の出番です。むしろ訪問や架電頻度を上げ、アタックしましょう。内気なあなたの素直な心でアプローチするうちに、お客さまもだんだん心を開いてくださいます。そうしたら、受注を獲得できるチャンスです。
私のマル秘営業テクニック、続いてはお客さまに言いたいことが言えなかったときにどうしているかをお伝えします。私のように内向的だと困るのは、伝えたいことが言えないことです。特に営業活動の現場では、損をしていると感じます。
例えば、パチンコ機器の会社に営業訪問するために、人生で初めてパチンコ店に行った時のことです。そこで私は意外に女性の利用者が多くてびっくりしたこと、スロットのやり方が分からなかったので隣の人の見よう見真似でやってみたこと、スロットの上の映像がとてもきれいでびっくりしたことなどさまざまなことを感じ、そのことをお客さまに伝えたくてうずうずしながら訪問しました。
ところがその当日は、お客さまからいただいた問合せに対する訪問だったこともあり、雑談なしで話が始まってしまったために、結局最後までパチンコ店に行った話をするタイミングをつかめませんでした。すごくがっかりしながら、私は会社に戻りました。
会社で落ち込んでいると、ある上司がそんなに伝えたいならメールで送ればいいじゃないかと声をかけてくれました。アドバイスどおり、訪問のお礼をかねて送るメールに追記することにしました。
みなさんは、ビジネスEメールの中で私的な話をする際の書き方をご存知ですか? 追伸を使うのです。早速、追伸として感じたことを次のように記載してお送りました。
追伸:
ところで、さきほど申し上げられなかったのですが、貴社さまをお伺いするにあたり、初めてパチスロを経験して参りました。○○(機種名)です。隣の人の見よう見真似でやってみました。「Replay」マークでも3つ揃うと嬉しく、一人で拍手して楽しむことができました! パチンコ台の上方の画像は大変スムーズに動くんですね。また行ってみたくなりました。
しかし、この訪問お礼メールに対する返信は特になく、見てくれたのかそうでないのかもよく分かりませんでした。後日再び訪問したときに気になって確認したら、なんとお客さまはメールをきちんとご覧になっていて、とっても喜んでくださっていたのです!
このようなことだけでなく、訪問時に伝えきれなかった提案に関することや、その場で判断がつかず答えられなかったことは、後からメールで送るのも有効です。特に弊社はWEBページが充実しているので、「詳しくはこのWEBの記事も参考にしてください!」など、見ていただきたいURLを送ることもよくあります。
★弊社代表・舟橋からのコメント~メールはOK! ただしマナーは守ろう
言えないことはお手紙で・・・とは古くからある方法ですが、現代はメールですね。中島のように、あまり話さない人が文章で伝えると、とても印象に残ります。ただしその文章が稚拙だと逆効果になるので、ビジネスEメールのマナーはしっかり守ることが大切です。
私のマル秘営業テクニック、実は私の営業活動でやっていたことが後輩の見本になっている例をご紹介します。今、インソースに入社して営業職に就いたばかりの方に推奨されているのが、訪問お礼メールです。訪問から帰ってきたらすぐに、お客さまにアポイントの時間をとってくださったことへの感謝の気持ちを込めて、お礼をメールでお送りしています。本当にお礼だけを送る新人もいますし、おすすめの研修の紹介を添えて送る人もいます。
私が営業職になりたての頃、お客さまへの感謝の気持ちをその場で伝えることができなかったので、メールで逐一送っていたのが始まりです。思っていた以上にお客さまがよく返事をくださったので、気を良くした上司が他の営業担当者にも勧めてくれて社内に広まりました。お客さまがわざわざ手間をかけてメールの返事をくださるなんてありがたいですよね。とても嬉しいものなので、是非おすすめしたいです。
内向的な営業にとって、訪問時にお客さまの反応の良い・悪いがよくわからなかったときや、関係が作れなかったときの不安は大きいと思います。それを払拭できるのがこの訪問お礼メールです。訪問時に言えなかったことをメールで追記することの良さをお伝えしましたが、お礼を一言送るだけでも、お客さまに喜んでいただけます。
ただ、忙しくなってくるとお客さまことに文面を作る手間をかけられなくなってくるのが難点です。ですから自分なりのお礼メール文のテンプレートを作っておくと便利です。
(テンプレート例)
××株式会社
△△部
課長 ○○○○ 様
いつも大変お世話になっております。株式会社インソースの中島でございます。
本日は貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。
************************(ここはお送りする方によって変える)*****************************
本日○○様から「当社では、新人から社長まで、例外なく毎年能力開発目標を立て、チャレンジすることが義務となっている」というお話をうかがい、貴社の成長理由が分かったような気がいたしました。このような貴重な機会をいただき、心より感謝いたします。
*******************************************************************************************
貴社のお役に立てるよう精一杯対応させていただきますので、
ご不明な点やご要望などもお気兼ねなくお問合せくださいませ。
今後とも何卒、よろしくお願い申し上げます。
お礼メール作成のポイントは3つあります。
①すぐにお送りする!
