マーケティング職
Sさん(仮)35歳
「交渉は、交渉前から始まっている」を念頭に置き取り組むことができました。
私はもともとシステムエンジニア出身で、いまはマーケティングに携わっています。技術者のご多分に漏れず対人スキルは低く、交渉はおろか、人見知りですらあります。
それも業務を進める中で、他部署との調整・交渉は当然発生しています。今のところ、特段不都合を感じることはなく、お互いに禍根を残すことなく、うまく折り合いをつけることができています。
とはいえ、これはかんたんなケースであることも理解しており、社外の人との利害が衝突する交渉においては、「ああ、むり・・・」と感じることがあります。
研修では、交渉において無策で臨むのではなく、「交渉準備シート」を用いてシナリオを作っておくことがポイントと教わりました。しかし、「そんなことはわかってるけど、利害が衝突するような交渉では苦労するでしょうよ」とどうも納得感がありませんでした。
が、テキストに「交渉“前”に相手に信頼される」「心理的な貸しを作っておく・借りを作らない」とも書かれており、はたと気がつきました。「交渉しなければならない状況よりもずっと前に、“下地”を作っておかないと、交渉の時に不利になるのか!」誰と交渉することになるかわからないから、業務のつながりが少ない人にも、下地作りが必要だと学びました。
ある日お客様から、価格の根拠説明のお問い合わせを頂きました。きちんと回答しているはずが、「内訳は?」「相場の金額と違う理由は?」などと次々質問され、苦痛にすら感じてしまい...。
そんな時上司から「これは交渉だよ。相手のペースに乗ってはダメ」と言われました。そう、ただ質問に答えることに必死で、交渉前に描くべきシナリオが描けていなかったのです。研修で学んだ「交渉前から交渉は始まっている」を実体験した瞬間でした。
まだまだ交渉の前段階でつまづいているような状況ですが、これからもいつ交渉が始まるともしれない、と意識を改めることができました。油断せずに、業務に当たるようにしていきます。
自分が無意識に感じていた感覚や癖が言語化できたことで「壁」との向き合い方を発見