関西マーケティング道場 「大手ファーストフード店に学ぶ商品開発とテストマーケティング」実施のご報告

関西マーケティング道場 「大手ファーストフード店に学ぶ商品開発とテストマーケティング」実施のご報告

関西マーケティング道場(5回目・2/23)実施のご報告

関西マーケティング道場の第5回は、大手ファーストフードチェーンで商品開発や販売戦略等に携わってこられた、得能通利氏をお招きし、世界的な外食チェーンならではのマーケティング戦略の面白さや難しさについてお話いただきました。

◆「14億人」を想定した商品戦略

得能氏が働いていた大手ファーストフードチェーンを利用する人の数は、年間なんと14億人。何か新しい商品を展開するとすれば、この14億人に対して発信、展開することが前提となり、その規模も莫大なものになります。当然、失敗した場合のダメージも比例して大きいため、まず小さな単位でトライし、その成功の確率を高めていく「テストマーケティング」に力が入れられるようになったということでした。

◆企画した商品のうち残るのは数百分の一

数々の関門を潜り抜けてようやく新商品として世に出されたメニューも、その多くは、次第に販売成績が落ちてきて、終売となってしまいます。実際、過去に新商品としてリリースされたもののうち、現在も継続的に販売されている商品(季節限定商品を含む)は、数えるほどだそうです。そのうちの2商品の開発に関わってきた得能氏曰く、開発過程における社内外とのやり取りや上層部の説得はことのほか大変で、思い出すと今でも当時の苦労に胸が詰まる思いがするといいます。

◆マーケティング調査を鵜呑みにしてはいけない

新たな顧客を呼び込むために、今ないメニューを加えて客層を広げようとする戦略は、いわばマーケティングの王道ともいえます。しかし、その「まだ見ぬお客」は本当にウチのお客なのかを見極めることが大事だと得能氏はいいます。このファーストフードチェーンでも、マーケティング調査で得られた「野菜たっぷりのヘルシーな商品を投入してほしい」という声をもとに何度となく企画提案が上げられ、その度トライしてみたものの、結局売れなかったといいます。つまり、世の中がいくらヘルシー志向に傾いていようとも、それをファーストフード店には求めているわけではない、ということを理解せねばないということでした。

◆新たにメニューに加える新商品アイデアを考えよう

午後からのワークショップでは、このファーストフードチェーンのメニューに加える新たな商品を企画してみようというお題で進められました。その商品に対して顧客のニーズはあるのかどうかももちろん大事ですが、そのチェーン店のオペレーション基準に乗せられるのかどうかもまた、企画を考える上でのハードルとして立ちはだかります。実際にその開発の現場にいた得能氏にジャッジ役を務めていただき、おのずとリアリティのある企画の議論が展開されることとなりました。

◆企画プレゼン大会は大混戦に

恒例の最後のプレゼン大会で優勝した企画は、次点との得点差がわずか1票差であり、その次点に5つの企画が並ぶ、大混戦でした。製造業とはまた違う、顧客の反応がダイレクトに開発者に伝わる外食産業ならではの、マーケティングの妙味を知る貴重な機会となったようでした。

関西マーケティング道場 実施のご報告

・「企業における新規事業、新商品開発の発想の技法と進め方」実施のご報告(1回目・10/13)

・「最新事例を通じて学ぶマーケティングの基本」実施のご報告(2回目・11/17)

・「エンタテインメント施設への集客から学ぶプロモーション施策」 実施のご報告(3回目・12/8)

・「『ポッキー』ブランド50年の歩み」実施のご報告(4回目・1/26)






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