タイミングを逸すると効果が薄れます。訪問当日か、遅くとも翌日の早い時間には送りましょう。
②メールマナーに注意!
ビジネスマナーがなっていない文面のメールでは逆効果です。次のことに注意してください。
●手紙との違いを考慮する
Eメールでは、読み手が使う端末の画面によって読みにくい場合があるので、モニター画面に収
まるように文章を調整する。30~35字で改行を入れる、ひとつのメールでは原則一つの案件
だけを書く。
●メールは誤読されるものと認識する
文章は誤読される可能性が高いので、感情的な文書(特にマイナスに取られる可能性のある
言葉)は使わないようにする。
③一言、気持ちを込めた感想を記す
型どおりの文面だけでは、想いを伝えきれません。メールにお客さまの話をしっかりと聞いてい
たことがわかる文章を一言添えられればベストです。 上記に挙げたメール文例の********で囲ま
れた部分のように、訪問時にお客さまがお話しくださったことをメモしておいて、書き加えると
お客さまからきっと喜ばれますよ。
お客さまは自分の話をよく聞いてくれる営業が一番好きです。皆さんも自分の話をじっくり聞いてくれる人の方が、安心して自分の話ができるのではないでしょうか。お客さまも同じで、じっくり話を聞いてくれるなら、内向的な営業でも別に構わないのです。
営業の仕事はお客さまから受注をもらうだけでなく、商品を納品し、代金を回収するところまでが仕事です。ということで納品作業を進めてはいるのですが、私の悩みは、心配し過ぎてその作業に時間がかかることです。あるべき商品が揃っているか、期日までに終えられるかなど、もともとネガティブな性格のせいか、何かミスがあるんじゃないかと心配で心配で、納品作業にやたら時間がかかっていました。
私のマル秘営業テクニック、ここでは納品におけるポイントをご紹介したいと思います。
納品作業は少しばかり多く時間をかけられるように、その時間を確保しましょう。ここできっちりやるからこそ、次のお仕事ももらえます。新規顧客の獲得活動ばかりが営業の仕事ではなく、長期的にお仕事をもらえるように取り組む活動の全てが、営業にとって大事なことなのです。
弊社にも準備品の確認表があります。実は、これをミスなく入力していることに関しては、私はすごく自信があります。人によっては、こういう細かいことが苦手な人もいるみたいなのですが、日頃から細かいことばかり考えているので表にチェックを入れながら確認するのも得意になっていくみたいです。
★中島の先輩からのコメント
ベテラン営業に勝る商品知識やお客さまを楽しませる巧みなトーク術がなくとも、内気営業でもやればできるのが、納品まで決して手を抜かず、確実にお客さまの元に商品やサービスを届けることです。こんな当たり前のことを当たり前に、そして徹底的に行うことが重要です。お客さまから「○○さんだから安心して任せられるよ!」なんて信頼が得られたら、営業担当者として魅力の一つになっているはずです。
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