クリエイティブ
ディレクター
Fさん 40歳
会話中に相手の気持ちに意識を向けると、不思議と自分のトーンも変わってきました。
私が担当している仕事は、DMやパンフレットなどの企画・監修を務める制作ディレクター。中途入社ですが、前職からずっと同じような職種でキャリアを積んできています。これまでは制作物のイメージを実際に絵に起こして伝えることも多かったことから、「言葉で説明すること」はどちらかというと不得手でした。
ところが今の会社では、多くの並列する案件を短納期で完了させることも多く、作業者への「短く適切な言葉での指示」が必須になってきました。案の定、打ち合わせでは制作の意図が伝わらず「もうこんな時間!」と慌てたり、繁忙期には指示が乱暴になって再修正が発生したり...口下手な私の、名ディレクターへの道は果てしなく遠くにあるように思えました。
そんな私に上司が勧めてくれたのが、「アサーティブコミュニケーション研修」です。
恥ずかしながら、そもそも「アサーティブって何?」と思いながらの参加でした。「自分と相手、双方の気持ちを尊重して伝える大切さ」を学ぶこの研修は、実際の職場でもよくある風景を切り出しながら進み、自然と講師の言葉が耳に入ってきました。
印象的だったのが、「同調」「同感」「共感」の違いがわかりますかという質問。相手との接し方には、このような類似した言葉の中からも違いがあることに驚きました。
自分の思ったことを100%伝えるのは難しい。だからこそ相手に寄り添い、同じ目線で考える「共感」の気持ちこそが大切だと痛感しました。
受講後も口下手なところはすぐには治らないと思い、まずは相手の状況を察し、話を最後まで聞くことから始めてみました。いつもより早口でしゃべってるから余裕がないのかな...とか、今日は笑顔が多いな...とか。勘違いしたときも正直ありましたが、相手の気持ちに意識を向けると、不思議と自分の会話のトーンも変わってきました。必要以上に「言葉」にとらわれすぎていたのかもしれません。
次の目標は自分に余裕がない時に、いかに相手を意識できるか。最終的に「言葉」も整理して会話できるように成長していければ嬉しいですね。
自分が無意識に感じていた感覚や癖が言語化できたことで「壁」との向き合い方を発見