付加価値の高い商品・サービスを提供する

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1.営業の仕事とは何か

■仕事と作業

労働人口が少なくなる中でも、これまでと変わらずに売上をあげるために、営業担当者はこれまで以上に仕事を効率化していくことが求められています。

ビジネスパーソン向けの雑誌や書籍でも、思考法、会議術、文書作成術といったビジネススキルの向上や効率化のノウハウが取り上げられていますが、「仕事」と「作業」は必ずしもイコールではありません。

営業担当者にとって、最も重要な仕事の一つは、お客さまへの価値ある情報・サービスを提供することでしょう。プレゼンテーション資料の作成などは、その仕事を実現するための作業の一つにすぎません。

つまり資料作りや情報分析、戦略会議などは「作業」であり、成果をもたらすための手段なのです。

■価値あるサービスの提供こそが営業の仕事

作業は仕事を成し遂げるための手段ですから、その部分を効率化するためには、いま自分のやっている作業の目的を正しく認識することが必要です。しかし、それよりももっと大切なことは、自分や組織がお客さまに対してどのような価値あるサービスを提供できるかを考えることです。

「ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルそのものではなく、穴である」というマーケティングに関する古い格言があります。コンサルティングのようなソリューション提供であれ、本やバッグのような物質的なものであれ、お客さまはその商品・サービスを通じてなにかを得たいと思っているはずです。 時にはそれが明確にはなっていないかもしれない「何か」のご要望に応えることこそが、営業担当者の仕事ではないでしょうか。

自社の商品・サービス(既存のものもあれば新開発のものもあるでしょう)がお客さまにどのような価値を提供できるのか、そのことを営業担当者は考え抜かなければなりません。

2.お客さまが求める「価値あるサービス」に近づくために

■自社の商品・サービスについて知る

営業担当者の重要な仕事の一つは価値提供であり、そのためにはお客さまのことをよく知ることが大切ですが、とはいえお客さまの課題や求めているものがわかるだけでは不十分です。営業担当者は、自社の商品・サービスについてよく知っている必要があります。

ここでいう「知っている」とは単にその商品・サービスの機能や特徴について知識があるということを指すのではありません。それらの機能や特徴がお客さまにとってどんな価値を持つのか、お客さまの課題をどのように解決に導くのかをお客さま視点で見ることができるかがカギとなります。

この視点がなければ、単なる独りよがりの提供者の論理だけを押し付ける営業になってしまうのです。

■価値あるものの提供×付与した価値への共感喚起

お客さまを知り、自分たちがの売るものを知り、どんな価値の提供ができるかを考える。これは、どちらかと言えばロジカルな世界の話です。そして、ここから実際の購買につなげるためには、もうひとつのステップが必要となります。

それは、お客さまに商品・サービスの価値を理解してもらう、さらには自社の製品・ブランド、あるいは営業担当者に共感してもらうということです。購買に最終的につながるのは、「好き」というエモーショナルな世界で、心を動かすことができたときなのです。  

ここで重要なのは、ロジカルな世界とエモーショナルな世界の両方からアプローチする、ということです。どんなにお客さまに価値のある商品でも、それをお客さまが「本当に自分にとって価値があるものだ」と納得いただけなければ意味がありません。

また、どんなにお客さまに共感いただいていても、その期待を裏切るようなものを売ってしまっては、その共感は失望に変わってしまうでしょう。

3.組織と自分にも価値を提供していく

■組織営業力向上のために

ここまで営業担当者として、お客さまへ価値を提供することの重要性を述べてきました。ここからは視点を変えて、所属する組織への価値提供について考えてみたいと思います。

ここでいう組織への価値の提供とはなにかというと、「常に全体につながる仕事をする」ということです。例えば、自分が担当するお客さまに出した提案書を、良くできているなぁと満足して終わるのではなく、汎用化して皆が活用できる資料になるよう手を加えて周知することです。

あるいは、クレームやトラブルに対して、その原因を特定し、周囲に働きかけることにより、社内で再び同じような問題が起きないよう防止措置を図ることです。

このような所属組織への価値提供を意識すれば、同じ仕事をしているメンバーの仕事の質がはるかに高まります。なぜなら、他の営業メンバーはあなたが積み重ねた仕事をスタート台にして、次の仕事を進めることができるからです。

組織営業力の向上というと、マネージャーや管理職の仕事というイメージがあるかもしれません。しかし上記の例のように、例え新入社員であっても、ひとりひとりの行動によって、組織営業力の向上に貢献できるのです。

■価値の提供は自分に返ってくる

「情けは人のためならず」と昔からいいますが、組織への価値提供は自分のためにもなります。「give and given」などとも言われますが、情報の発信者の元には情報が、価値の提供者には価値がもたらされます。

力作の提案資料やオリジナルの営業ツールを周りのメンバーに共有すれば、上司や同僚からフィードバックがもらえ、あなた自身の営業力はさらに向上するでしょう。

また、組織全体の仕事の質を高めるような仕事をすれば、それは必ず上司の目に留まるはずです。上司の評価が高まれば、より大きなやりがいのある仕事を任せてもらえるチャンスが増えるでしょう。

4.貢献目標を設定する

皆さんはお客さまや同僚に、具体的に「何で貢献するか」が明確になっているでしょうか。もし、この問いにすぐに答えることが出来ない場合は、一度自分自信を振り返り、自分の強みと弱みを整理したうえで、貢献目標を明文化してみるのもいいかもしれません。

貢献目標とは、顧客や自社などに、なにをもって、どのように貢献するのかということです。これを明確にするには、まず、自分は何が出来るのかを知る必要があります。

自分の強みを知る方法は、自己分析テストを利用する、人に訊く、これまでの自分のあげた成果から推測するなど、様々あります。また、強みと併せて、仕事で求められる成果を出すうえで、弱みとなる部分も把握しておい方がいいでしょう。

強みと弱みが把握できたら、まずはその自分自身の強みにフォーカスします。自分が営業としてお客さまに貢献したいことや理想のビジネスパーソン像などを踏まえて、自分の強みをどのように活かせばいいのかを考えます。

このようにして考えたことを文書化し、貢献目標として掲げます。

この貢献目標は、あなたの仕事をする際の判断の軸であり、また、仕事における行動指針になります。まずは肩肘をはらず、気楽な気持ちで、考えてみてください。

  • ・あなたの役割はなんですか?
  • ・あなたの強みはなんですか?
  • ・あなたのビジネスに求められる能力はなんですか?
  • ・あなたの理想のビジネスパーソン像はどのようなものですか?
  • ・あなたのお客さまはあなたに何を期待しているでしょうか?

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